#131 コーヒーとテレビ

10月1日はコーヒーの日。いま手の中にあたたかいコーヒーカップがあると想像してみてください。そこではいったいどんなふうに過ごしていますか ──

Moi!フィンランドをもっと好きになる 131回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。


ワールドカップバレー:フィンランド×日本

昨日のフィンランド×日本のバレーボールの試合はご覧になりましたか? ── ミホコさんの第一声で始まった配信。今月の司会担当はミホコさんです。clubhouseアプリの仕様変更によって、配信前の打ち合わせができなくなったりとバタバタしながらお届けしています。

パリ五輪予選も兼ねる今回のワールドカップバレー。開幕戦となるフィンランド×日本の試合が9月30日にありました。世界ランキングではフィンランドは下の方(22位、日本は5位)だけど、とても白熱した試合だったとミホコさん。フィンランド国歌がテレビから聞こえてきたのも印象的だったそうです。

このあとフィンランドは、アメリカ、スロベニア、セルビア、トルコ、チュニジア、エジプトと対戦。応援しましょう!

▶︎ ワールドカップバレー2023男子大会|olympics.com


名曲アルバム「サッキヤルヴェンポルッカ」

次の報告は岩間さん。出会い頭で観たというNHKの番組【名曲アルバム】でフィンランドの民謡「Säkkijärven polkka|サッキヤルヴェンポルッカ」が取り上げられていたそうです。【名曲アルバム】は、世界各国のクラシックを現地の映像と共に紹介する、5分くらいの短い番組。いつやっているかわからないと岩間さんがいうように、調べてみると確かに早朝やお昼など時間帯もまちまちです。

▶︎ 「サッキヤルヴェンポルカ」フィンランド民謡|NHK 名曲アルバム

サッキヤルヴェンポルッカは、かつてサッキヤルヴィと呼ばれた土地(現在はロシア領)の名を冠した西カレリア地方の曲。ペリマンニと呼ばれる楽師たちがアコーディオンで演奏するそうです。今回はクラシックということでアコーディオンとオーケストラによる演奏で、作編曲家・指揮者の狭間美帆さんによる編曲。短い単調なメロディを繰り返すダンスミュージックを小技を使って上手く編曲していましたと岩間さん。

数日前に読んだ狭間さんのインタビュー記事もなかなか楽しかったので、この機会にぜひ。

▶︎ 狭間美帆、世界的ジャズ作曲家がデビュー10年で培った制作論「私の曲作りにメソッドはない」|Rolling Stone Japan

イ:みなさんもどこかで聞いたことがある曲かも。
ミ:マスター、歌ってみてくださいよ。
イ:♩トゥットゥラトゥッタッタ~、て感じ。きっとそのうち再放送があると思います。
ミ:またかかるのを楽しみにしてます。


スープランチ試食会 @ kielotie

もうひとつ岩間さんからの報告。荻窪のフィンランドカフェkielotieでスープランチ試食会がありました。参加したのはkielotieのおふたりとHさん、Maijan PullatのMaijaさん、岩間さん、おまけで自分。まだkielotieが情報公開されていないのでくわしい内容は今後をお楽しみに。

ハ:スープ、とても美味しかったです。自分は黙々と食べてただけなんですけど。
ミ:ふふふ、笑。
イ:ひとこともしゃべってなかったよね、笑。
ハ:はい、試食会なのに、ただただ食べていました。

試食会のあとには、HさんとMaijaさんがつい先日行かれていたカレリアの旅のお話を聞かせてもらうことができました。観光地もいいですけど、カレリア地方のゆったりとした時間の流れが感じられてとてもよかったです、と岩間さん。

ミ:天気はどうだったんでしょうか?
イ:気温も暖かくて、天気もよかったそうですよ。
ミ:それは普通じゃないってことかも。
イ:雨が多い季節でもありますからね。オーロラも見えたそう。
ミ:かなり南の方でも見えたって話を聞きましたね。

さらにおみやげまでいただいてしまいました。Maijaさんに「おふたりはOriginalとSuperのどっちがいいですか?」と聞かれ、これはあの黒いヤツだと気づき、すかさずOriginalでお願いします!と自分。それを聞いて、ニヤニヤしている岩間さん。ん??? なんとSuperよりもOriginalのほうが強力だとのこと。まさかの落とし穴。というわけで、これから会うひと会うひとにおすそわけしていきたいと思っています!


ティモ・ライト「The Common Table」

次は自分の報告。レポート#129で紹介した中之条ビエンナーレにはもうひとりフィンランド出身のアーティストが参加しています。その人物とはドキュメンタリー映画などを制作する映像作家のティモ・ライト(Timo Wright)。前回に引き続き、フィンランドセンター主催によるトークイベントがオンラインで行われました。

高円寺に1年ほど住んでいたこともあるというティモさん。10月9日まで開催中の中之条ビエンナーレでは「The Common Table」という作品を出品しています。食の伝統の変化をテーマに、飲食業界で働く人たち(料理人、食品工場の従業員、ブロガーなど)にインタビューして、音声データにしました。これまでは両親や祖父母から伝えられていたはずの食文化や伝統そして記憶。それらをデジタル化することにより、後世に繋いでいくというものです。

その他これまで発表してきた作品やプロジェクトなども紹介してくれました。ティモさんのサイトでポートフォリオやトレイラー動画を見ることができますので、ご興味のある方はぜひ。

▶︎ Timo Wright

ハ:東京ビエンナーレでも「おしぼりリンケージ」というので参加しています。
ミ:おしぼりですか?
ハ:はい。いろんなアーティストがおしぼりをデザインして、実際にお店などで出しているみたいです。銀座の無印良品でも展示されています。
ミ:最近、無印に寄りましたけど改装中でしたね(9月28日まで改装していたようです)。
ハ:あと、11月に善福寺公園で開催される「トロールの森2023」でも、フィンランドや日本でフィールドレコーディングした音を流す(スマートフォンのアプリで聴く)作品を出品するそうです。その場に行かないと聴くことができないという。
ミ:アーティストの考えることはなかなか難しいところが、笑。


映画と本とどっちから?

そしてもうひとつ、誠品生活日本橋で開催された「映画『アアルト』公開・書籍『アイノとアルヴァ アアルト書簡集』刊行記念ライブトーク」を視聴しました。登壇されたのは、北欧ジャーナリストの森百合子さん、東海大学講師の柴山由里子さん、映画の宣伝担当の小倉聖子さん。

映画では、アルヴァの声や動いている姿が生々しく感じられ、等身大のアルヴァが見れてよかったと森さん。柴山さんは戦後の激動の時代を生きたアールトらの背景を知ることで新たな理解が生まれるのではないかと。またおふたりともアイノの存在の大きさを改めて感じられたようです。

一方書籍について、ミホコさんの翻訳を読む前に原書のオーディオブックを聴いていた柴山さんが「あんな大作なのに、ていねいできれいな訳、美しい日本語ですばらしい」とおっしゃっていました。

ミ:柴山さんからは直接ご連絡もいただいたんです。
ハ:最後に「映画と本どっちからがおすすめですか?」という質問がありました。柴山さんは読んでから観ると理解が深まるのでは、と。宣伝の小倉さんはまずは映画からぜひ!と。
ミ:柴山さんはとてもアクティブで、10月4日に東海大学の湘南キャンパスで先行試写会を開催されます。東海大学の校舎を設計した山田守というアールトと同時代の建築家の話題と一緒に。
イ:山田守は日本武道館を設計した建築家ですね。
ミ:そうなんですね。ご都合のつく方は試写会に参加してみてはどうでしょう。


読書の秋『地球にちりばめられて』

最後の報告はミホコさん。読書の秋ということで、多和田葉子の小説『地球にちりばめられて』(講談社)を紹介してくれました。小説はこの後に続く『星に仄めかされて』『太陽諸島』との三部作。留学中に故郷の島国を失った主人公が独自の言語をつくり旅をするとても不思議なお話、とミホコさん。

©︎mihoko-san

ミ:ドイツ在住の多和田葉子さんは高校の先輩でよく読んでいます。小説の中にはフィンランドも要素として登場しています。
イ:一作目からフィンランドが出てくるんですか?
ミ:SUSIをSISUと間違えて寿司をフィンランド料理だと勘違いしたりとか、ムーミンが私の国に亡命していたとか。言葉をつくるということや言語学的なことを考えさせられたり。
イ:辺境というか、ドイツから見たフィンランド観とかもあるかもしれないですね。


── テレビを観たり、音楽を聴いたり、本を読んだり、誰かと話をしたり。自分はなにもせずぼんやりするのが好きです。あえてなにもしないことって意外と大切なことなんじゃないかなとおもいます。なにもしないことを受け入れるというか、そこからみえてくるものもあるような。そんなことをトムネコゴでコーヒーを飲みながら考えていました。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。

text : harada

#131|Coffee & TV – Blur