10月、なんですね。今年も残すところあと・・・なんてつい言ってしまいそうで、あせります。4日からはいよいよ政府観光局のイベント「フィンランドカフェ」もはじまりますが、『旅講座*フィンランド~秋冬編』や『トークカフェ~建築家アールトの30代』など、ここmoiも負けじとイベント強化月間になる予定。ぜひお楽しみに!
さて、今月のお休みですが毎週月曜日となります。10日[月祝]もお休みとなりますので、お気をつけください。
では、今月もmoiでお目にかかりましょう。
フィンランド人のすきなものといえば、「ristikko」。新聞や雑誌でよくみかける「クロスワードパズル」である。
きのうも、フィンランド語を教えにきているLiisaさんから「やってみるか?」と手渡されたのだが、無理無理。フィンランド人が眉間にシワをよせて悪戦苦闘しているパズルを、ボキャブラリーがほとんどゼロに等しい外国人がやろうというのだから、はじめっから無理にきまっている。
単純な連想で単語を埋めるものだけならまだしも、「ジャングルにある(いる)のは?」(といわれても漠然としすぎだって)とか、「オエッ!」と書いてあるだけだったり(答えは「吐き気」・・・笑)と「難問」ぞろい。「時のひと」の名前なんて、ふつうわかるわけないし。それでも、オンラインディクショナリーの力など借りつつなんとか1/4くらいまで埋めてはみたものの、ギブアップ。子供向けの「クロスワードパズル」だったら、フィンランド語を勉強しているひとの「教材」として役立つかも。
ちなみにフィン語ですけど(当然か)、こんなサイトもありました。
山手線をつかって池袋から渋谷まで通っていたころのこと、車窓から一瞬ちらりと姿をみせるある「建物」のことが気になって仕方なかった。それは、目白と高田馬場とのあいだの丘の上にそびえたつ白亜のモダンな建造物だった。そこで、長年の「なぞ」を解くべく、その「正体」をたしかめに目白へと行ってきた。
目白駅から歩いて10分ほど、急な坂をのぼりつめた丘のてっぺんにその「建物」はあった。
スパニッシュ・コロニアルというのだろうか、白亜の壁とアーチ状の窓が印象的な建物である。門柱には「日立目白倶楽部」という表札がかかっているが、こちらのサイトによると、もともとは学習院大学の寄宿舎として昭和初期に建てられたものだという。山手線からみえるのはこのエントランスのちょうど裏側の部分で、その窓からは新宿の高層ビル群がきれいに見わたせるはずである。日立製作所社会貢献部のみなさま、どうか一年に一度くらい一般向けの「見学日」を設けていただけないものでしょうか?
このすぐちかくにもうひとつ、目を引く建物がある。日本バプテストキリスト教目白ヶ丘教会だ。
この教会を設計したのは、建築家の遠藤新。フランク・ロイド・ライトのもとで、「旧帝国ホテル」や池袋にある「自由学園明日館」の建築にたずさわった人物である。閑静な住宅街に静かに溶け込む教会の姿は、ここ東京ではめったに出会うことのできない眺めではないだろうか。
さらに足をのばすと、やがて「おとめ山公園」へとたどりつく。名前の由来は、この一帯が徳川将軍家のお狩り場であったため「立ち入り禁止」であったこと(「御留山」)からきているもので、「乙女」がいるわけでも、ましてや「お留ばあさん(推定81歳)」がいるわけでもないので、あしからず。
それにしてもここはすごい。一歩足を踏みいれれば、そこは「公園」というよりも文字通りの「山」である。都心にこんなスポットがぽっかり残っているなんて、ちかくを何度も通っていながらかんがえたことすらなかった。散歩にはわるくないけれど、人気がないのと木々が鬱蒼と茂っているため、女性のひとり歩きは避けたほうがいい。
周辺には、まだまだ風情のある古い住宅や洋館などが残っているものの、途中、解体や改築の工事現場に幾度も遭遇した。古い建物やそうした街並がすきな方は、ぜひ、いまのうち足を運んでおいたほうがいい街だとおもう。
本屋で立ち読みをしていたのだった。立ち読みしていたのは、植草甚一の『いい映画を見に行こう』。パラパラとページを繰っているうち、ある映画について語られている文章に目がとまった。デンマークの女流監督アストリッド・ヘニング・イェンセンが手がけた『クラーネの洋菓子店/Kranes Konditori』(1951)である。
ノルウェーの港町にひっそりとたたずむ小さなカフェ(コンディトリ)を舞台に、恋に揺れるひとりの中年女性の思いを細やかに描いた珠玉の作品ということらしいのだが、なにせじっさいに観たわけではないのでなんとも言えない。ただ、配給会社の知り合いから「感想を聞かせてほしい」と頼まれ、まだ台本すら届いていなかったこの作品の試写を観たJ・J氏は、冒頭のワンシーンをみた瞬間「これはいける」とニンマリしたそうである。
その後、この映画は『女ごころ』という邦題で晴れて日本でも公開されることになる。1954年のことだ(配給は松竹洋画部=新世紀映画社)。残念ながら、この映画の話をあまり耳にしないところからすると大ヒットというわけにはいかなかったらしい。ただJ・J氏の解説をよめばよむほど、北欧のひとびとのつつましい生活ぶりが静かに心を打つこのような作品をいまこそぜひ観てみたいとかんがえてしまう。
どうでしょう?キノ・イグルーのおふたり、いつかどこかでこの映画を上映してみるっていうのは。
先日ごあんないさせていただいたイベント、トークカフェ「建築家アールトの30代」は、おかげさまをもちまして早々に受付を終了させていただきましたが、今回新たに追加開催させていただくことが決定しましたのでお知らせいたします。
◎ トークカフェVol.1(追加)「建築家アールトの30代」
おはなし:関本竜太(建築家、「RIOTADESIGN」主宰)
日 時:2005年10月19日[水] 19時30分開演
会 場:moi(場所はウェブサイトでご確認ください)
参 加 費:2,000円(税込み)
申込方法:メールによる予約制。
なお、お問い合わせいただいた方から順番にご案内を差し上げている関係上、お早めにお申し込みいただかないと早々と満席になってしまう可能性がございますのでご注意ください。なお、満席の場合はご了承ください。
では、みなさまのご参加をお待ちしております!
10/7追記:おかげさまで定員に達しましたため、受付を終了させていただきました。どうもありがとうございます。
きょうは、イベント「moiの旅講座*フィンランド[秋冬vers.]」の「前編」が開催されました。参加してくださったのはぜんぶで10名。フィンランド経験者と未経験者との割合はちょうど半々、moiに来てくださったことのある方とはじめての方の割合も、ちょうど半々といったところでした。
今回の「旅講座」のテーマは、ずばりラップランド。まずは秋のラップランドのおすすめ、紅葉やベリー、きのこ狩りのお話、それにシラク大統領もびっくりな(?!)「フィンランドのおいしいたべもの」のお話などがありました。
ところで、こんな店をやっていながら何ですが、ぼくはいまだ冬のフィンランド、それにラップランドは未体験です。そもそもデザインや建築への関心からフィンランド好きになったもので、どうしてもあちらでも「街あるき」が中心の旅になってしまい、なかなか辿り着けないままここまできてしまったというのが実際のところです。だいたい、真冬のフィンランドじゃあまり歩き回れないですしね・・・。けれども、冬のラップランドでしか出会えない「色」なんて話をきいてしまうと、やっぱりフィンランドデザインの《原風景》を体感するためには絶対いちどは足を踏み入れるべき場所だな・・・と確信しました。
というわけで、よりくわしくラップランドのおすすめスポットが紹介される「後編」が、いまから楽しみな「旅講座」です。
・・・手前味噌ですいません。
ちょっとお茶でも、と入った喫茶店。目の前に置かれたコーヒーカップやティーカップのセッティングをまじまじと見たこと、ありますか?
じつは、大きくわけて2種類のセッティング方法があるといわれています。まずはこちら、アメリカン・スタイルです。
ごらんのとおり、カップの把っ手が右側になっています。一説によると、カップを回さずともそのまま口へと運べるところが合理的でせわしないアメリカン・スタイルなのだとか。
一方、こちらがブリティッシュ・スタイルです。
ごらんのとおり、カップの把っ手が左側にきています。カップをくるりと回す、そんな余裕にこだわるのがブリティッシュ・スタイルなのだそうで。
じっさいアメリカやイギリスでのセッティングがどうなっているのか知らないのでなんとも言えませんが、アメリカ/イギリスのイメージがどうにも「紋切り型」で、ちょっと眉唾っぽいですね・・・。
さて、ここで問題です。moiでは、どちらのセッテイングになっているでしょうか?
正解は、ブリティッシュ・スタイルです。砂糖やクリームを使われるお客様が、左手でカップをおさえながら右手のスプーンでかきまぜるのに都合がよいだろうという理由から、こちらのスタイルをえらんでいます(全国の「左利き」のみなさん、ゴメンナサイ)。
こんどお茶を飲みにでかけたら、ぜひカップのセッティングにもちょっと気をとめてみてください。
NHKで放映中の番組「世界美術館紀行」。
10/7[金]には、「ムーミン谷へようこそ~タンペレ市立美術館」が放映されたのですが、みなさんしっかりご覧になられましたか?あ、いや、ぼくはなにをかくそう見逃しちゃいました・・・。直前に、友人がわざわざ出張中のニューヨークからメールで知らせてくれたのですが、時すでに遅し。終わってました。でも、大丈夫!再放送がありますので、見逃してしまったひとはどうぞお忘れなく!
世界美術館紀行
「ムーミン谷へようこそ~タンペレ市立美術館」(再放送)
NHK総合 10/15[土]午前5:15~5:40
(は、はやい。要録画ですね。)
さてさてもうひとつ、「旅講座」のガイド役でおなじみみほこさんからの情報です。なんと21日[金]の放送では、ヘルシンキの「アート&デザイン美術館」が登場するとのこと!個人的には、あそこの地下(サイン表示がよくないので見逃してしまうひと多数・・・もったいない)、すごく好きです。というわけで、こちらもいまからチェック!チェック!
世界美術館紀行
「フィンランド・デザイン美術館」
NHK教育 10/21[金]22:00~22:25
ちなみにこの日は、「旅講座」(後編)の日です。参加者のみなさんはお忘れのないよう、いまからテレビの横にメモを貼りつけておきましょう?!
あるご縁で、moiにもたびたびご来店いただいている作家鈴木佐代子さんより、moiのお客さまへということで著書『相続図鑑』をご寄贈いただきました。
この春に上梓された『潮ホテル・グラフィティ』も読ませていただいたのですが、鈴木さんの文体は「水」のようにさらりとしていて、なおかつ静かに心にしみ入ってゆくような余韻が残ります。潔い生き方をつらぬく大人の女性が主人公のこの『相続図鑑』は、女性が読むとよりいっそう強いあこがれと共感を抱くのではないでしょうか?ちなみに、装丁もたいへんきれいです。
そこで「読書の秋」にちなみ、moiでは「ぜひ読んでみたい」という方3名様にこの本をプレゼントさせていただきます。
ご応募は「メール」にて、「鈴木佐代子さんの本希望」とお書きの上お申し込みください。プレゼントは、先着で3名様。なお大変申し訳ないのですが、ご応募は「moi」まで受け取りにくることのできる方に限らせていただきます。また、「当選」のご連絡は「当選者」のみにさせていただきますのでご了承ください。
秋の夜長、虫の声をBGMに読むのがとても似合う、そんなおすすめの一冊です。ぜひご応募お待ちしております。
10/12追記:受付は終了させていただきました。ご応募ありがとうございました!
三十にして立つ、などと言いますが、いったい「三十代のアールト」になにが起こったのか?
きょう開催されたイベント、トークカフェvol.1「建築家アールトの三十代」では、建築家の関本竜太さんをガイド役にお迎えして、見なれた「巨匠・アールト」とは異なる情熱的で野心に燃える「若きアールト」の魅力を存分に語っていただきました。
雑誌や本には登場しない「とっておきの話」を含め、建築家の視点で、しかもわかりやすく語られるアールト建築はなんとも表情豊かで、いますぐにでもフィンランドに飛んでいってこの目でつぶさに眺めてみたい、そんな気分にさせるものでした。
来週ご参加いただくみなさんは、ぜひお楽しみに!
あす、18時閉店です
雨が続いている(関東だけ、らしいが)。
そこで、ひさしぶりに武満徹が作曲した『雨の樹(レインツリー)』を聴いている。正確にいうと、『雨の樹・素描』。1982年につくられた、わずか3分のピアノ曲だ。武満は、大江健三郎の短編『頭のいい「雨の木」』に登場する「ふしぎな樹」にインスパイアされてこの曲を書いたのだそうだ。
雨の日に、雨をきく。
そういえば、いまはもうなくなってしまった「六本木WAVE」(←あんまり知らないや、というひと必見の記事)の一角には、たぶんこの曲からとったとおもわれる「レインツリー」という名前のカフェがあった。雨の日に、いろんなことを思い出すのはどうしてなんだろう?
ことしもまた「東京国際映画祭」の季節になりました。サラリーマン時代このイベントには苦労させられたなぁ・・・って、べつにそんなことが言いたいワケではなく、伊藤ゴローさんが音楽監督をつとめた映画「雪に願うこと」(監督/根岸吉太郎 出演/伊勢谷友介、佐藤浩市、小泉今日子ほか)が、ことしの「東京国際映画祭」のコンペティション作品で上映されるのです。
ゴローさんは、ボサノヴァ・デュオ「naomi and goro」やソロユニット「MOOSEHILL」で活躍中のギタリスト。たぶんこのブログを読んでくださっている方ならご存知ですよね?コンポーザーとしても、最近ではイラストレーターエドツワキによる「資生堂パリ・エキスポ」のための音楽を担当していますし、もともとMOOSE HILLの音楽にはどこか「映像」を喚起するようなところがあると思っていたので、まさに今回のサウンドトラック制作の仕事は「まってました!」という感じです。ゴローさんにとっても映画の仕事はとても刺激的だったようで、以前moiに顔を出してくれたときにも「もっと映画の仕事がしたい」と語っていました。
映画は、真冬の北海道、「ばんえい競馬場」を舞台に兄と弟との《再会》と《再生》のストーリーを描いた作品。監督は「遠雷」や「透光の樹」、ぼくの世代にとっては「探偵物語」や「ウホッホ探検隊」でおなじみの根岸吉太郎です。ちなみに、今回「審査委員長」をつとめるのはチャン・イーモウ監督。ゴローさんにはぜひ、これを機にレッドカーペット・デビューを飾っていただきたいものです(笑)。
この「雪に願うこと」は、六本木ヒルズのヴァージンTOHOシネマズにて映画祭の期間中3回ほど上映される予定です。お時間のあるかた、ぜひ足をはこんでみてください。
おすすめ
MOOSE HILL/Wolf Song(333DISCS)
たとえるなら、おだやかな「日常」のための淡彩色のサウンドトラック(moiでもしょっちゅうかけてます)。
※上映スケジュール、チケットの購入方法等は、「東京国際映画祭」公式サイトをごらんください。
たとえばおうちでケーキをたべるとき、みなさんはどんなお皿を使っていますか?
最近のパティシェ系のケーキって、まるで工芸品のように美しくて、それじたいですでに完結しているようなものが多いですよね。当然、お皿もそれなりに選ばなきゃということになります。コーヒーカップのソーサーでお茶を濁す、なんて、いくらなんでもあんまりです。
まず大きさ。家で食べるなら、あまり大きすぎるのも考えものです。かといって小さすぎてもアンバランス。そして、色。あくまでもお菓子が主役とかんがえるなら、やっぱり「白」がいちばんだと思うのです。
そこで、おすすめしたいのがこちらっ!(「ジャパネットたかた」風に)
moiのカップ&ソーサーでおなじみのデザイナー、梅田弘樹さん(STUDIO UME)のプロダクトです。なまえは「arcana」。「フィンランド製」です。じつはこれ、現在は生産していないレアなものなのですが、梅田さんの手元にあったものを無理して譲っていただきました。
「開いた本」のようなそのカタチとあいまって、これからストーリーが書きこまれるまっさらな「白いページ」のような印象もあります。大、中、小と3枚のお皿を重ねてディスプレイすることもできるこの「arcana」ですが、残念ながら、いまこちらでお分けできるのはすでにM-size(154×160mm)が2枚だけになってしまいました・・・。でもこれが、ロールケーキやパティシェ系のケーキ皿としてぴったりなんですよね(大ぶりのシフォンケーキなんかだとちょっと無理かな?)。モダンな「和」のセンスも感じさせてくれるので、たとえば京都のおつけものを盛り合わせるなんて使い方もいいと思いますよ。
というわけで現在moiにて展示販売中。2枚のみなので、売り切れてしまったらゴメンナサイ。お問い合わせは、メールor電話でどうぞ。
「arcana[アルカナ]」M-size(154×160mm)
design/梅田弘樹(STUDIO UME) Made in FINLAND
@3,000(税込み) ※現在のところ、今後の発売については未定です。
おかげさまをもちまして、こちらの商品のお取り扱いは終了させていただきました(11/19)。
建築家の関本竜太さん(RIOTADESIGN主宰)をお迎えして、先週に引き続き《建築家アールトの三十代》というテーマでお話しをしていただきました。参加してくださいましたみなさま、本当にありがとうございました!
とても乱暴に括ってしまえば、関本さんのお話はアールトの魂は細部に宿る、そんな内容だったと思います。そして、その「アールトらしさ」がもっとも際立っているのが、有名なパイミオのサナトリウムやマイレア邸を手がけた「三十代」だった、と。そしてまた、いまおなじ「三十代」の建築家として、野心にみちアグレッシブな態度で仕事と向き合っていたアールトに対して、関本さん自身つよいシンパシーを感じていることがその語り口から感じとることができました。
おまけコーナーでは、前回好評(?)だった「moiができるまでストーリー」がなつかしい写真とともに披露されました。エピソードのなかには、ぼくも知らなかったような内容のことがけっこう含まれていてびっくり。シンプルな空間をつくるために、moiもまた若きアールトの作品同様、じつは「細部」にとても気を配った空間なのです。 moiにいらしゃったら、ぜひそんなことをちょっと思い出して、ぐるりと見回してみてくださいね。
moiでは、「建築」に限らずさまざまなテーマでこんなトークイベントを続けていきたいとかんがえています。ちいさな発見がおおきな喜びにつながる、そんな体験をぜひみなさんと共有していきたいものです。
おなじみ、「moiの旅講座*フィンランド~秋冬ver.」の後編が開催されました。
フィンランドでアクティブに遊びたいのならぜひ「冬」に、ということで、犬ぞり、スノーモービル(スピード狂向けのスポットもあわせて)、クロカン、そして「氷海遊泳(!!)」などをスポットごとにご案内。コレをやってみたい!!!という方は、もうこれで迷いませんね。もちろん、そういうのはちょっと苦手かもという方にも、ラップランドの暮らしや歴史を知りたいという方におすすめの博物館「アルクティクム」や、「雪のホテル」、それにフィンランドのサンタクロースを見分ける方法なんて話をきくことができました。
ぼくはぜひ、秋にしかみることができないという七色のオーロラと出会ってみたいですね。あとはやはり、冬の光と色を体験してみたいです。
ところで「旅講座」をなんどか開催してみて思うのですが、前編ではまだ緊張気味で表情の硬い方々が、後編ではとてもリラックスしてお話しに耳傾けている姿はとてもいいものです。気持ちがすこしだけフィンランドに近づいたのかな、そんな気がします。参加者のおひとりが差し入れてくださったお手製のピパリ(北欧のスパイスクッキー)もこうばしく、あったかい一夜になりました。
ご参加くださったみなさまどうもありがとうございました! 旅の土産話、たのしみにしています!
このあいだタンペレの「ムーミン谷美術館」が紹介されたばかりだというのに、こんどはヘルシンキの「DESIGNMUSEO(アート&デザイン美術館)」がNHKの番組『世界美術館紀行』でとりあげられていて、もう鼻血が出そうです。
先日のmoiでおこなったトークイベントに参加してくださったみなさんにとっては、まさにタイムリー。関本さんに熱く語っていただいたアルヴァー・アールトの設計による「パイミオのサナトリウム」が、実際の映像によって紹介されていましたよね。
そして、アールニオ!!!はたして「計算」なのか「天然」なのか・・・まったくもって興味のつきない人物です。とにもかくにも、この番組最大のみどころはお茶目なアールニオってことで異論はないでしょ?
もしうっかり見逃してしまったというひとは、29[土]の再放送でしっかりチェック、チェックです。
吉祥寺のギャラリー「feve」さんで、きょうからみやまつともみさんの個展がはじまりました(~29日まで。26日はお休み)。
北欧をはじめとする家具や生活雑貨を、ナチュラルテイストな「貼り絵」ですてきに表現するみやまつさん。いま発売中の雑誌『カフェ&レストラン』11月号でも、貼り絵による「空想のスイーツ」12点が掲載中です(要チェック!)。
「椅子」がテーマとなる今回の展示では、デンマークのヴェーグナーやフィンランドのタピオヴァーラなどなど、みやまつさんお気に入りの北欧の椅子たちの「貼り絵」が登場するとのことで楽しみです。また、あわせて、銅版画による「マッキントッシュの椅子」などかわいい作品も展示されます。
さらに会期中、feveのご近所にある「日本酒と料理 横尾」、そしてタミゼのオーナーさんがインテリアを手がけたという「お茶とお菓子 横尾」でもみやまつさんの作品の展示・販売があるということですので、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう。
はからずもダブルヘッダーで取材がはいる。
午前の部は、雑誌『スカンジナビアン・スタイル』vol.7。じつは6月にお話をいただいたときにはちょうどこちらが北欧へでかける時期とバッティングしてしまい実現しなかったのだが、担当編集者のKさんがおぼえてくださっていて、今回は無事(?)登場の運びとなった。Kさんからのリクエストは、「スモークサーモンの北欧風タルタルサンド」のレシピを紹介してほしいというもの。ふつうの取材より準備にすこし手間がかかるので、余裕をみて9時半前に店に到着。いい天気。Kさんは以前moiに来てくださっていて、お店の雰囲気を理解したうえでこんな記事にしたいという具体的なプランを提案してくださったので、対応するこちらとしてはとても楽だった。
さて、午後の部は雑誌『moe』1月号(12/3売り)の取材。「ムーミン」特集ということで、「絵本の旅」特集につづき二回目の登場である。moiに棲みついている「ムーミン」もさぞかしよろこんでいることでしょう?!取材に同行したカメラマンのHさんが、予想外の早さで《発見》したのには正直ビックリしたけれど。
店ですこし用事を片づけてから、土曜日までみやまつともみさんが個展を開催されている吉祥寺へ。会場となっているギャラリーfeve さんはとても気持ちよく外光がはいる空間なので、なんとかすこしでも日のあるうちに伺いたいとおもい急ぎ足であるく。日没すれすれセーフ。「椅子」をテーマに、キャンバスをつかった貼り絵と銅版画による「新作」がリズミカルに展示されていてとても心地いい。心地いい空間で、心地よさげな「椅子」の作品を眺めつつみやまつさんとおしゃべりしていたら、うっかりずいぶんと長居してしまった。そんなとき、知り合いの作家さんの展示をたずねてもひとことふたこと気のきいたコトを言ってスマートに立ち去れる格好のいい人間になりたい、といつも思う(・・・無理だろうな)。
吉祥寺では、お客様のSクンがスタッフをつとめるレコードショップに顔を出すのがならわしになっている。これといったものがなかったので何も買わずに出てきてしまったのだけれど、こういうときはなんとなく気まずい。以前は、レコードショップに行って何も買わずに出てくるなんてことはなかったので、手ぶらで店を後にするのが落ち着かないのだ。本屋でこういう気分になることはないのに。衝動買いしなくなったのはオトナになったからなのか、はたまたビンボーだからなのか(まちがいなく、後者)。
外で夕食をすませ帰宅すると、マンションの廊下から西荻方面に白い煙がもくもくと立ちのぼっているのが目にはいる。やがてけたたましいサイレンの響き。どうやら、西荻窪の駅前の古い商店街で火事があったらしい。空気も乾燥するこれからの季節、くれぐれも火の用心、火の用心。
落ち着いたところで、フィン語クラスのSさんのはからいにより、ようやく「ラウマ旧市街(フィンランド)」をとりあげたテレビ番組『世界遺産』を観ることができる。思えば、これが放送された日は例の「集中豪雨」で店にカン詰めになっていたのだった・・・。Sさん、ありがとう。それはそうと、『世界遺産』を観ているとかならず途中で睡魔に襲われるのはどうしてだろう?ずっと緒方直人のせいにしていたのだけれど、寺尾聡でもオダギリジョーでもおなじように睡魔に襲われるところをみるとどうやら一種の「条件反射」かもしれない。このまま「ラウマ」の夢でも見れればよいのだけれど・・・おやすみなさい。
来年のことをいうと鬼がわらう、なんて言いますが、先週そして今週と月刊誌の取材をうけていて気づいたのですが、みな12月発売の「1月号」なんですよね。なんか、おかしなところで年の瀬のあわただしい気分を先取りしてしまいました。
とんでもない枕があるらしい。そんな話は、以前テレビかなにかで聞き知っていた。枕といえば「テン◎ ュール」しかり、ぼくらに「快適な眠り」を約束してくれるべきはずのものである。ところが、だ。その枕はまったくの正反対、むしろ快適な眠りを妨げるのが目的であるという。そしてついに、日々この「枕」によって安眠を妨げられているという人物の貴重な「体験談」をきく機会に恵まれた。
そのひとの仕事は「車掌さん」、つまりぜったいに寝坊が許されない職業のひとである。話をきいて、いくつかの事実がわかった。まず、それは「空気まくら」であるということ。そしてもうひとつ、それは「枕」のようなカタチこそしているものの、いわゆるふつうの枕のように使うものではないということだ。どのように使うのかというと、まだ空気の入っていない状態の「それ」を、眠る前に敷き布団のちょうど腰のあたりにセッする。やがて、タイマーがセットされた時間になると自動的に「それ」に空気が送りこまれ、勢いよくふくらむという仕掛けになっているのだそうだ。つまり、眠っているひとはいきなりエビ反り状態になるわけで、そりゃあ眠っているどころではないだろう。「こんな非人道的な起こされ方はない!」、車掌さんは憤っていた。けれども悲しいかな、相手は機械だ。人の道を説いたところで通じるはずがない。
そんな車掌さんの怒りを嗤うかのように、その「枕」は市販されているのだった。しかもそのネーミングのベタさが余計に神経を逆なでするのである。
自動起床装置「おこし太郎」
朝が苦手なひとにはおすすめの逸品である。値段は一台98,000円なり。けれどもたいがいの「朝寝坊」はこう言うだろう。「10万円も出すくらいなら、遅刻して謝ったほうがいい」。
つまり、図式化するとこうだ。
車掌さん <「おこし太郎」< 遅刻常習犯
憤っているのはまた、「おこし太郎」も同じかもしれない。
フィンランドでは「コーヒー」に困ることはないけれど、「おいしいコーヒー」は飲めないものとあきらめている。
そもそも日本とフィンランドでは、「コーヒー」という飲み物にたいするとらえかたが根本的にちがうのではないか。手元にあった『みちづれ』という三浦哲郎の短編をぱらぱらやっていたら、たまたまこんな《風景》と出会った。
横殴りの雪の中を歩いて連絡船の待合室のたどりついた主人公の姿がそこにある。「雪に濡れた頬をぬぐい、冷えた歯に滲みるコーヒーをちびちびと飲む」。さらに、「コーヒーカップのほとぼりで手を暖めながら、見るとはなしに眺めていると、(以下略)」。
ここに登場するのは、ちがいのわかるオトコやオンナがたしなむ嗜好品としてのコーヒーではない。北に暮らすひとにとってのそれはもっと「実用品」にちかいもの、ときに暖をとったり、長い夜を静かにやり過ごすための、いわば必需品としてのコーヒーなのではないだろうか。
おいしいコーヒーをぼくらが求めている以上に、あるいはフィンランドのひとびとは北に生きるものとしてコーヒーそれじたいを求めているのかもしれない。必需品であればこその「一人あたりのコーヒー消費量世界一」、つくづくそんな気がする。
ネタがないので、なんとなく家に飾られている絵画など紹介してお茶を濁そうとおもう。
わが家には、フィンランドをはじめとする北欧の絵画が何枚か飾られている。これらの絵はたいがい画商である奥さんの趣味で、ときどきこちらの気づかないうちにちがう絵に掛け変えられていたりする。
これはエストニアの画家ミルデベルギウスこと、ユーリ・ミルダバーグの板絵。「キュイジーヌ」というタイトルで、あたまにかぶった帽子はなぜかコーヒーポット!中世の宗教画のような静謐さと世俗的なユーモア、そしてシュールな構想とが奇妙なあんばいで同居している摩訶不思議な作品だ。
ミルデベルギウスの絵をみると、ぼくは何年か前に訪れたエストニアの首都タリンの街を思い出す。異国というよりは、どこか異次元に放りこまれてしまったかのようなあいまいな感じとでも言うのだろうか、そこは摩訶不思議な都市だった。ミルデベルギウスの絵にもまた、見るものを煙に巻くかのようなおなじあいまいな感じがつきまとう。「時間」というものさしも「空間」というものさしも、おそらくそこでは役に立たない。エストニアという国は、ぼくにとってそうした強力な「磁場」として記憶されている。
だから、あいまいな表情を浮かべて絵のなかにたたずんでいるひとびとや動物たちを見ると、ぼくはまるで鏡でじぶんの顔を見ているかのような不思議な心持ちになってしまうのだ。
北欧の「ものづくり」ファン必見です。
スウェーデン・ヨーテボリ在住のテキスタイル・デザイナーシシリア・イェルム(Cecilia Hjelm)さんの個展『BLOOM』が、11/7[月]から12[土]まで京橋の千疋屋ギャラリーで開催されます。
長い冬に丹精こめて育てられた、想像の庭園。春風に誘われるように、お菓子の焼き型やピン、ビーズなどさまざまな素材が色とりどりに花開きます。No Imagination,No Life。いろいろと触発してくれそうな展示です。
いっぽう、21[月]から26[土]にはおなじ千疋屋ギャラリーで昨年に引きつづき『森麗子ガブロム工房展』が開催されます。糸で絵を描く。森さんの「ファブリックピクチャー」については、去年の夏このブログでもすこし書かせていただきました。北欧の透明な抒情を感じさせる森さんとその工房の作品は、北欧を愛するみなさんの心の琴線にきっと触れることでしょう。
極北のほっこりソウル。
2ndアルバム『5am』が、つい先だって日本でもリリースされたばかりのフィンランドのバンド「Quintessence」。これは売れるんじゃないでしょうか?フィンランドの音楽で「売れそう」ということは、イコール「フィンランドらしくない」ということで、そのあたりがこのブログを読んでくださっているような方々のあいだでは評価が分かれるところでしょうけれど・・・
あのジャイルス・ピーターソンが、彼らの1stアルバムのイギリス発売に際してライナーノーツを執筆していると聞けば、音楽好きにとっては「80へぇ~」くらいのインパクトがあるのではないでしょうか。海外進出を見据えて活動をスタートした彼らは、当然の成り行きとして英語で歌っています。サウンド的には、ディアンジェロmeetsカーディガンズ?!エンマ・サロコスキのボーカルは、ソウルフルというよりもポップです。全体に、クールを狙っているけれどクールになりきれない、そういう「ぬるさ」はやっぱりなんというかフィンランドなんだよなぁ・・・ぼくはすきですとも、もちろん。
とにもかくにも、先日のユッカ・エスコラの来日、そして来年2月のファイヴ・コーナーズ・クインテットの来日決定と、最近なかなか活況を呈しているフィンランドのクラブミュージックシーンですが、ぜひこのクインテッセンスもSISUで来日を果たしてもらいたいものです。