9月です。秋めいてきましたね、などと言いつつ、相変わらず最高気温は33度・・・あとしばらくの辛抱です。ところで、週明けからご来店のお客さまに配布させていただいているJ-WAVE「Good Morning Tokyo」特製「Let's Go Vote」バッジですが、おかげさまで残り少なくなってきました。なくなり次第、配布終了とさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
さて、なぜか今週は、スウェーデンで暮らしていた、あるいはゆかりのあるお仕事につかれているといった方々が日替わりで来店してくださり、にわかにスウェーデン・ウィーク化しているここmoiから今月の予定をお伝えさせていただきます。
まず、今月は
5、12、19、26の月曜日、そして13[火]をお休みさせていただきます。12[月]、13[火]は連休となりますのでご注意ください。
なお、ひさしぶりのギャラリー企画もあります。20[火]から25[日]まで「孔雀洞雑貨舗」さんによる「ワスレモノ設置展 VOL.3 Fragments of Planet [ホシ ノ カケラ]」が開催されます。
moiでは昨年の秋につづいて二回目の展示です。今回も、オリジナルの万華鏡をはじめ、標本箱、手製本、ジェリィ・キャンドルなど、記憶の彼方で手にしたことのあるような不思議でなつかしい品々がふたたびmoiを飾ります。ぜひおたのしみに。
では、今月もmoiでお目にかかりましょう!
「邦画初オール・フィンランドロケ」が(局地的に?!)話題になっている映画『かもめ食堂』の公開が、来春に決定しました。
ヘルシンキで日本食堂を営む三人の女たちの姿を描いたこの作品、作家/エッセイストの群ようこがシナリオを担当し、小林聡美、もたいまさこ、片桐はいりというインパクト十分な(というか十分すぎる)三人の女優が競演するということでいまからたのしみです。メガホンをとるのは、『バーバー吉野』という不思議な映画で長編デビューした荻上直子。さらに、アキ・カウリスマキの『過去のない男』で主役をつとめたマルック・ペルトラが客役で登場するというのもたのしみですね。
ところで、タイトルの「かもめ食堂」をフィンランド語に直すと「Ravintola Lokki」になります。そこでさっそく検索してみると・・・やっぱり実在しました、「Ravintola Lokki」。サイトをみるかぎり、ラハティの海辺にたたずむなかなか気持ちよさそうなレストランです。もちろん日本人が経営しているわけでも、日本食レストランというわけでもありませんが。
映画の『かもめ食堂』のほうはフィンランドでの公開も予定しているとのことですので、チャンスがあれば「フィンランドの映画館でみる」というのも面白いのではないでしょうか。
某フィンランドのサイトにて、これはどうしたものかというシロモノを発見。
いわく、どんなお料理にもマッチするエクセレントなスパイス。ちょっと待ったァ!この不気味な黒い物体こそは、あのサ・ル・ミ・ア・ッ・キではないか!!!
子供のころよくみかけた、デコレーションケーキのうえにのっていた宇津救命丸のような銀色のつぶつぶよろしく、これをケーキやアイスクリームにトッピングして食えとでもいうのだろうか・・・。まあ、おみやげにはよさそうですね。ゲームで負けたらごはんにパラパラ、おかずにパラパラといった「罰ゲーム」的使い方はもちろん、イジメやいやがらせにも最適です。たぶんね。
店を閉める一時間ほど前から降り始めた雨。片づけている間に降り止むどころか、逆にどんどん勢いをましていまや猛烈な雷雨・・・。とてもじゃないが、外には出られません。やむなく店で雨宿りしていますが、二時間ちかく経ったいまも雨脚が鈍る気配なし。おなか減った~。早く帰りたいよ~。今日中に帰れるのだろうか(泣)。
以上、ひまつぶしがてら「moi」から実況してみました・・・。
ゆうべの「集中豪雨」から一夜が明けました。やはり気がかりだったのでお店の様子をのぞいてきましたが、おかげさまでなんとか無事だったようです。
テレビや新聞でごらんになった方も多いことと思いますが、今回の猛烈な雨で「善福寺川」が氾濫しかなりの被害が出ています。ぼくの住む家は、今回もっとも大きなダメージをうけたエリアから歩いて10分弱ほどのところに位置しています。おなじ町内で停電になった家々もあったようですが、幸いなことにぼくのところはこれといったトラブルもなく無事でした。
ところで、けさ、もっとも被害の大きかった善福寺川周辺の様子をみてきましたが、すでに川の水位はふだんとあまり変わらない程度にまで戻っていました。けれども、町全体にはドブ臭さと消毒液の匂いとが漂い、パトカーや消防、ガスや電力会社、それにマスコミなどの車輌がひしめく町並みは、いつもの閑静な住宅街の景色とはまったくちがったものになっていました。浸水した住宅やオフィス、工場ではみな後始末に大わらわといった状況で、被害の大きさを物語っています。
実際この目で現場をみて感じたことがいくつかあります。ひとつは、おなじ川のちかくでも土地のちょっとした高低差で明暗を分けているということ。ふだん歩いていてもあまり気にならないような土地の起伏が、こういった場合には大きく影響するようです。川のちかくにお住まいの方、これから住もうという方は、そんなことを頭の片隅に置いておいたほうがよいでしょう。いざというとき、どちらへ逃げたら安全かが事前にわかると思います。
もうひとつは、道路と玄関との段差がすくない家、ガレージや住居が半地下になっている家のダメージがことさら大きいということです。もともと、今回氾濫した善福寺川、妙正寺川、それに神田川といえば、かつては大雨のたびに氾濫することで知られた川でした。そのため、古くからある家は玄関の位置が高くなっていたりするのですが、都による洪水対策の調節池の整備が進み氾濫することもすっかりなくなったため、記憶の風化とでもいうのでしょうか、比較的あたらしい家やアパートではそういった対策を講じていない住宅が目立ちます。そして、今回こうした住宅の多くが壊滅的な被害をうけています。あらかじめ、住民はもちろん、行政や工務店、建築家、住宅販売業者などが、その「土地」にかんする知識や情報を共有することの必要性を感じました。
浸水した家の前には、家財品の数々が無造作に山積みされていました。ベッドや家電品など、ほんのさっきまでふつうに使われていた品々があっという間にゴミになってしまったのです。黙々とゴミを運び出す住民の姿に心が痛みます。今回これほどの、台風にも勝る「豪雨」に見舞われるなどといったい誰が予想したでしょう。天災とは、つくづく唐突に、なんの心構えもないところにやってくるものだということをあらためて思い知らされた気分です。
とにかくだいじなのは日ごろからの備え、これにつきます。
汽車にのって 汽車にのって アイルランドのような田舎へゆこう ひとびとが 祭りの日がさを 日がさを くるくる回し 日が照りながら 雨の降る アイルランドのような 田舎へゆこう ~丸山薫。
なぜか知らねど、きょうはアイルランド日和なのだった。
ウィスキーの話からだったろうか、あるお客さまと「アイルランド」について話した。とはいえ、ふたりともアイルランドへは行ったことがないので、内容はかなり怪しい。入れ違いでやってきた、ときどきいらっしゃる、けれどもふだんはあまり言葉をかわしたことのないお客さまが、こう唐突に語りはじめる。「このあいだ10日間ばかり夏休みをとって、アイルランドへ行ってきたんですよ」。そしてひとしきり、アイルランドの印象をめぐる話がつづく。ひと、風景、ことば、気候、そしてたべもの・・・こちらはだいぶ信用がおける。
きわめつけは、とてもひさしぶりにcafe cactusのおふたりが顔を出してくださったことだ。以前、渋谷で「日曜カフェ」をされていたおふたりは、現在フルタイムのカフェを開店すべく準備中。その新しいカフェでは、去年旅して印象深かったアイルランドのメニューも食べれるかも・・・と、いつだったかそんな楽しげなプランを耳にしたような・・・。はたして真相やいかに?(というよりは、うっかり真相を聞き忘れてしまっただけ・・・失敗。)
そんなこんなで、きょうはまだ見ぬアイルランドに思いをはせてしまう、おかしくてふしぎな一日だった。
はじめはピンとこなくても、聴きこむほどに味わいをます、そんないわゆるスルメ系なアルバムというのがある。そして、後々だいじな一枚になったりするのも、たいていはそういうアルバムだったりする。
ノルウェーのジャズピアニスト、ダグ・アルネセンのトリオによるこのCDは、ぼくにとって、まさにそんなスルメな一枚である。おしえてくれたSクンによると、アルネセンは寡作ながら「通好み」なピアニストであるとのこと。しかもこのアルバムでは全曲をかれが書き下ろしていて、メロディーメーカーとしてのその非凡な才能も発揮している。ミネラルウォーターにたとえれば、けっこう硬度が高い感じ。さらりとしているようにみせかけておいて、喉元でグビリと主張してくる。ラーシュ・ヤンソンしかり、抒情的でありながらも甘々にはならない、その《節度》こそが北欧のクールネスであるかもしれない(個人的な好みからすると、ドラムスがもうちょっとおとなしくしていてくれるといいのだけど)。
キース・ジャレットの『The Melody At Night,With You』にもつうじるラストのピアノ・ソロ「Til Jens」は、しんしんと降りつもるその冬はじめての雪のようなうつくしさ。
スウェーデンみやげにIさんからいただいたプラスティックの靴べら。
ストックホルムの現代美術館で扱っているグッズとのこと。真っ白いボディに、黒字で「Moderna Museet」のロゴを配しただけのいたってシンプルなデザイン。大きさは140mmで手のひらサイズ、もちろんすこぶる軽い。スウェーデンらしいこじゃれた靴べらである。企業などのノヴェルティーとしても気がきいているかも。
6月にストックホルムを訪れたとき、時間がなくてこの「現代美術館」や「建築美術館」のあるシェップスホルメン(Skeppsholmen)へ行けなかったことがかえすがえすも残念だ。
この映画は文句なしにカッコイイ。
サミュエル・フラーの名前はしっていた。学生のころ読んでいたマイナーな音楽雑誌に、ときどきその名前がでていたのだ。一部のひとびとの間でカルト的な人気を誇る映画監督、そんな扱いだったようにおもう。近所のレンタルビデオで物色しているとき、棚の片隅にラベルの色あせた一本のビデオテープが目にとまった。フラーが1964年に製作した『裸のキッス』だった。
冒頭から、いきなり度肝を抜かれる。せっかくの「つかみ」をバラしてしまうのも気がひけるのでここでは書かないが、とにかくそのスピード感だけでも圧倒されるに十分な迫力である。静と動、光と闇、善と悪、表と裏、現実と虚構、幸福と不幸・・・相反する要素がこの作品ではオセロのように絶え間なくひっくり返され、観るものを当惑させる。小物や映像、音楽を巧みに使った演出効果も刺激的で飽きさせない。ゴダールやジャームッシュ、タランティーノなどにも影響を与えたというのもなるほど、頷ける。
ただし、願わくば、こういう映画こそどこかさびれた街の古い映画館のスクリーンで観たかった。
きょうは衆院議院選挙の投票日でした。みなさん選挙へは行かれましたか?
今回moiでは、J-WAVE「Good Morning Tokyo」の《選挙へ行こう~Let's Go Vote!》キャンペーンに参加させていただいていましたので、もちろんぼくも行ってきました。出勤がてら、朝の7時半くらいに投票所をおとずれたのですが、予想以上に多くのひとがいてこの選挙への関心の高さを物語っていました。
ところで、投票日のmoiはいつもなかなかな賑わいをみせます。店の先にある小学校が地域の投票所となっているせいで、ひとの往来がぐっと増すからです。どのくらい増すかは、投票率に比例します。というわけで、今回は相当に期待を寄せていたのですが・・・
さすがに午前中は、いつもの倍以上の往来がありました。ただ、午後からは雨が降りだしてきたこともあってか、だいぶ落ち着いてきてしまいましたね。けっきょく、いつもの週末よりやや空いているくらいの感じでアテがはずれてしまい・・・おかしいなァ。「客足を読む」のはホントむずかしいです。
期待が大きかっただけになんとなく不発、そんな気分の選挙日のmoiでありました。
原宿で、ひさしぶりに髪を切る。最近は休みのたび体調を崩していたおかげで、いろんな「予定」が未消化のままになっている。これでやっとひとつ消化できた。
夜は、いとこたちと汐留で食事会。そのまえにしばらく時間が余ってしまったので、青山の「蔦珈琲店」でひまをつぶすことに。空にはやや太めの半月がぽっかりと浮かんでいて、庭のすすきを見やりつつ思わぬところで「月見コーヒー」をたのしむ。
「カレッタ汐留」にははじめて行った。こういう商業施設はどこも似たりよったりであまりおもしろいものではない。と思ったのだが・・・、いや、いいよ、ここ。というのも、ここ「カレッタ汐留」には《100 Design/Chairs Rambling 》といって館内に「名作椅子」が100脚設置されていて、ぜんぶ座り放題なのだ。閑散としているのをいいことに、イームズのラウンジチェアやラ・シェーズ、ミース・ファン・デル・ローエのバルセロナ・チェア、サーリネンのチューリップ・チェア、ヤコブセンのスワン・チェアなど、ここぞとばかり座りまくってきた。ああ、おもしろかった。調子にのって「ラ・シェーズ」に座ったウチの父親は、「お風呂にはいってるみたい」といとこにからかわれていた。うまいこと言うなぁ。たしかに、座るひとを選ぶ椅子だな、これは。
そういえば、いつも髪を切ってもらっている美容室の椅子は、すべてイルマリ・タピオヴァーラの 「ドムス・チェア」。なんとも「お尻孝行(?!)」な一日。
「moiの旅講座*フィンランド~秋・冬ヴァージョン」の開講が決定しました!
「moiの旅講座*フィンランド」は、《フィンランドを旅したい、そんなアナタにお贈りするスペシャルな講座》です。前回開講した「春・夏ヴァージョン」ではたくさんの方々にご参加いただき、ご好評いただきました。その後、フィンランドを旅されてきた参加者のみなさまからは、とても役立ったとの声を多数お寄せいただきうれしい限りです。
今回お届けする「秋・冬ヴァージョン」では、これからの季節フィンランドへの旅を予定されている方々を対象に、幻想的な冬のフィンランドへとみなさまをご案内いたします。もちろん、すぐに予定があるわけじゃないけれど「フィンランドがすごく気になるー」という方々のご参加も大歓迎です。
興味がある方は、ぜひお早めにお問い合わせください。
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◎ moiの旅講座*フィンランド[秋・冬バージョン]
開催日:2005年10月7日[金][前編]
21日[金][後編] (全2回完結)
時 間:19時30分~21時(両日とも)
料 金:5,600円(税込み 2回分 コーヒーつき)
定 員:約10名
内 容:
フィンランドへこれから行く、行ってみたいという方を対象に、はじめてのステイ、みじかいステイでも存分にフィンランドの旅を楽しんでいただけるよう、さまざまな基本情報やショップ、スポット情報、また現地でつかえるちょっとした「フィンランド語」などを伝授するレクチャーです。
今回は特に、秋から冬にかけてぜひ行ってみたい「ラップランド」を重点的にご案内する予定です。いちどはオーロラも見てみたい、そんな方にもおすすめです。またmoi店主からは、「ヘルシンキのおすすめカフェMAP」などもさしあげます。北欧旅行のプランニングにぜひお役立てください。
なお、お問い合わせは件名に「旅講座案内希望」と明記の上、「空メール」をお送り下さい。折り返しご案内メールをお送りします。
筑紫哲也のフィンランド・レポート、みなさんごらんになられたでしょうか?きょうのTBS系列の報道番組「NEWS23」で放映されたものです。
テーマは、「学習能力世界第一位」を誇るフィンランドの秘密を探る、というもの。
《人は資源である》という考えのもと、フィンランドではいかに「人を育てる」ためのシステムが国家レベルでなされているかについて、教育現場の担当者や保護者、それにヴァンハネン首相へのインタヴューなどをとおして紹介されていました。
「おちこぼれをつくらない」ための教育カリキュラムや図書館などのインフラ整備、そして育児休暇や児童手当をはじめとした「親」をバックアップするためのさまざまな「育児制度」の導入など、フィンランドにあるのは、ぼくら日本人からするとまるで「夢」のような充実した教育環境です。
そして今回の「特集」でよかったのは、こうした「夢」のような教育環境が約22%という「悪夢」のような(?!)付加価値税から拠出されているということをはっきり示したところにあるように思われます。「たしかに税金は高いかもしれないが、(国民に対して)それに見合ったことはしている」というヴァンハネン首相の自信にみちた言葉が印象的でした。
一方ここ日本でも、近い将来の「消費税」の税率引き上げは必至といわれています。それならばこそ、借金の返済を目的にただなしくずし的に引き上げるのではなく、税金のあり方について根本的に見直すべき時でしょう。たしかに北欧の税制をそのまま日本にあてはめることはできないにせよ、ひとつのモデルケースとして参考にすることは「あり」なのではないでしょうか?
国会議員のみなさん、とりわけ「民主党」のみなさん、いかがでしょう?フィンランドへ行ってみませんか?
日中はまだまだ暑いけれど、朝晩はめっきり秋らしいさわやかな気候になってきましたね。そんなわけで、メニューも春夏メニュ-の「ウス茶ミルク」から秋冬メニューの「チャイ」へと"衣がえ"しました。夏の疲れたカラダを、やさしいスパイスの香りでぜひいたわってあげてください。
巷は三連休の中日、しかもお天気も上々ということで遠出された方も多かったのでしょうか、きょうのmoiは週末にもかかわらず静かな一日でした。
あさって火曜日からは、孔雀洞雑貨舗さんの展示『Fragments Of Planet~ホシ ノ カケラ』がはじまります。万華鏡、豆本、標本箱などなど、時を超えて慈しまれてきた《ワスレモノ》の数々が店内に設置されます。お時間がございましたら、期間中ぜひお立ち寄り下さい(~9/25マデ)。
なお、あさって火曜日は搬入の都合により「正午開店」とさせていただきます。何卒よろしくお願い致します。
日が傾いたのを確認してから、四谷へ。土手の草むらからきこえるのは秋の虫の声なのに、日差しはあいかわらず夏そのもの。おかしな気分だ。上智大学のキャンパスの脇をぬけニューオータニ美術館へと向かう。ここでいま開催中の「ルーシー・リー展 器にみるモダニズム」をみるためである。
ルーシー・リーの展覧会は去年「滋賀県立陶芸の森」でもおこなわれていて、そのときは東京からも熱心なファンがだいぶ駆けつけたという。春には日本でも本が出版されたりと、ますますの人気ぶりである。ぼくはというと、ある程度まとまった数の彼女の作品をみるのはこれがはじめて。とはいえ、その静かなたたずまいは以前から気になっていたのだ。
よくいわれるように、ルーシー・リーのつくる大皿や花生にはどこか日本のやきものを思わせるところがある。けれども、どこかが、なにかがやっぱりちがう。「やきもの」の「や」の字も知らないような人間が言っていることなのでまったくアテにはならないが、偶然にゆだねているような部分がないというか、細部まできっちり計算されデザインされている、そんな印象なのである。そこにあるのは自然の道理ではなく、明白なヴィジョンの下、西欧的な理性によってコントロールされた完璧さ。こういう作品が(ほんとうの意味で)生きるのはいったいどんな空間なのだろう、そんなことをかんがえながら会場を後にした。
ぶらぶらと歩きながら、赤坂見附にある「ZOKA(ゾッカ)」というコーヒーショップにはいる。よくある、シアトル系の新進のコーヒーショップらしい。ぼくの場合、こういうところでもオーダーするのはたいていふつうの「ブレンド」である。これはたんに好みの問題。でも「ブレンド」がおいしくなかったら、やはりその店へはあまり行かなくなる。
さしたる期待はしていなかったのだけれど、ところがどうしてここのブレンドはなかなかおいしい。ちなみにエスプレッソマシンは、La Marzocco。「リンゴンベリーのスムージー」なんてメニューもある。いまのところ目白と赤坂の二カ所だけのようなのであまり利用する機会はなさそうだけれど、巷にあふれかえっている「S」や「T」よりも、個人的に使いたいのは断然こちら。
ファッション誌「FUDGE」の取材がありました。スケジュールの都合上オープン前の時間帯にはめこんでしまったため、いつもより一時間ほど早く七時前からの仕込みとなりました。そんなこんなでちょっとねむいです。
掲載されるのは、来月12日発売の「11月号」。「東京で見つけた、かわいい北欧」(仮)という企画での紹介になります。まだちょっと先ですが、本屋さんでみかけたらぜひチェックしてみてください。また、発売になりましたらおしらせします。
フィンランド映画「ヘイフラワーとキルトシュー」の東京での劇場公開が決まりましたね。10/15[土]よりシネ・リーブル池袋です。
アキ・カウリスマキ以外のフィンランド映画が劇場公開されるのはなかなかないこと。フィンランド語とフィンランドの景色をスクリーンで堪能してみてはいかがでしょう?ちなみにフライヤーはmoiでも配布中です。
オジサンはさすがに映画館では浮きまくりそうなので(笑)DVD化を待つことにします・・・
フィンランドへの旅の「即戦力」といえば、来月ここmoiで開催されるイベント「旅講座*フィンランド」です。う~ん、どうしよう・・・とまだ迷っているアナタに、背中をどかどかプッシュするトピックをふたつ。
まずこの時期、フィンランド航空の正規料金が底値になります。11/15から12/15、1/1から2/16までのあいだならなんと最低8万円!でフィンランド(ヘルシンキ)へ行くことができます。もちろん直行便、最短でたったの9時間半のフライトです。
もうひとつは、つい先だってラップランドのイヴァロにオープンした注目のデザインミュージアム&ショップ「DESIGN HOUSE IDOLI」です。ハッリ・コスキネンら、現代のフィンランドを代表するデザイナーたちによる「ラップランド」からインスパイアされた作品が展示されているようです。巨匠タピオ・ヴィルッカラがこよなく愛したラップランドの地で、フィンランド・デザインを再発見する絶好のチャンスになりそうです。
ここまで読んでグッときたアナタ、この冬ラップランドへGO、ですよ。まずは、おかげさまで締め切り間近の「旅講座」でテンションを高めてゆきましょう!
みなさまのお申し込み、お待ちしております!
ことしもまた、フィンランド政府観光局主催のイベント《Finland cafe》がはじまります。期間中に予定されているさまざまな企画のなかでも、とりわけぼくが注目しているのはヨハンナ・ユホラのライブパフォーマンスです。
フィンランドといえば、数多くの優れたプレイヤーを輩出している知る人ぞ知る「アコーディオン大国」。じっさい、この夏訪れたフィンランドでも、ヴィヴァルディの「四季」を巧みに演奏する若いストリートミュージシャンと遭遇しました。弱冠27歳の「ヘルシンキっ子」ヨハンナ・ユホラは、シベリウス音楽院のフォークミュージック科で学んだ俊英ながら、タンゴやジャズにはじまりクラブミュージックまでさまざまな音楽の要素を吸収し独自のサウンドへと昇華させるとびきりの「個性派」といった印象。その存在感は、たとえるならアコーディオンを持ったビョーク?!
待望のソロ・アルバムもまもなくリリースされるというこのヨハンナ・ユホラのライブパフォーマンスが、なんと《Finland Cafe》では入場無料で楽しめてしまいます(店があるのでぼくは行けそうにないけれど・・・)。東京以外でも三重や大阪でのライブも予定されているそうなので、キュートなアコーディオン・プレイヤーのヒップなパフォーマンスにぜひ直に触れてみてはいかがでしょう。
Johanna Juholaの来日スケジュールの詳細は、コチラでチェック!
本日をもちまして、孔雀洞雑貨舗さんの『ワスレモノ設置展~Fragments Of Planet』は無事終了いたしました。会期中ご来店いただいたみなさま、どうもありがとうございました。また、満席でお入りいただけなかったみなさま、ゴメンナサイ。またのお越しをお待ちしております。
なお孔雀洞雑貨舗さんは、11月に「デザインフェスタ」、12月には経堂のROBA ROBA cafeさんでの企画展に登場予定とのこと。そちらも、ぜひおたのしみに!
運動不足ゆえか、ここのところなんだかやけに歩きたい願望が募るいっぽうだ。おまけにきょうはさわやかな秋晴れ。そこで、家での仕事を一時中断して高円寺までぶらぶらとコーヒー豆を買いに歩いてゆく。
Oクンいきつけの「豆屋」、さわやこおふぃは高円寺駅のほどちかくにある。迷った末、深煎りの「さわや夏ブレンド」というのと9月限定の「今月のブレンド」とをそれぞれ100グラムずつ購入する。
9月のブレンドは、パナマ北部の「ベルリナ農園」で生産されたティピカ種をベースにしているとのこと。パナマの豆なんて、めずらしい。伊藤博『珈琲を科学する』(時事通信社)によれば、生産量自体が少ない上、その半分が国内での消費にあてられているのだそうだ。道理で耳なじみがないわけである。
それはそうと、はじめての店で豆を買うのはちょっとドキドキする。よくふくらむ新鮮な豆だろうか、香りはちゃんと広がるだろうか・・・そんなことをいちいちかんがえながら豆を挽き、ゆっくりゆっくり湯を注ぐ。さいしょのひとくちは、さながら祈るような気分である。
できあがったコーヒーは、バランスのよさとさわやかな酸味が印象的な端正な味わい。「アテ」なしで、できればストレートで飲みたい、まさにきょうの空のようなブレンドだった。
往復わずか5キロメートルちょっとの、コ-ヒ-豆を買いにゆくちいさな旅。いい気分。
京都での「おたのしみ」といえば、なんといっても「旦那洋食」を堪能することである。
街をあるけば、由緒正しきグリルから家族経営の気さくな洋食屋まで、たくさんの洋食屋が軒をつらね自慢の腕をふるっている。イタリアンよりも中華よりも「洋食」をこよなく愛するぼくとしては、そこはまさしく地上の楽園なのである。とりわけ西陣界隈は、キング・オブ・洋食、「旦那洋食」のメッカ。そして、その一角に店を構えるあこがれの名店が「萬春」である。
その「萬春」の味が「冷凍食品」でカジュアルにたのしめてしまうのが、この上等洋食シリーズ「萬春 ライスグラタン」なのだ。「たかが冷凍食品じゃん」などと侮ってはいけない。コレ、相当に旨いのだ。まあ、値段もそれ相応ではあるけれど、このクオリティーからかんがえればけっして高くはない(と思う)。
京都の「萬春」で本物の「旦那」を気取るのは無理でも、これを食べればインスタントな旦那気分は味わえそう?!
ここmoiのオープン当初からあたためてきた企画が、ようやく陽の目をみることになりました。カフェの空間で、moiになじみの深い方々にフィンランドをはじめとする北欧のアートや文化について語っていただこうという、カジュアルなトークショーです。
今回お話をしていただくのは、moiの設計者でもある建築家の関本竜太(せきもとりょうた)さんです。関本さんは現在、みずから主宰するRIOTADESIGNで数多くの住宅建築を手がけるなど活躍中ですが、2000年にはアルヴァー・アールトの母校であるフィンランドのヘルシンキ工科大学へと建築留学、帰国後も「アルヴァー・アールトの住宅」東京展や「フィンランドカフェ」といったイベントに関わるなど、フィンランドとは切っても切れない関係にあります。
そんな関本さんが今回語ってくださるテーマは、「建築家アールトの30代」。パイミオのサナトリウム、ヴィープリの図書館、自邸、そしてマイレア邸など、大胆な発想と野心的な試みで数多くの「傑作」を世に送り出したアルヴァー・アールトの「30代」を、おなじく「30代」の関本さんが建築家の目線で、自身のフィンランド生活の体験などを織り交ぜつつ、わかりやすくお話ししてくださる予定です。ふるってご参加ください!
◎ トークカフェvol.1「建築家アールトの30代」
おはなし:関本竜太(建築家、「RIOTADESIGN」主宰)
日 時:10月12日[水] 19:30~21:00(予定)
会 場:moi(場所はウェブサイトをごらんください)
参 加 費:2,000円(税込み)
申込方法:メールにて受付。定員に達し次第終了させていただきます。ご了承ください。
参加をご希望の方は、「トークカフェ」参加希望と明記の上、メールにてお名前、お電話番号、参加人数をでお知らせください。お申し込みはお早めに!
10/2追記:おかげさまをもちまして、予定人数に達したため締め切りを終了させていただきます。なお、引き続き「参加希望のメール」を頂いた方につきましては、追加開催がある場合ご連絡させていただきます。追加開催につきましては、今後の動向を見つつ決定させていただきます。よろしくお願いいたします。
10/6追記:追加開催(10/19)が決定。お申し込み受付中です。くわしくはこちらをご覧下さい。受付人数が少なくなっていますので、お早めにお申し込みください(満席の際にはご了承ください)。
10/7追記:追加分10/19につきましても、受付を終了させていただきました。
三年もたつと、さすがに店のあちらこちらに調子のかんばしくない部分がでてきたりするもので、ここ数日はグラインダー(コーヒーミル)の様子がなんとなくおかしい。
様子がおかしいといってもべつにあきらかに故障したというわけではなく、なんとなく微粉がふえたとか以前とくらべて挽き目が一定しないような気がするといった、そんなささやかなレベルのものである。とはいえ、いったん気になりだしたら最期、気になって気になって仕方がなくなる性格ゆえ、営業の合間に分解掃除をほどこしてみたりとあわただしい。
moiで使用しているのは、業務用のグラインダーや焙煎機で定評のあるフジローヤル製の「R-220」という機種で、コーヒー専門店などでよくみかける「R-440」という機種を家庭用にコンパクトにしたものである。ちなみに「みるっこ」というステキな愛称もつけられている。「家庭用」とはいえ、いちどに挽ける豆の容量がちがうくらいで、性能じたいは「業務用」とほとんど変わりがないという話だ。じっさい、知り合いの「豆屋さん」によればそうめったに壊れるものではないらしい。
ほんとうなら、不測の事態に備えて「ベンチ要員」を置いておきたいところではあるのだけれど、そのような余裕は残念なことに、ない。鳴りもの入りで登場したルーキーも、そろそろ肘に「不安」を抱える年頃にさしかかってきたということなのかもしれないが、夏も去り活躍の機会もますこれからの時期、なんとかだましだましでもふんばってもらわなければ。
みなさんも、うちの「みるっこ」に温かい応援よろしくお願いします。