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7月のれんらく帳
2005.7.1|info

7月です。ってことは、ことしもすでに《折返し地点》を通過してしまったというわけで・・・早いなァ。

さて、今月の「お休み」は、
4[月],11[月],18[月祝],25[月]、そして8/1[月]となります。

さらに7/24[日]には、ことしもやります「北欧みやげ市 2」。行商のおばさんよろしく、反則すれすれの手荷物で店主みずから「よっこらしょっ」と運んできたフィンランド&スウェーデンの「おみやげ」の数々を、昨年同様一日限りの大放出(!?)です。というわけで、24[日]のカフェ営業はお休みとさせていただきます。また「みやげ市」の詳細は追ってこのブログにてお知らせしますので、要チェック!

※画像は、「みやげ市」に出品予定の北欧を代表する絵本作家エルサ・ベスコフの「ポスター」。愛らしいこどもたちの表情と北欧独特の情景描写がうつくしい一枚です。

では、今月もここmoiにてお目にかかりましょう!

FINEL社のホーローの片手鍋
2005.7.2|finland

きのうブログでもお知らせした、24日[日]に開催予定のイベント「北欧みやげ市」で販売を予定しているグッズの数々を、こちらですこしずつ紹介してゆきたいと思っています。

まずは、「ARABIA」傘下のFINEL社で1960年代~1970年代にかけてつくられたと思われる赤いホーローの片手鍋です。

まず、見ての通り均整のとれた端正なフォルムが印象的です。ちょっと朱色がかった赤は、熟しきって木から落ちる寸前の「柿」を思わせます。また、側面には北欧らしい冬の到来をイメージさせる半抽象的なモチーフが描かれています。

フィンランドの家庭で、ミルク粥をこしらえたりスープをあたためたりしていたのでしょう。蓋や鍋のフチの部分には、若干エナメルのはげ落ちた箇所もみうけられます。

ただ大事に使われきたのでしょうか、多少の使用感はあるものの内部はとてもきれいな状態ですので、ぜひ日々の生活のなかで使っていただきたいとおもいます(実際の色や傷の程度等、ご自身の目でご確認ください)。サイズは、よくみかけるミルクパンよりやや大きめかなといった感じです。

朝ごはんをもりもりと
2005.7.3|health

朝ごはんをもりもりとたべるために、いままでよりも30分早起きすることにした。

北欧を旅行中は、朝ごはん=もりもり、昼ごはん=軽め、晩ごはん=そこそこ、そんな食生活をおくっていた。で、どうやらこのリズムがからだに合っていたらしく、日本を発つときは最悪だったコンディションもすっかり回復し、旅行中はなかなか快適にすごすことができた。そこで、日本にもどってきてからもこのリズムを引きつづき維持してゆこうというわけで、朝6時起床ライフがはじまったのである。

もともと、どちらかといえば早起きは得意なほうである。とはいえ、じっさいのところ朝の30分は大きい。できうるかぎりこれまでよりも30分早く床につこうとは思っているのだが、なかなかそうもうまくゆかない。それでも、30 分ちかくかけてゆっくり朝ごはんをたべるというのはなかなかにいいものである。パンにサラダ、ヨーグルトに野菜ジュースといったメニューを、横目にニュースを眺めたり、すきな音楽をかけたり、ときには読みかけの本をパラパラとめくりながらもぐもぐとたべる。そしてそんなふうにすごす朝食のひとときは、「たった30分」以上のぜいたくを感じさせてくれるものだ。いままでの、あわててパンを口にねじこむような朝ごはんとはずいぶんとちがう。

そういえば、けさあるラジオ番組にゲスト出演していた坂本龍一も、毎朝6時半から7時くらいに起きるのだとその番組で語っていた。なんでも、からだのリズムに合わせたら自然とそうなったのだとか。本人は「年寄りになってきたから」と笑っていたが、まだまだ「自然と目がさめる」というところまでいっていないぼくは、なんとかしてまだ「若者」サイドにしがみついていたいと願っている微妙なお年頃である。

梅雨なので串揚げをたべた
2005.7.4|food & drink

きのうの晩からきょうの夕方にかけて、ここ東京でもずいぶんと雨が降りました。夢うつつに、一晩中ザァーッという雨音をきいていたような気がします。

そして、そんなじっとり湿った梅雨空に対抗すべく、きょうは串揚げをたべてきました。カラっと口あたりも軽く揚がったハモ、おくら、そら豆、グリーンアスパラガス・・・旬の素材をハフハフとほおばりながら、だいぶ鈍くなりつつある味覚に《季節感》という「喝」を入れてきました。

ちかごろは、どうやら胃袋もちいさくなってきたようで、昼食はすごく軽めだったにもかかわらず串25本でギブアップとなりました。ちなみに、女性でいちばん食べたひとはなんと120本以上(!)だったそうで・・・こういうひとにはきっと、「梅雨」も「猛暑」もなんのその、まったく関係ないんでしょうね。参りました。

ストックホルム・カフェマニア?!
2005.7.5|book

「北欧みやげ市」に出品する商品のごあんないです。

ストックホルムをあるきながら思ったのは、「ああ、ここストックホルムにも「東京カフェマニア」のようなサイトがあったらよかったのに・・・」ということ。サイトはけっきょくみつからなかったけれど、ちょっと気のきいたこんなガイドブックならみつけました。題して、『ストックホルム「夏カフェ」案内』。

案内役をつとめるのは、ストックホルムの「サマンサ」さんこと(?)ミア・エールンさん。この本では、ストックホルムとその近郊の「夏カフェ」(夏季限定、あるいは夏こそ「最高」という湖畔や海に面していたり、気持ちのいいテラス席をもつカフェ)がエリア別に50カ所あまりピックアップされ、紹介されています。

たとえば「ベルマン美術館のCafe Bla Kanin」を例にとると、

「ベルマン美術館の庭では、あの有名な《吟遊詩人の時代》に迷いこんでしまったよう・・・。ルピナスやホップ、ルバーブが咲き乱れる花壇をそぞろ歩いていると、やがて湖水を臨むことのできる裏庭に出くわします。そして17世紀にたてられた建物にあるこのカフェでは、年季の入ったかまどの上にパイやパン、それにクッキーなどが並べられているのです。」

といった具合。

この本、北欧の「夏カフェ」に思いをはせながら眺めているだけでも愉しいのですが、本文のスウェ-デン語とともに英文も併記されているので実践的な旅行ガイドとしても威力を発揮してくれるでしょう。値段やカード利用の可否、トイレの有無、提供している料理がホームメイドがどうかといった情報が、ひとめでわかるようマーク表記されているところも便利です。

月曜日のユカ
2005.7.6|cinema

そういえば、ひさしく「横浜」にも行っていない。などと唐突に思ったのはほかでもない、こんどシネクラブ「キノイグルー」で『月曜日のユカ』を上映するという話を耳にしたからです。

中平康監督、加賀まりこ主演のこの作品については、いまあらためて言うべきことなどあまり残されていないような気がします。ひとつ言えるのは、この作品が1964年当時もっともフォトジェニックだった女優を、もっともフォトジェニックな都市「ヨコハマ」を舞台に撮影した、すこぶるフォトジェニックな映画であるということくらいでしょうか。よくもわるくも「体臭」を感じさせない映画ですね。

ところで、今回この上映会がひらかれるのは青山のクラブ「青い部屋」。言わずと知れた、作家でシャンソン歌手の戸川昌子さんが経営するシャンソニエです。これは「キノイグルー」の渡辺さんにおしえていただいたのですが、この「月曜日のユカ」を監督した中平康は、戸川さん原作による小説『猟人日記』の映画化にあたってもメガホンをとっているとのこと(しかもこのふたつの作品、なんとおなじ年に製作されているのです!)。そういう意味でも、こんかいの上映会、なかなかにおしゃれな「お膳立て」が用意されているといえそうです。

とにもかくにも、百聞は一見にしかず。潔いまでにスタイリッシュに徹したこの映画、ぜひお見逃しなく!

◎ 乙女音楽研究会~キノイグルーナイト!~

 作品:中平康監督『月曜日のユカ』(1964)
 共演:エルナ・フェラガーモ(7/16)・Pecombo(7/17)
 日時:7/16[土],17[日] 両日とも17時、20時の2回
 場所:青山「青い部屋」
 会費:予約2,500円 当日2,800円 1ドリンク、フードつき 
 予約:お名前、人数、ご連絡先をメールにてお知らせください。

くわしくは、「Kino Iglu」のサイトをごらんください。

シラク発言
2005.7.7|column

巷で話題のシラク大統領発言について、フィンランドの名誉にかけてここでハッキリ言わせてもらおうと思います。

フィンランドの食事はまずくない。でも、おいしくもない。以上。

あ、でもパンとサーモンはめちゃくちゃおいしいですよ・・・。

すこしまじめに考察するならば、フランスのように素材にいろいろ手を入れて、複雑なソースとともに食す料理に慣れた味覚からすると、せいぜい味つけは塩味程度、コショウすらろくすぽ使わないフィンランドの食事があまりに淡白で味気ないと感じたとしても、まあ不思議はないのではないでしょうか?いってみれば、料理(=調理)に対する考え方がフランスとフィンランドでは180度ちがっているのです。要は、文化のちがいです。

ただし、もし仮にシラク大統領が「マンミ」のことを指してそう言っているのであれば、ぼくはシラク大統領に一票を投じます。あれは「なし」でしょ、さすがに。

ひらいみもさんのてぬぐい
2005.7.8|info

ひらいみもさんの新作てぬぐいがとどきました。

ひらいみもさんは、去年の秋moiで開催した「森のカモメ」展でお世話になったイラストレーターさんです。そのときの展示をおぼえていらっしゃるかたもおいでのことでしょう。そのみもさんから、型染めによる新作てぬぐい(2パターン)がとどきました。いずれも「カモメ」、「森」という、昨年のフィンランドの旅でインスピレーションをうけたモチーフがあしらわれています。

また、職人さんの手が入る「型染め」とあって、印刷ではえられない独特のニュアンスがそこには感じられます(制作行程でいろいろと「想定外」のできごともあったようですが・・・)。ご来店の折には、ぜひ手にとってごらんになってみてください(税込み1,365円(森)/1,575円(カモメ) なお「品切れ」の際にはお取り寄せとなります)。

ところで、そのみもさんの個展「森のストロー」が、現在長野県安曇野のミュージアムカフェ「BANANA MOON」にて開催中(~8/30)です。森の中にひっそりとたたずむモダンなミュージアムカフェでのみもさんの展示、さぞかし気持ちいい空間になっていることでしょう。お近くの方、また避暑がてら長野方面へのドライブを計画中の方はぜひ、旨いそば&みもさんの展示、予定にくわえてみてはいかがでしょう。

カバのヘンリー
2005.7.9|finland

~「北欧みやげ市2」の出品リストから。

この「カバのヘンリー」は、フィンランドの銀行「Osuuspankki(OP) 」のノヴェルティーグッズとしてつくられた「貯金箱」です。

フィンランドの銀行がつくった貯金箱といえば、復刻版が日本でも販売されている「ブタ」や「ゾウ」がよく知られていますが、この「カバ」はちょっとレアだと思いませんか?この「カバのヘンリー」は、フィンランドのみならずイギリスやドイツでもよく知られた人気キャラクターのようですが、残念ながらくわしいことは不明です。ちなみにさきほどの「OP」のサイトには、こども向けの「カバのヘンリー」のページも用意されています。

かわいすぎないところがかえってかわいい、そんなヘンリーくんでした。

劇的ビフォーアフター
2005.7.10|travel

夏のフィンランドでは、天気さえよければあちらこちらの公園でこんなゆるい光景を目にすることができる。日が長いので、ようやく太陽が沈みかけ肌寒くなってくる深夜ちかくまで、ひとびとは芝生にこしかけビール片手におしゃべりに興じている。ハッピーで、なんともぜいたくな眺めだ。

ところが、一夜明けて散歩に出ると目にはいってくるのは・・・日本でいえば、さしずめ「お花見の後」のようなこんな光景。

そういえば、あちらの新聞でも若者のゴミ放置が問題にされていたような・・・。北欧というと「エコロジーの国」というイメージをもっているひともおおいことだろう。じっさい、「リサイクル」などについては市民生活に根づいている印象をうける。けれどもその一方で、ゴミの分別が日本ほどきっちりなされていなかったり、こんなふうにあっけらかんとゴミをポイ捨てしていったりと、極東からやってきたガイジンの目に映る「エコの国」はどうにもアンバランスなものだったりもする(そのために市の清掃局があるのだ、という理由なのかもしれないけれど・・・)。  

余談だが、下の写真を撮っていたらおばちゃんたちから笑われてしまったよ。「変な外人」と思われたんだろうな、きっと(笑)。

Tapio Wirkkalaデザインのミニボトル
2005.7.11|finland

~「北欧みやげ市 2」の出品リストから。

フィンランド産ウォッカとして世界にひろく知られる、「フィンランディア」のミニボトルです。

これは1970年に登場したタピオ・ウィルッカラのデザインによる初代ボトルで、数年前までは日本でもふつうに販売されていました(ちなみに現在市場に流通しているボトルは三代目で、デザインは「ブロックランプ」で知られるハッリ・コスキネン)。手に入らなくなってしまったいまでも、いかにもタピオらしい男性的なデザイン(ざわざわした手触りがいいですよ)で人気がありますね。

さて、お気づきのかたもいらっしゃるかもしれませんが、このボトルの面白いところはキャップの色が「赤い」ことです。日本で流通していたものもふくめ、よく見かけたものはすべてラベルとおなじくキャップも「紺色」でしたし、なによりこの赤いキャップがなかなかかわいいので思わず連れ帰ってきてしまいました。そういえば、フィンランド政府観光局発行の雑誌「TORI」で紹介されていた「ヘルシンキ・ホテル&レストラン博物館」所蔵のボトルもまたおなじくキャップの赤いタイプでしたので、これが初期のオリジナルデザインだったのかもしれません。

残念ながら(?)中身は空っぽですので・・・あしからず。

book baton
2005.7.13|book

ついこのあいだ、「musical baton」にあたまを悩ましたばかりだというのに、macoさんからまたまた選ぶのに苦労しそうな「book baton」なるものがまわってきました・・・。「読書家」というわけでもないのに、それでも、いざ選ぶとなるとたやすいことではありませんね。選べなかった「本(音楽)」にはホントすまんかった、そんな気分。では、いってみましょう。

◎ 持っている本の冊数

300冊くらい、でしょうか。その大半は実家に放置状態。「なんとかせんかい!」という親からのプレッシャーを再三無視しつづけていたら、ついには「強制執行」の憂き目に・・・。年末ひさびさに実家に戻ったところ、なかば強制的に処分させられてしまいました。よって、いまは200冊くらいかも。

◎ いま読みかけの本、または読もうと思っている本

植草甚一(瀬戸俊一編)『コラージュ日記2 ニューヨーク1974』
《お気に入りのモノ》だらけのニューヨークで、なりふりかまわず弾けまくるJ・J氏の衝撃(笑撃?!)の買い物アディクトっぷりにただただ唖然。古本屋で台車を借りてホテルまで運び、荷物を置いてからまた出かけた、とか・・・最高!

◎ 最後に買った本(既読、未読問わず)

川上弘美『センセイの鞄』
小説はよめない体質なのですが、このひとのだけはかなりよんでいます。文庫化されているものの中で唯一これだけ手に入れていなかったことを思い出し、駅前の「ブックオフ」で買いました。飄々として素っ頓狂な「センセイ」は、かつての上司に似ています(笑)。

◎ 特別な思い入れのある本、心に残っている本5冊

田口護『コーヒー 味わいの「こつ」』
「カフェ・バッハ」の田口氏によるビギナー向けのコーヒー指南書。コーヒーのおいしさを知ってはじめて手にした、思い出ぶかい一冊。以前、「コーヒー」をテーマにしたあるテレビ番組に出演させていただいたときのこと、そこには著者の田口氏も登場されていたのですが、おなじ番組の中にじぶんがいるという現実がどうにも信じがたく、オンエアを観ながらまるで夢の中にまよいこんでしまったかのような不思議な感覚にとらわれたのをおぼえています。

『歎異抄』
思想家としての「親鸞」はかなりおもしろい。善人が救われるのだから(もっともっと救いを必要としている)悪人が救われるのは当然でしょ?という「悪人正機説」をはじめ、ちょっとアナーキーで思わずニヤリとさせられるような思考がいっぱいつまった「玉手箱」のような一冊です。ところで、植木等も好きらしいですね、親鸞。わかるなぁ。

William Eggleston『The Democratic Forest』
どんな写真家のそれよりも、エグルストンの写真がすきです。ヴィム・ヴェンダースの映画『パリ・テキサス』を観たとき、このひとはエグルストンがすきにちがいないと確信した。本当のところは知りませんけど。

中川李枝子 作・大村百合子 絵『いやいやえん』
「ももの山」にのぼりたかった、いたいけな幼年時代?!

パウロ・コエーリョ『アルケミスト』
暗記してしまうくらいくりかえし読んでいるのに、読むたびに新たな《発見》があるこの本。平明な「ことば」で語られるのは「宇宙」のこと。いままで、この本を読むことでどんなにか助けられてきたことか。いつか無人島に行く機会があったなら、忘れずこの一冊をたずさえてゆきます。

◎ 次に回す5人

懲りずにまたもや「逆エントリー」で。いまこれを読んでいるアナタの「愛読書」をおしえてください!ぜひ、あなたの「book baton」をこの記事にトラックバックしてください。あと、

talk is toyのTANAKAさん、
BAR BOSSA通信のはやしさん

ノッてくれるとうれしんだけど、どうですかー?

こどもに笑顔を
2005.7.14|book

1961年に出版された写真集です。

フィンランドの子供たちのいきいきとした表情をとらえた写真に、ちょっとしたエッセイが添えられています。

それにしても、北欧のこどもたちってほんとうにかわいいですよね。ここにあるのは、MIKA POSAさんの写真にもつうじるイノセントでおだやかな世界。真綿にくるまれたような幸福な瞬間の、永遠の記憶。

50年ちかくも経っているのでさすがに表紙は傷んでいますが、中身は問題なしです。

スウェーデンのレコード
2005.7.15|music

といっても、ひところ流行った「スウェディッシュ・ポップス」とかでは、ありません。「こども」のためにつくられた、1960年代なかばの7inchレコードです。

さすがは児童文学や教育に熱心なお国柄、北欧には「絵本」などとおなじようにこういう「こどものための音楽」というジャンルが確立されています。レコードショップにはたいてい、「ロック」や「ジャズ」と並んで「こどもの音楽」というカテゴリーがあり、ずいぶんとたくさんのCDが並べられています。それだけ需要がある、ということなんですね。

内容は、こどもやおとなの歌手がうたう親しみのあるメロディーと、ちょっとした「語り」が収録されています。それにつけてもイラストがかわいいので、思わず部屋に飾りたくなります。

磁場が狂ってる?!
2005.7.16|travel

この夏、海外への旅行を計画されているという方、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

ここmoiでもゴールデンウィークあたりから来月くらいにかけて、お客さまや知り合いを中心に出国&帰国ラッシュがつづいています。「行き先」はもちろん、北欧。なんでも、旅行代理店の調べによるところではこの夏の人気旅行先第一位は「ハワイ」なのだとか・・・。

いっぽうmoiにおけるランキングはというと、第一位はやはり「フィンランド」、つぎにくるのは「スウェーデン」や「デンマーク」、さらに「ノルウェー」や「エストニア」がそれにつづくといった感じ。残念ながら、ハワイに行く、あるいは行ってきたという話はほとんど耳にしたことがありません。すくなくともこの空間にかんする限り、フィンランドはハワイをもしのぐ人気の観光スポットといえそうです。・・・う~ん、なんかまちがっているような・・・。

以前、BSE問題にかんれんして「日本の常識は世界の非常識」と発言してひんしゅくを買った政治家がいましたが、どうやらmoiの常識はかなりの非常識ということになりそうです。

北欧みやげ市 2
2005.7.17|event

ことしも、店主みずから北欧でみつけた「おみやげ」の数々をご披露&販売させていただく一日限りのイベント「北欧みやげ市」を開催します。題して、「北欧みやげ市 2(カクシ)」。日用雑貨からヴィンテージまで、重量制限におびえつつ、反則ギリギリの手荷物を引きずりながら運んできた「おみやげ」の数々とともにmoiでみなさまのご来店をお待ちしております!

◎ 一日限りの~北欧みやげ市 2[カクシ]
 日 時/7月24日[日] 14時より19時まで(ただし商品がなくなり次第終了)
 会 場/moi(JR、東京メトロ「荻窪」より徒歩6分) 
 以下の注意事項をよくお読みください。
 ・当日は、お客様の状況次第で「整理券」を発行の上、入店制限させていただく場合があります。
  ご入店までしばらくお待ちいただくケースもありますので、あらかじめご了承ください。
 ・当日はカフェ営業はお休みさせていただきます。
 ・お支払いは「現金」にてお願い致します(クレジットカード使用不可)。
 ・商品のラッピングについてはできかねます。あらかじめご了承ください。
 ・ヴィンテージ品につきましては、コンディションをご自身の目でよくご確認の上お求め下さい。お買い上げ後の、コンディションを理由とした返品はお受けできない場合もあります。
 ・ヴィンテージ品を中心に一点もの、また数の少ないものがほとんどとなります。売り切れの際にはご容赦ください。
 なお、今回出品する商品のリストを作成しました。ご希望のお客様は、件名に「出品リスト希望」としるした空メールを下記までお送りください(23日夕方到着分まで)。折返しお送りいたします。

石の上にも「3周年」
2005.7.18|info

「海の日」にして全国的に「梅雨明け」のきょうは、なにをかくそうmoiのオープン3周年の記念日です。ちなみに、ブログ開設1周年でもあります。

こんな吹けば飛ぶようなちっちゃな「場所」でも、その「場所」を守り抜いてゆくことは予想をはるかに超えてたいへんなことでした。-はたして明日はやってくるのだろうか?、そんな不安にかられながらも、「じぶんの居場所」のような思いでmoiを訪ねてくださるみなさんひとりひとりに助けられ、なんとかかんとかきょうを迎えることができました。この場を借りてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。

マイペースに、日々淡々と草木に水をやるようにこの「場所」を育ててゆきたいものです。これからもどうぞよろしくお願いします。

Anttiのコーヒーポット
2005.7.19|finland

もう説明は不要、ですね。泣く子も黙る(?!)アンティ・ヌルメスニエミ(Antti Nurmesniemi)のホーロー製「コーヒーポット」です。

ちかごろでは目にする機会もたいへん少なくなってしまいました。とくに、状態のよいものはほんとうに少なくなっている気がします。しかも日本人に人気があるのを知ってか、値段も高騰しています。これは大きいサイズのほうのポットで、色は「アンティのポットといえばコレでしょ」という定番の「赤」です。

目につく「傷」は写真の2箇所。フタの内側(フタをした状態では隠れますので見えません)と、注ぎ口のフチの部分です。その他はほとんど気になるようなエナメルの欠けは見当たりませんし、なんといっても内側のきれいさは特筆モノです(パーコレーターはありません)。

フィンランドでも探しにくくなってきていますし、重くかさばる上に気をつかいながら運んでくるのもなかなか骨が折れるこのポット、どうしても欲しいという方はこの機会にぜひどうぞ!

※「北欧みやげ市」の「出品リスト」をご希望の方は、件名に「出品リスト希望」と記した空メールをお送りください。折り返し、お送りします。

アラビア「Faenza」カップ&ソーサー
2005.7.20|finland

「北欧みやげ市2」も、いよいよこんどの日曜日に近づいてきました。どんなふうにディスプレイしようか?、せまい空間なのでいろいろ思案中です。

ところで「整理券」についてですが、現時点では発行の有無、時間等については未定です。当日の開店前の状況次第で決定します。じつは、昨年開催した際にはオープン前にお並びいただいたお客様が多かったため、開店後の店内が混雑しご迷惑をおかけしました。そこで今回はできるだけそうした状況を回避するため、状況次第では整理番号順に時間帯をずらしながらご覧いただく入場制限をさせていただく予定です。ご協力をよろしくお願いします。混雑は避けたいのですが、とはいえ一点ものがほとんどなので、狙っている品物があるという方は早い時間帯のほうがおすすめです・・・。なお、引き続きメールをいただいた方には「プライスリスト」をお送りしています。どうぞご利用ください。

写真は、1973年にアラビアから発表された「Faenza」シリーズのカップ&ソーサーセットです。

この「Faenza」は、Peter Winquistによって日々の食卓を彩るシリーズとしてデザインされたものです。その意味では、Kaj Franckの「Kilta(現「Teema」)」と並んでもっともアラビアらしいプロダクトといえるのではないでしょうか?

この「Faenza」にはほかにも茶色やブルーの細かい花柄のものなどもありますが、黄色のラインが印象的なこのタイプは朝から元気になれるようなさわやかさが気に入っています。北欧デザインの「シンプルさ」がお好きなかたにおすすめです。

打ち水ジャズ
2005.7.21|music

思えば去年のいまごろは、連日の40℃ちかい暑さにやられて「打ち水」をしてみたり、即興的につめたいドリンクを創作してみたりと、その場しのぎにいろいろなことをやらかしていたのだった。それにくらべれば、ことしの夏はまだだいぶいい。オトナな夏である、いまのところは。

とはいえ、やはり「夏」。暑いものはやっぱり暑いのである。せめて「打ち水」のように、耳元からひんやりクールダウンしてくれるような涼しげな音楽はないものだろうか?そんなコトをかんがえながら吉祥寺のまちを徘徊していたら、レコードショップのスタッフでmoiにもちょくちょく顔をだしてくれるSくんが、そんなリクエストにうってつけのスカンジナヴィアン・ジャズのCDを紹介してくれた。

スウェーデンのボーカリストLinda Pettersson(リンダ・ペッテション)のアルバム『Who are you?』である。けっして存在感のある声の持ち主というわけではないけれど、その透明感あふれるクールネスはまるで大理石にふれたときのような心持ち。風通しのよさは選曲のセンスにも感じられる。スウェーデンの女性ボーカルがたいがいそうであるように、リンダ・ペッテションもまた、ここではジャズからロック、ブラジルまで幅広いレパートリーの曲をとりあげている。とはいっても、いわゆる「スムースジャズ」のような狙った感じは一切なくて、アンダーシュ・パーション(pf)率いるトリオの演奏も端正だし、ときどき絡むベテランウルフ・アダカーのトランペットの余韻もすばらしい。

ちなみにラストは、U2のカヴァーで、最近ではプラズのバージョンがヒット中の「Haven't Found」!ほかにもピーター・ガブリエル、ジミ・ヘンドリックス、ジョニ・ミッチェルなど、ふだんジャズになじみのないひとにもとっつきやすいハズ。

寝苦しい夏の夜に。ぜひ。

打ち水人になる
2005.7.22|nature

きのうにつづき、「打ち水」つながりで。

気合いだッ!と叫びながら打ち水をするアニマル浜口のTV映像に、思わず涼しいんだか暑いんだかわかんなくなっちゃったというひとも多そうな「打ち水大作戦」がことしもスタートしました。

地球温暖化に対抗する地上最大の社会実験と銘打たれたこのイベントは、夏のあいだ「打ち水」をすることで、都市部での「真夏日」や「熱帯夜」の増加の原因とされる「ヒートアイランド現象」に歯止めをかけようという試みです。moiでは、昨年このイベントのことを知っていらい、どうしようもなく暑い日を中心に「打ち水」するようにしています。やってみてわかったのですが、「打ち水」は実際の効果(きのうのイベントでは「1.5℃」気温が下がったのだそう)以上に、すばやく涼感を呼びこむという点でなにより絶大の効果があるように感じられます。まさに、暑い夏を涼しく暮らすための技術なのですね。

そしてきょうは、ことし初めての「打ち水」をしました。チャプチャプと水を撒くと、すっかり熱くなってしまったアスファルトから雨の降りはじめのあの匂いがすっと立ち上がってきてなんとも気持ちがいいのです。ついでに、ことしの「初打ち水」を記念して「打ち水大作戦」のサイトで「『打ち水人』登録」というのをしてみました。これは趣旨に賛同するひとが自発的に登録するもので、「打ち水大作戦」のサイトにある『打ち水人日記』で打ち水をよびかけたり、ご近所の「打ち水人」を検索してみつけたりできるそうです。

ベランダでもさくっとできる「打ち水」は、ノルウェーの思想家アルネ・ネスが提唱する『ディープエコロジー』という考え方にもつながってゆくものであるように感じています。これ以上ないほどにシンプルゆえ、大勢でやればやるほど効果が上がることが明らかなこの「打ち水」、ぜひみなさんもカジュアルな気分でチャプチャプっとはじめてみませんか?

あしたは「北欧みやげ市」
2005.7.23|event

あす24日[日]は、イベント「北欧みやげ市」開催のためカフェ営業はお休みさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

なお、「北欧みやげ市」は14時から19時まで(品切れの際は閉店を繰り上げます)開催いたします。すでにお知らせしておりますとおり、万が一混雑が予測される場合には開店前に整理券を発行の上、10名程度ずつ時間差でご入店いただくこともかんがえています。その際は、あらかじめご了承ください。

天気予報によれば、あしたのお天気は曇りベースでしのぎやすい一日とのこと。日曜日の午後、散歩がてらぜひmoiで「宝探し」してみませんか?みなさんのお越しをお待ちしております!

スウェーデンの逆襲
2005.7.23|nature

みなさん「地震」、大丈夫でしたかぁ?こちらは、「スウェーデンに愛をこめて」のレコードが頭上を直撃(泣)したほかは無事でした・・・。落下物も北欧がらみ、ちょっとエラくないですか?!

そういえば、先週末から今週の火曜日くらいまでのあいだ例のごとくCDプレーヤーが壊れてたんですよね・・・。いままでにないくらい長い時間動かなかったので、いよいよ完全に壊れたのだろうとあまり気に留めていませんでした。いまは、おなじプレーヤーが何事もなかったかのように音楽を奏でています・・・。

天災は忘れたころにやってくる

とは、昔のひとはよく言ったものです。それにしても、レコードで殉死、だけはなんとしても避けたいものです。まぁ冗談はともかく、みなさんしばらくは余震に気をつけましょう!

ご来店ありがとうございました!
2005.7.24|event

ながらく引っぱってきました「北欧みやげ市」ですが、本日無事開催&終了いたしました。蒸し蒸しした曇り空の中、お越しいただいたたくさんのみなさまどうもありがとうございました!

予想通り、ヴィンテージ品については早い時間に売り切れてしまったものが大半でした。その他の雑貨類につきましてはまだ若干手元に残っているものもありますので、そちらはお店のほうにディスプレイしておきたいと思います。きょうお越しになれなかったかたは、ぜひそちらをチェックされてみてください。

北欧から連れ帰ったモノたちが、みなさんのくらしの中でこの先どんなふうに使われてゆくのか、そんな楽しい想像にかられながらきょう一日をすごさせていただきました。機会がありましたら、ぜひそんなこともまたmoiで聞かせていただければ、と思っています。

書くことがありません、なぜなら
2005.7.25|column

日がな一日寝てました。断続的に。

じっさい体調もよくなかったのですが、ふだんはまずそういうことはないのですこし疲れがたまっていたのかもしれません。あるいは、台風がはこんできた猛烈な湿度にも原因があるのかも。湿度はほんとうに苦手です。東南アジアへは一生でかけることはないでしょう・・・。

夜になってすこし復調したので、スコールのような豪雨にも負けず吉祥寺までごはんを食べにいきました。ついでに、閉店間際のディスクユニオン吉祥寺ジャズ館にも顔をだし、以前買いそびれたまま忘れていたCDが数枚、手ごろな値段で中古の棚に眠っていたのですかさず購入しました。スタッフのSくんの話では、いまCD、アナログとも中古盤がかなり充実しているそうで・・・探し物のあるひとは、ぜひいちどのぞいてみたほうがいいですよ。新譜も、ボーカルを中心にスカンジナヴィア系が充実してます。

そうして帰ったあとはまた、寝ました。ほとんど頭のわるい子の日記ですね。すいません。

台風がくるぞ
2005.7.26|nature

先週の地震につづいて、こんどは東京に台風がやってくるという。テレビやラジオでは昨夜あたりから、「台風の直撃で大荒れの天気になる模様」と不安をあおるような報道がくりかえされていた。おかげで、きょうはお店も閑古鳥がカァカァと鳴きっぱなしである。

ところが、フタをあけてみれば「えっ、台風?どこが?」といった具合で、それはそれでまあよかったのだけれど、実際には台風の上陸を心配して外出や遠出を控えたひとたちがたくさんいたであろうことを思うと相当に複雑な心境ではある。台風もふくめ、天気予報の的中率が年々下がってきているように思えてならないのは、はたしてぼくだけであろうか・・・。

夕方になって、台風を口実に会社を早々に抜け出してきたというOLさんや、大学の試験が台風の影響で中止になっちゃってという学生さんなどが顔を出してくれたのがせめてもの救いだろうか。かと思えば、ディズニーランドなどはふだんとあまり変わらない人出だったというのだからまったくイヤになってしまう。これじゃあ「台風のせい」にできないではないか。

今年の夏は、どうかあまり台風の到来がありませんように。

エルサ・ベスコフ
2005.7.27|book

北欧のこどもたちはベスコフの絵で育つ、といわれるほどに、スウェーデンの絵本作家エルサ・ベスコフ(Elsa Beskow)は北欧のひとびとのあいだではよく知られた存在のようです。じっさい、知り合いのフィンランド人もこどものころ親しんだそうです。

1874年にストックホルムでうまれたベスコフは、1953年に亡くなるまでのあいだに数多くの絵本を未来のこどもたちのために残しました。その作風は、ケイト・グリーナウェイらイギリスのヴィクトリア朝を代表する挿絵画家の作品につうじるクラシックなものですが、白樺の森や摘みとったベリーをたっぷりいれた樹皮で編んだカゴ、ありとあらゆる生命のざわめきがきこえてきそうな夏の情景や、どうぶつや精霊たちと交感するこどもたちといった情景は、まさにまごうことなき北欧の清澄な世界そのものといえます。

ベスコフの絵本はここ日本でも古くから翻訳出版されていますし、また通販のフェリシモからも彼女のいくつかの作品が出版されているので、あるいはよく知っているというかたもいらっしゃることでしょう。たまたま近所の古本屋で手にした『ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん』という本をとおしてぼくはベスコフの存在を知ったのですが、淡い情景のなかにも凛とした空気が感じられるところが最大の魅力ではないかと思っています。

そんなわけで、せんだっての北欧旅行ではベスコフにまつわる品物をいくつか手に入れたいとかんがえていたのですが、ストックホルムで、ではなくヘルシンキで、日本ではおよそ目にしたことのないベスコフのアートポスターを発見しました。ぜんぶで3種類あるのですがスペースの都合上すべてを展示するわけにはいきませんので、もしご興味のある方がいらっしゃいましたらお気軽にお声をかけてください。また、ご希望の方にはおゆずりします(ただし全種類、各一枚のみ)。

Elsa Beskow 原画ポスター(70×50cm) 4,200(税込み)

「夢」はかなう
2005.7.28|food & drink

ロケットのそうじゅうしになりたい-そう小学一年の作文に書いたのは野口聡一さんである。そう書いたとき、三十年後ほんとうに野口少年が「宇宙飛行士」になろうなどとは周囲のだれひとりとして予想しなかったにちがいない。おそらく、かれ自身でさえも。けれども、夢は現実になった。いままさにかれは宇宙にいるのだ。すばらしい。

ところで報道によるところでは、野口さんにはもうひとつ「夢」があったらしい。宇宙で好物のラーメンをたべる、というのがそれだ。そしてそんな野口さんの「もうひとつの夢」を叶えるべく、「カップヌードル」でおなじみの日清食品が開発したのが史上初の宇宙食ラーメン「スペース・ラム」である。

いわずとしれた無重力状態の宇宙で「汁物」であるところのラーメンをたべるということがいかに無謀な企てであるか、そのことをだれよりもよく理解しているのは野口さんそのひとであるはずだ。にもかかわらず、ラーメンをたべたい野口さん、あっぱれなドリーマーぶりである。

さて、こうしてお目見えした「スペース・ラム」。さっそくさまざまなテレビ番組でとりあげられていたのだが、すくなくともブラウン管をつうじてみるかぎり、それはお世辞にも「ラーメン」とは似ても似つかない物体であった。麺は、無重力状態でも飛び散らないよう三つの塊にわけられている。毛糸玉がほつれちゃって、ああもうやんなっちゃったぁ~というルックスである。これを70℃というぬるめのお湯でもどす。この70℃というのが、シャトル内で使用できる限界なのだそうだ。もちろん汁も、無重力対策で「あん」状になっている。そうして、たべている姿は相当にマズそうなのだった。

いま野口さんに言いたいのはこういうことだ。野口さん、宇宙飛行士になる「夢」を果たしたあなたのような方が、そんな程度の「ラーメン」に満足しちゃあいけない!なんでも、野口さんのリクエストにより、味は「みそ」「しょうゆ」「カレー」「とんこつ」の4種類が用意されているという。一瞬、へぇ~すごいじゃん、と思ってしまいそうにもなるがそれはいけない。味つけはラーメンの本質なんかではない。たんなる「まやかし」だ。シャトルの船内にあつあつの汁の匂いが充満し、乗組員たちがズルズルと麺をすする音が響きわたるその日まで、野口さんと日清の開発スタッフの方々にはぜひがんばっていただきたいものである。

「夢」はかなう。

STANDARDS~土岐麻子ジャズを歌う~
2005.7.29|music

ひとからすすめられて、このCD『STANDARDS~土岐麻子ジャズを歌う~』を手にとった。「Cymbals」の解散後、Voの土岐麻子が録音した二枚のジャズ・カヴァーアルバムのうちの一枚。

ぼくはCymbals時代の彼女についてはあまりよく知らないのだけれど、このCDは聴いていてとても気持ちのいいアルバムである。サブタイトルには「ジャズを歌う」とあるが、そこにいわゆるジャズのボーカル・アルバムにありがちな「重さ」はぜんぜん感じられない。言い方が的確かどうかはともかく、鼻歌モードなのだ。ジャズのアレンジにのって、しっかり歌われているにもかかわらず。

ひとつには、彼女の声。ちょっと乾いた感じの清潔な声は、洗い立ての綿のシャツのような感触である。影が感じられなかったり湿り気がなかったりすることは、ここではかならずしもマイナスの要素にはなっていない。すくなくとも、ぼくはその「声」を支持する。

もうひとつには、その選曲。タイトルにもあるように、ここで歌われるのは「スタンダード」の楽曲である。といっても、それはいわゆるカタログ的な意味での「スタンダード」ではない。土岐麻子というひとが、日々慣れ親しんでいる楽曲という意味での「スタンダード」、つまり「定番」なのである。じっさい、チェット・ベイカーも歌った「Like Someone In Love」、リン・マリノのヴァージョンが一時クラブでもヒットした「Feeling Good」、ティアーズ・フォー・フィアーズによる80'sヒット「Everybody Wants To Rule The World」、それにEW&Fの名曲「September」など、彼女のレコード棚が目に浮かんできそうな楽曲がならぶ。こんな時代やカテゴリーにこだわらない選曲が、このCDになおいっそうの風通しのよさをあたえている。

恋人ではなくて、異性のともだちと他愛のないおしゃべりをしながらコーヒーでも飲んで、そのうしろに流れていてほしいのはきっとこんなCD。

カンテレ
2005.7.30|finland

カンテレ(kantele)という名前のフィンランドの民族楽器があります。「カンテレ」は「チター族」の楽器で、水平に寝かせて演奏するその様子はまるでちいさな「琴」のようでもあります。また、ちかごろでは日本でも「カンテレ愛好家」がふえていると、ときどき耳にしたりもします。と言いつつ、もともとデザインや建築方面からフィンランドに関心をもったぼくにとっては、じつは名前こそ知ってはいても縁遠い存在だったりするのですが・・・。

そんななか、カンテレ奏者の佐藤美津子さんからメールをいただきました。佐藤さんは、札幌を中心にカンテレのコンサートや教室をつうじてその振興・普及活動に努めていらっしゃるというかたで、この夏には北カレリア地方の町イロマンツィで開催された「カンテレ・ミュージックキャンプ」にも参加されてきたそうです。

さて、そんな佐藤さん、「カンテレあんさんぶる」というブログを開設されています。フィンランドの自然や人々とのふれあいのなかで、日々カンテレへの理解と愛情とを深めている佐藤さんの思いがひしひしと伝わってくる、そんなブログです。

フィンランドの文化に興味のあるかた、そしてなんといっても「カンテレ」に関心がある、奏でてみたいというかたは必見のブログです。ぜひいちどご覧になってみてはいかがでしょう。

女王様系
2005.7.31|food & drink

缶コーヒーといえば「ボス(BOSS)」なわけだが、こちらは「ヴォス(VOSS)」、Oさんからいただいたノルウェー育ちのミネラルウォーターである。

話によると、こちらセレブ御用達のミネラルウォーターなのだそうで、かのマドンナさん(46)も「わたしはこれを置いてないホテルには泊まらない」と言ったとか、言わなかったとか・・・。

ミネラルウォーターの常識(?)を覆すそのあまりにスタイリッシュなボトルデザインは、たしかに「庶民」が気軽に口に運ぶのをためらわせるようなオーラを放っている。「へぇ~、あなたがワタクシを飲むって仰るの?(微笑)」みたいな。もちろん、おそれ多くてぼくにはまだ口をつけることができません。

つまるところ、缶コーヒーがたかだか「上司(ボス)」なら、さしずめこちらは究極の「女王様系」ウォーターなのです。

2005.8
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