#122 きっともっとわかるはず

大人になったらなんでもわかるようになると思っていたのに、どんどん謎は深まるばかり ──

Moi!フィンランドをもっと好きになる122回目の配信レポートをお届けします。メニューはこちら。

+ フィンランド語と因数分解
+ フィンランド・グラスアート展へ行ってみませんか
+ トーベ・ヤンソンと『ミンネのかけら』
+ kielotie 夏のスープランチ

フィンランド語と因数分解

最初の報告は、荻窪のフィンランドカフェ~kielotieでフィンランド語講座を行ったミホコさんから。マトカトリ朝日カルチャーセンター~に講座があるミホコさんですが、kielotieでは初めてとのことです。

今回のフィンランド語講座は、初めての方向け、学習経験のある方向け、絵本を読むという3つのコース。

1コマ目は、これまでフィンランド語にふれたことがない初めての方向けの講義。生徒のみなさんとミホコさんのドキドキがそれぞれ伝染しあってとても緊張したそうです。講義の終わりにはリラックスされていたようでよかったとミホコさん。

2コマ目の学習経験がある方向けの講義では、辞書を使った文法を学びます。まずミホコさんが気づいたのが、生徒のみなさんの辞書がきれいなこと。フィンランド語ならではの辞書の使い方・調べ方があり、「この辞書ってこうやって使うんですね」という感想もあったそうです(そういえば、自分の持っている辞書もまだまだきれいだなあと、笑)。

3コマ目はマウリ・クンナスの絵本『犬ヶ丘の夏(仮)』を読みます。1980年から続くシリーズで2000年代に出版された絵本です。絵本ならではの文章の簡潔さと絵によるイメージによって楽しくフィンランド語を学ぶことができるのではないでしょうか。今回の講座は単発とのことですが、またkielotieで講座が開かれる際にはぜひ体験してみてください。

イ:辞書を持っていてもうまく使えていないことがありますよね。語幹で調べないといけない。
ミ:そうですね。単語は因数分解みたいなものだと考えてもらえればわかりやすい。
イ:因数分解? それはちょっと嫌だなあ、笑。
ミ:辞書を使えるとフィンランド語がこんなにおもしろいんだってことがわかると思います。
イ:辞書の使い方レッスンという講座があったらいいかもしれませんね。


フィンランド・グラスアート展へ行ってみませんか

次は自分の報告。現在、東京都庭園美術館で開催中の展覧会『フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン』の記事を公開しました。すこし時間がかかりましたが、会期の折り返し前に公開できてよかったです(庭園美術館では2023年9月3日まで)。

▶︎ フィンランド・デザインに宿るアートグラスの光

記事の内容は、アートグラスとは何か、デザイナーとガラス吹き職人の協働、カイ・フランクの作品、庭園美術館での展示について。これまで開催されてきたフィンランド関連の展覧会とは、ひと味違うものだと思います。

Moiでは8月5日に「フィンランド・グラスアート展と日本庭園の夕涼み」というオフ会を行います。庭園美術館で展覧会を観た後に、目白の庭園で夕涼みを楽しむ会です。まだまだ若干名募集中ですので、お気軽に声をかけてください。

ミ:どうしてカイ・フランクに注目したんですか?
ハ:カイ・フランクの(シンプルな)プロダクトデザインと今回出展されているアートグラスでの表現の幅がいちばん大きいと思ったからです。
ミ:記事には(コレクションのオーナーである)カッコネンさんの写真も載ってますし、笑。
ハ:はい、ぜひ読んでみてください。


トーベ・ヤンソンと『ミンネのかけら』

ふたつめは、岩間さんにお借りしていたトーベ・ヤンソンのDVDを観ました。トーベとパートナーのトゥーリッキ・ピエティラが、コニカの8mmカメラで撮り溜めたフィルムを三部作の映像にしたもの。ちなみにカメラは1971年の来日時に手に入れたものだそうです。

今回観たのは、夏の間にふたりが暮らしたクルーヴハル島での様子を撮った2作目の『ハル、孤独の島』、そして1972年から1993年までのヨーロッパ滞在を撮影した3作目の『トーベとトーティの欧州旅行』の2本。監督はリーッカ・タンネルとカネルヴァ・セーデルストロム。

ミ:作品の制作風景などは映っていましたか?
ハ:ほとんど普段の様子ですね。島でトーベが踊っている姿とかテントで寝泊まりしている場面とか。
イ:少女っぽくて、無防備なトーベの姿が映っていますよ。
ミ:展覧会などで上映されたりしている映像ですよね。
ハ:はい、そうです。

トーベが島暮らしをあきらめるところまで描いた2作目と病気のためトーベほとんど関われなかったという3作目。なんだか寂しい気持ちになっていたところで、冨原眞弓さんの『ミンネのかけら ムーミン谷へとつづく道』(岩波書店)という本を読みました。冨原さんが偶然出会った二人の作家、シモーヌ・ヴェイユとトーベ・ヤンソンとの関わりを中心に描いたエッセイです。

「ムーミンって、話もおもしろいんだけど、音読すると、なんだか心地よいのよ」と友人に聞いて、スウェーデン語を学び、トーベに翻訳したいと手紙まで書いた冨原さん。その後、トーベに実際に会ったのが1991年のこと、それは島暮らしの最後の年でした。そのことを知り、まだまだ元気だったんだと勝手にホッとしました。トーベとのエピソードもとても貴重だと思うので興味のある方はぜひ読んでみてください。

(「ミンネ」というのは、スウェーデン語で「記憶」のこと)


kielotie 夏のスープランチ

暑さがとにかく苦手な岩間さん ──「毎日暑すぎますよね、もう2ヶ月くらいずっと暑い。固形物なんて食べられませんよね」

ということで、舞台はふたたびkielotieへと戻ります。8月の週末にkielotieで提供されるスープランチの試食会へ招かれた岩間さんからの報告です。気温38℃近くあったという試食会当日、鮮やかな紫ピンク色のスープを口にしたとき「いま食べたいものはこれだ!」と思ったそうです。

そのリトアニアの冷たいスープに入っているのは、ビーツ、ネギ、きゅうり、ヨーグルト、ゆで卵、ディルなど。さっぱりさわやかな食感の食べるスープだそうです。夏バテで食欲がないときにもぴったりと岩間さん。リトアニアの夏も案外暑いのではないかとのことでした。

ミ:スープランチということで、お腹持ちが気になるところです。
イ:もちもちの自家製パンに、サイドメニューとしてソーセージなどがいただけるかも。試食会ではスイーツなんかがあってもいいですねと話していました。
ミ:ロシアにも同じようなスープがあるとコメントをいただいていますね。
イ:フィンランドに冷たいスープがあるのか調べてみたんですけれど、あるのはやはり海外から来たメニューでしたね。初めてフィンランドに行ったとき、アイスコーヒーも見なかった。
ミ:そうですね、笑。
イ:2度目に行ったときにやっと「Jääkahvi」というメニューを見ました。


── わかるようになるまで、まだまだ時間がかかるのでしょうか。そもそも時間ってなんでしょう。はじまりもおわりも見ることができないのにね。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。

text : harada

#122|When You Get To Know Me Better – Prefab Sprout