道の向こうでおばあさんが遅咲きの八重桜を見上げていました。いったいどんなことを思い出しているのでしょう ──
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Moi!フィンランドをもっと好きになる106回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。
カウリスマキを観よう!
最初の報告は自分から。カウリスマキを観よう!プロジェクト?第2弾、今回の作品は『カラマリ・ユニオン』です。フランクという名を持つ15人の男たちが街を出て、エイラという別天地を目指す物語。
不条理な映画という噂から難しい映画かと思っていたら、ツッコミどころ満載のドタバタが楽しい映画でした。配信ではあまりにも説明が下手すぎて、ミホコさんからもう少しちゃんと話してみてくださいと言われてしまいました、笑。こちらもnoteに書く予定ですので、どうぞお楽しみに。
ハ:岩間さん、助けてください、笑。
イ:すごく好きな映画なので初めて観る人の意見を聞きたいと思ってしばらく黙っていました。
ハ:どうしてカラマリユニオンなのかはわからないんですが、カラマリというのはイタリア語で「イカ」のことみたいです。
イ:以前、Eさんから聞いたところ、カルマル同盟*をもじっているのではと。
ミ:なるほど。
ハ:(カルマル同盟って???)
*フィンランド語でKalmarinunioni。1397年にデンマークノルウェー・スウェーデンが締結した同盟。
雪の女王のアイスショー
もうひとつ、駐日フィンランド大使館のツイートで知った「雪の女王」のアイスショーの動画を観ました。昨年末タンペレのアイスリンクで開催されたショーで、雪の女王役はフィンランドのフィギュアスケーター、ラウラ・レピスト(LauraLepistö)さん。そのほかアイスホッケー選手やダンサーなどが出演したそうです。
花や妖精や動物たちがリンクの上を滑りながら踊る様子は、まるでディズニー映画のようでした。アイスショーならではの演出を楽しみました。ただフィンランド語のナレーションに英語の字幕が出るのでちょっと混乱してしまいました(フィンランド語の響きにほんのちょっぴりだけ慣れてきたせいでしょうか!?(笑)。
ミ:雪の女王ということですが、アニメの方ですか?
ハ:いいえ、アンデルセンの物語の方です。
まんが世界昔ばなし
次は岩間さんの報告。「まんが世界昔ばなし」というテレビ番組(1976年)をご存知でしょうか?いまプライムビデオで250話ほどが公開されているそうです。「フィンランド」で検索してみた岩間さん、第178話『夏至の夜の話』という回を視聴しました。
「もちろん夏至祭のkokko(かがり火)はあるんですが、昭和の子どもたちには【祭り感】が伝わらないと思ったのか、移動遊園地みたいになっていて、ピエロがいたり、回転木馬があったり、笑」と岩間さん。
イ:夏至の日(ユハンヌス)に兄妹が天使に会う物語なんですが、ミホコさんわかりますか?
ミ:トペリウス?
イ:そうです、トペリウスです。
ミ:トペリウスは涙するような話が多いですけれど。実際の物語はわかりませんが、ほのぼのとうまくまとめていたように思います。
ミ:邪の心は抜けましたか?笑
イ:6割くらいは抜けました、笑。
リュイユが熱い
来週日曜日で会期終了となる「リュイユーフィンランドのデザイン:トゥオマス・ソパネン・コレク「ション」。あまりにもリュイユ、リュイユと騒いでいたので、岩間さんにもようやく伝わったようです、笑。
アルヴァ・アールトやリサ・ヨハンソン=パペといったデザイナーたちとリュイユとの関係など、岩間さんらしい視点でnoteに書いています。ぜひご覧ください。
▶︎ 塹壕の文化系|note
芸術家によるリュイユといえば、アクセリ・ガッレン=カッレラの青い炎が描かれた「Leikki」。アールトはどう感じていたのか知りたいです。ところで、青い炎いうのは赤よりも温度が高いですよね。そう、リュイユが熱いのです。まだ間に合います!
Tervetuloa!札幌へようこそ
最後の報告はミホコさんから。先日、日帰りで札幌に行った時に空港で出会った光景。
世界各国の言葉で「ウェルカム」という歓迎の言葉が書かれていたそうです。スウェーデン語やドイツ語はあるのにフィンランド語は・・・・ない。
ミ:北海道はフィンランドから行く方も多いはずなんですけれど。
イ:持ってたペンで書いてきたりしなかったの?笑。
ミ:いやいや、笑。スウェーデン語がもうひとつの母国語だからいいかと言い合ってきました。
多和田葉子『地球にちりばめられて』
フィンランドが登場する『地球にちりばめられて』(講談社)という小説を読んだミホコさん。フィンランドを象徴する「3つのS」について、本の中で多和田さんが紹介されていてうれしかったそうです。その3つとは、SAUNAとSIBELIUS、あとひとつはSUSI(ではなくSISU)。
小説は三部作で『星に仄めかされて』、『太陽諸島』と続くそう。多和田葉子さんの本は難解な印象があって読めていなかったのですが読んでみたいと思いました。
ミ:お寿司をフィンランド料理だと思っているひとが出てきたり。
イ:SUSIを食うにはSISUがいるって言いますものね。
ミ:え?どういうこと?
イ:ほら、狼(susi)だから。
ハ:わさびが入っているからSISUがいるのかと思いました。
ミ:カウリスマキの映画にも「Motto Wasabi」という曲ありましたね。
イ:クレイジーケンバンドの曲。
ミ:『過去のない男』ですね。
TACHIKAWA LOPPIS
配信内で予告していたTACHIKAWALOPPISへ行ってきました。その様子を写真でどうぞ。
── なにかを思い出す時、なにげなく空を見上げてしまいます。空に答えがあるように、空の上から誰かが応えてくれるように。ずっと一緒さ。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。
text|harada
#106|Stand By Me – John Lennon