金木犀のオレンジの花も散って、イチョウの木からはたくさんの銀杏が落ちる季節になりました ──
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Moi!フィンランドをもっと好きになる80回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。
- 秋の深まり〜日の出/日の入り
- 食の革命〜エア・プロテイン
- Juhla Festival 2022〜モリノオト
- マルヤ・ピリラ〜One Picture Manifesto
- 一柳慧〜日本・フィンランド新音楽協会
- シナモンロールの日アンケート
秋の深まり〜日の出/日の入り
2022年10月10日。フィンランドにまつわるトピック(それぞれの個人的な日常)をお届けするclubhouseの配信も80回目を迎えました。井戸端会議のようなものなので、とくに区切りというわけでもないですが、季節はもう秋です。
久しぶりにミホコさんから、フィンランドと日本の日の出/日の入りの比較を発表。
ヘルシンキ 7:43/18:32
ウツヨキ 7:56/18:02
日本(明石) 6:01/17:34
日照時間としてはまだそれほど差はありませんが、秋分の日を過ぎるとフィンランドでは夜の時間がずっと長くなっていく、とミホコさん。
食の革命〜エア・プロテイン
まず最初の報告はユカさん。NHK BS1『食の革命』というテレビ番組を見ていたらフィンランドが出てきたそうです。テーマは「10年後私たちは何を食べている?」という、未来の「食」について。
ドイツやデンマーク、イスラエルを取材したこのドキュメンタリー番組では、培養肉や牛乳、キヌアの品種改良などのスーパーフードが取り上げられました。その番組の後半に隠し玉のように登場したのが、フィンランドの空気からタンパク質を作るという技術。
▶︎ Solar Foods(ソーラーフーズ)|foodtech-japan.com
森のバクテリアに餌として空気と電気を与え、増殖させることによってタンパク質の粉末を作るそうです。
ユ:秘密の会社みたいですけど、wikipediaに所在地はヘルシンキって書いてありました。
イ:赤い帽子を被った小人たちが一所懸命作ってるのかもね、笑。
ハ:(上の記事によると工場はヴァンターにあるそうです)
Juhla Festival 2022〜モリノオト
先週の日曜日(10月2日)に飯能市のメッツァビレッジで開催された「Juhla Festival」。ユカさんは、そのライブ配信をYouTubeで観ました。
「音も映像も素晴らしくて、ステージの後ろからの映像ではその向こうに湖が見えて気持ちよさそうでした」とユカさん、「フィンランドから参加されたGEAさんの時には、陽が落ちて、ステージに電球のあかりや照明が灯り、きれいでした」。
ユ:原田さんも映ってましたよ、写真を撮ったりして。
ハ:あー、きっとウロウロしてましたよね、笑。
ユ:はい、してました、笑。
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ということで突然ですが、ここから「Juhla Festival 2022 モリノオト」の現地レポートをお届けします!
会場となるヒュッゲテラスの入り口には、表参道Hyvää Matkaa!が出店。フィンランド本場のレシピのシナモンロールやオリジナルグッズなどを販売されていました。少し急な階段を上がった丘の上に舞台があります。
ヒュッゲテラスから見える景色はまるでフィンランドのよう? 10月に入ったというのに蝉の声もして、天気も良く絶好のフェス日和です。開演の前には、お菓子やグッズ、音楽CDやレコードなどの販売ブースも賑わっていました。
また会場では、WAFINのおふたりやMaijan PullatのMaijaさんとお会いできました。ちなみに、WAFINのフィンランドデザインの和ろうそくはメッツァビレッジ内にある「TRE」というお店でも取り扱いがあります。
ここからは、出演された音楽家たちをご紹介します。
まず最初の出演者は、酒井絵美さん(ハーディングフェーレ)と梅田千晶さん(アイリッシュハープ)。ノルウェーやスウェーデン、そしてフィンランドの楽曲を演奏されていました。酒井さんのハーディングフェーレというのはノルウェーのフィドル。古楽器のようなザラッした趣のある音色でした。木漏れ日が落ちてきて、モンシロチョウが舞うような自然の中でとてもいい雰囲気です。
次に登場したのが 5años(シンコアーニョス)。ベネズエラ音楽のバンドです。クアトロという4弦の楽器(ウクレレの原型らしいです)を中心に、インストゥルメンタルからヴォーカル入りの曲まで。伸びやかな演奏と歌声が気持ちよかったです。最初に演奏した酒井さんもフィドルで参加。
陽の傾く頃に登場したのが、浅葉裕文カルテット。ギター、ヴィブラフォン、ウッドベース、ドラムという編成でジャズのスタンダードを。会場には子どもたちもたくさんいたのですが、近くにいたちいさな女の子が「星に願いを|When You Wish Upon A Star」の演奏中に、空に向けて手を振っている姿が印象的でした。
最後は、フィンランドのアーティストGEA。すっかり陽の落ちたステージには、前々回のclubhouseでユカさんが話していたように、トナカイのツノをつけて登場! ゴシック調のインダストリアルなバックトラックに、GEAさんのファルセットが響きます。幻想的な舞台の向こうでは、リリリ、と虫たちの声も聞こえ、木々の隙間から月も見えました。
以上、駆け足ではありましたが、「Juhla Festival 2022 モリノオト」のレポートでした。アットホームでのんびりとした感じがとてもよく、森の中というシチュエーションも素晴らしかったと思います。また次回の開催にも期待したいです。
イ:10月22日には、千駄木の養源寺で「テラノオト」が開催されますよ。今度はピアノを中心としたラインナップです。
ミ:本堂にピアノを置くのでしょうか。お堂の中は響くので気持ちいいでしょうね。
イ:境内では、入場無料でマルシェも同時に開催されるそうなので、ぜひ。
▶︎ JUHLA FESTIVAL 2022 モリトテラノオト|eplus.jp
マルヤ・ピリラ〜One Picture Manifesto
そしてもうひとつ自分から。フィンランドセンター主催のトークイベント「アーティストトーク:マルヤ・ピリラとマイヤ・アニッキ・サヴォライネン」にオンラインで参加しました。
▶︎ One Picture Manifesto|kanakawanishi.com
今月15日まで開催中の写真展『One Picuture Manifesto』に関連するイベントで、2名の写真家がこれまでのご自身の作品などをスライドを使って紹介してくれました。その中にどこかで見たことのある写真が。
それは、2021年に渋谷公園通りギャラリーで開催された『インナーランドスケープス、トーキョー』で観た写真。clubhouseでも以前ご紹介したことがありました。Satoko Sai + Tomoko Kuraharaとマルヤ・ピリラさんでトゥルクでも行われた展覧会の東京版です。
ミ:『One Picture Manifesto』というコンセプトも面白い展示ですよね。トークイベントで印象に残ったのは?
ハ:マルヤ・ピリラさんですね。以前からご自身でピンホールカメラを作って、撮影されていたそうです。
ユ:へえ、作れるんですね!
ハ:ピンホールカメラの技術を使って、部屋の中に外の景色を投影して、それを写真に撮っているんです。
会期が終わるまでに観に行けたらと思っています。
一柳慧〜日本・フィンランド新音楽協会
次の報告は岩間さん。つい先日7日に亡くなられた現代音楽の作曲家、一柳慧(いちやなぎとし)さんの話。「一柳さんは、フィンランドともゆかりがあって、【日本・フィンランド新音楽協会】の理事長も務めていました。ミホコさんはご存知だと思うのですが、当時の文化担当参事官をしていたチェリストのセッポ・キマネンさんと一緒に創立した協会です」
「あともうひとつ、フィンランドとの関わりでいうと、髪型が ── と似てる」(聞き逃しました、笑。カウリスマキの映画によく出演していたマッティ・ペロンパー?)
追記)髪型が似ているというのは、ヘルシンキ中央駅の四人の石像(灯りを持っている人たち)でしたよ、とミホコさんから教えてもらいました。確かに似ています!
シナモンロールの日アンケート
最後は、ミホコさんからみなさんにアンケート。
① 10月4日の「シナモンロールの日」にシナモンロールを食べた方?
── 6名。
② シナモンロールを食べるとフィンランドを感じるという方?
── 12名。
(当日の4日には食べませんでしたが、Juhla FestivalでHyvää Matkaa!のシナモンロールとMaijaさんのシナモンロールをいただきました!)
ミ:ところでどうして「シナモンロールの日」は10月4日なんですかね? 10も、4もシナモンロールと関係ないのに。
イ:肉の日とか、いい夫婦の日とか、数字の語呂合わせじゃないです、笑。元々はスウェーデンでできた日ですね。
── そろそろ紅葉の季節ですね。イベントや旅行なども楽しめるようになってくるでしょうか。どうぞみなさんも体調に気をつけてお過ごしください。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。
text : harada
#80|Autumn Light – Ron Sexsmith