70年代に登場して以来、世界中の子どもたちから愛され続けてきたチェコのアニメ「アマールカ」。
3/18[火]から3/31[月]まで、その「アマールカ」にちなんだイベント『アマールカ・スプリング・フェスタ』が吉祥寺・三鷹エリアで開催されます。期間中、上映会やワークショップなどアマールカにちなんだイベントが多々開催されますが、moiもコラボメニューというかたちで参加させていただきます。
メニューは、
アマールカのおやつセット 1,100円(税込)
(キャラメルミルク + WILLcafe特製カップケーキ1個)
黄色い髪に青い花の冠をかぶったアマールカの姿をイメージして、レモン風味のアイシングに青いお花をあしらったクランベリー&柑橘の特製カップケーキを谷保のWILL cafeさんにつくっていただきました。ドリンクは、あたたかいミルクにキャラメルシロップを添えてお出ししますのでお好みでお楽しみください。
数量が少なくなっておりますのでお早めのご来店をお願い致します。売り切れの際にはご容赦ください。
ご来店お待ちしております。
落語家という仕事が、寄席という場所が、新宿末廣亭のネタ帳(=寄席の「セトリ」)7年分を紐解くことで見えてくる。
毎日20人を超える芸人が登場する寄席。よって、ひとりあたりの持ち時間はせいぜい15分といったところ。その短い出番に、誰がどんなネタを掛けたのかを淡々と書き留めたものが寄席の「ネタ帳」である。
「我々の商売は、15分座って独り言を喋ったらそれで業務終了」とは瀧川鯉昇師のマクラだが、そのわずか15分の出番のために、落語家は「ネタ帳」でその日すでにどんなネタが掛かっているのかを確認し、噺が重複しないよう、全体の流れを損なわないよう配慮した上でみずからの高座に挑む。つまり、それなくしては寄席という場じたいが成立しないくらい重要な、いわば《羅針盤》、それが寄席にとっての「ネタ帳」なのだ。
寄席はまた、落語家にとって大切な修練の場でもある。長い噺をエッセンスはそのままに寄席で演じられるサイズにまで刈り込む創意工夫、演じなれたネタにさらなる磨きをかけるための試行錯誤、それらは寄席という《ホーム》なくしてはなしえないと、インタビューに答える噺家たちは異口同音に語る。なかには、そうした日々の鍛錬の積み重ねから、寄席専用の「勝負」ネタを編み出した落語家も。
寄席を出るとき、思わず「あぁ、楽しかった」と口に出るのは、芸人ひとりひとりのネタよりも、むしろ全体の流れ(グルーヴ)が気持ちよかった日であることを、この本を読みながらあらためて思い出した。
読み終えた瞬間、眼前に大きな虹が架かったかのような気分になった。
昭和20年の中国、昭和36年の東京、そして「3.11」を経た現在の東京……
3つの時代が1羽の「伝書鳩」の活躍によってつながれるとき、そこに壮大な物語が完結する。
それにしても、なぜ「伝書鳩」なのだろう?
氾濫する情報や真実の意図的な歪曲や隠蔽によって、しばしば進むべき方向を見失いがちなぼくら現代に生きる人間がいまもっとも必要としている「力」、それを、あるいは彼ら「伝書鳩」が持ち備えているからだろうか。そしてその「力」とは、選び抜かれた言葉によって綴られた「真実」を、その直感と帰巣本能によって迷うことなく必要とする者の手にまっすぐ届ける力なのではないか。
過去に発表された2冊を読むかぎり、この作家はけっして声高に自身の主張を叫び読者に押し付けるようなひとではないが、そんな作者が「クロノス」という名をもつ伝書鳩に託したメッセージを、そしてしばしば彼を奮い立たせることになる「脚環」が放つ「光」の意味を、いま「3.11」以後の日本を生きるひとりの人間としてあらためて噛み締めてみたいと思う。
20周年を迎えた鎌倉のカフェ、「カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ」のマスター堀内さんの本である。
お店にとっていちばん大切なことは「続けること」である。いっとき脚光を浴びたとしても、一年や二年で消えてしまったとしたら、その店にはなんの価値もない、とぼくは思っている。続かない店は「店」ではなく、たんなる「イベント」に過ぎないからである。
お店をやっている人間はみな、ただただ明日もお店を無事開けられることだけを願い心を砕いて毎日を過ごしている。たとえばぼくのお店はようやく12年になろうというところだが、さて8年後となると、はたして続けられているかどうか正直なところよくわからない(もちろん続けられるものなら続けたいが)。それだけに、20年にわたりお店を続けてきた堀内さんに対しては、同業の端くれとしていつも尊敬の念でいっぱいである。
この本を読んだひとはきっと、「カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ」というお店が今日もここにあることの「すごさ」を理解するにちがいない。堀内さんが人知れず注いできた並々ならぬ努力と情熱、それに試行錯誤の繰り返しの「賜物」こそがディモンシュというお店なのである。
そして、「顔が見えるお客さんの笑顔のために続けてゆく」という、20年の歳月の中で堀内さんがたどり着いた「答え」こそはすべてのカフェオーナーの「思い」でもあるだろう。お店を「続けること」の中心は、お店に来てくださるお客様にほかならないのだから。