ある夜、突然いっせいに空から星が消える。そのとき地球は、何者かによってすっぽり皮膜のようなものに覆われてしまったのだ。同時に、地球上の時間だけが一億分の一になってしまっていた…。
いったい誰が?何のために?という疑問は最後の最後まで明かされない。わけのわからない状況に直面したとき、ひとは「科学的に理解するか、それとも宗教的に認識するかの二者択一を迫られる」。前者がここではジェイソンであり、後者がサイモンである。その仕方は正反対だが、ふたりはこの《スピン》と呼ばれる不可解な現象を自分なりに理解しようと努める点ではコインの表と裏のような存在といえるだろう。
《火星移住計画》《仮定体》といったキーワードは登場するけれど、この小説の背骨にあたるのはやはり人間を描くこと、ゆるぎない存在と信じていた地球がもはやグズグズと崩壊してゆく頼りない足場に過ぎないと知ったとき、ひとはなにを考え、どう行動するか、という人間のドラマを描くことにあるようだ。
いわゆるSFを読んだのは2冊めだが、人間のありようがしっかり描かれていること、訳文がこなれていて読みやすかったこと、そのふたつのおかげで最後まで一息に読み進むことができた。
追記
ただし…
ぼくの理解力不足だとは思うが、皮膜の外側に移住した地球の人間がなぜ「外側の時間」の制約を受けないのか?最後までなんとなく腑に落ちないままだった。
ちゃんと読んだSFはこれで3冊め。SFの世界では〝古典的名作〟とのこと。
ある日とつぜん巨大な円盤が上空に現れ、静止したまま地球を制圧する。やがて人類はそれに「オーバーロード(最高君主)」という呼び名をあたえ、畏怖するようになる。たとえば、子供にとっての親もそうだが、ガミガミ怒鳴られているほうがまだ気安く、対処のしようもある。恐ろしいのはむしろ、ただじっと黙って見守られているほうである。「オーバーロード」とはその意味で、人類にとっての「親」であり「庇護者」なのである。
〝好奇心〟からなんとか「オーバーロード」の実体に迫ろうとする人間の姿をえがいた第1部、第2部(ちなみに、第1部に登場する国連事務総長はフィンランド人!)。
さらに、ちょっと想像を超えたかたちで〝進化〟のありようが描かれる第3部。フィクションとはいえ、進化論にかんするまったくべつの異なる視点からの仮説(?)という意味で、著者の構想力に度肝を抜かれた。
11/30[土]より12/23(祝)まで、moiではノルウェーの絵本から飛び出した人気キャラクター「キュッパ」とのコラボカフェを期間限定で開催します。
先日テレビ番組『世界ふしぎ発見』であの「スーパーヒトシ君」とも夢の競演(?)を果たし人気沸騰中の「キュッパ」ですが、期間中は新商品をふくむ入手可能なキャラクターグッズのほぼすべてをお求めいただけます。新商品「キャンドルホルダー」はクリスマスプレゼントに最適!その他、クリアファイル、ハンカチ、ポストカードなど多数。
また、期間中カフェでは次のような限定メニューもご用意しておりますので、ぜひお召し上がり下さい。
◎ キュッパのキャラメルケーキ 500円(ドリンクと一緒にご注文ください)
優しいキャラメル風味は谷保「WILL cafe」特製。イベント期間限定の特別仕様です。
◎ キュッパのチキンサンド 800円
ササミと玉ねぎを使ったヴィオレマスタードのまろやかな甘みが特徴のサンドイッチ。
*週末&数量限定につき売り切れの際はご容赦ください。
みなさまのご来店をキュッパともどもお待ちしております!!