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G.K.チェスタトン『ブラウン神父の童心』
2013.3.4|review

なじみのない人種(カトリックの神父さん)が主人公ということでなんとなく敬遠していたのだが、読んでビックリ問答無用のおもしろさ。

ぜんぶで5冊、51編あるという「ブラウン神父」シリーズのうち、この『ブラウン神父の童心』はその第一作である。

最初に収められた「青い十字架」では、その後「相棒」のようにたびたび登場する「フランボウ」との馴れ初めが語れる。読者の予想をいきなり裏切るかのような思いがけない結末を迎える「秘密の庭」、密室の中で、聞こえてくる足音だけをたよりに見事犯人をつきとめる「奇妙な足音」と前半3つのエピソードだけでも十分楽しめる。変わったところでは、プロファイリング的手法で歴史上の「英雄」の意外な素顔を暴き出す「折れた剣」なども面白い。

古風な文体やさまざまな宗派を揶揄したような人格描写など分かりづらい部分、ピンとこない部分も多々あるものの、イングランドの牧歌的風景の中で繰り広げられる推理譚は昼下がりや夜更けの読書にまさにうってつけ。主人公の「ブラウン神父」は、いかにも鈍重な印象の人物が事件に直面するやいなや冴えた推理力を発揮するという典型的なタイプの探偵だが、どこか人を食ったようなとぼけたキャラクターがたまらない。個人的には戸板康二の「中村雅楽」同様、長くつきあいたい人物である。

フーさんから日本の子どもたちへプロジェクト第2弾開催!!
2013.3.6|event

昨年に続き、今年も「フーさんから日本の子どもたちへ」プロジェクトを開催します。

これは、フィンランドにゆかりのある品物(中古品)をお客様に買っていただき、その売上から諸経費を除いたものを「あしなが東日本大地震・津波被害遺児募金」に寄付、震災によって被害を受けた子どもたちのために使っていただこうという趣旨のイベントです。

今年も主宰者・上山美保子さんのご尽力の結果、たくさんの雑貨、CD、雑誌などフィンランド好きにとって垂涎モノの品物がmoiに集まっております(趣旨に賛同いただき品物をご提供いただいた皆様、この場を借りて御礼申し上げます)。できるだけたくさん売り切って寄付金を多くすることが目的ゆえ、価格もビックリするくらいお値打ちとなっております。特に書籍、雑誌関係は日本では入手困難なもの、すでに絶版となっているものも少なくありませんのでぜひこの機会にお求めいただければと思います。

また、同時に写真洗浄ボランティア「あらいぐま作戦」でもお世話になった「りす会」の佐藤咲子さんによる写真展示、ポストカード販売、写真絵本「空のカーテン」の販売も行います。これは、咲子さんがフィンランドの北極圏で体験した「極夜」という現象をリスの視点で表現した作品となっており、フィンランドの冬の荘厳な「光」と可憐なリスたちの姿を楽しむことができます。今回は咲子さんの御厚意により、こちらの売上の一部も「フーさんから日本の子どもたちへ」プロジェクトに寄付していただけることになりました。あわせてぜひお求めいただければと思います。

なお、ひとつお願いですが、募金にあたって梱包材の経費を極力抑えたく思いますので、ぜひご来店の折にはエコバッグをご持参くださいますようお願い致します。


日程は下記の通りです

会期 3月7日[木]〜3月20日(祝)
営業時間 正午〜20時 13日[水]のみ13時〜16時
場所 moi[カフェモイ]吉祥寺

みなさまのご来店、ご協力をお待ちしております!

出品される品物について(販売CDリスト)、「フーさんから日本の子どもたちへプロジェクト」趣旨、最新情報などにつきましては、ぜひ主宰者・上山美保子さんのブログ「北極星を真上に見上げて」をご覧いただけますようお願い致します。

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