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2010.2

aalto coffee店主によるコーヒーの淹れかた教室
2010.3.2|event

こんにちは。

モイでいつもお飲みいただいているコーヒーといえば、徳島「アアルトコーヒー」の店主、庄野雄治さんがていねいに焙煎したブレンドコーヒー。

そんな庄野さんが東京にやってくる、というわけで、モイで

『コーヒーの淹れかた教室』

をやっていただくこととなりました。日々のコーヒーをより美味しくするための「ちょっとしたコツ」を、庄野さんみずから伝授して下さいます。なかなかない機会ですので、ぜひお時間がありましたらご参加下さい。

 日 時:2010年3月15日[月]19時30分~21時
 会 場:moi(吉祥寺)
 参加費:3,000円(おみやげにコーヒー豆がつきます)
 定 員:10名
 資 格:コーヒー好きならどなたでも。ビギナー大歓迎です。

なお、ご自宅で美味しいコーヒーを淹れることが目的ですので、ふだんご自宅で使われているドリッパー、ドリップポット(あれば)、サーバー、ペーパーフィルターをご持参下さい。

お話し会@TIMBER YARDの巻
2010.3.3|event

報告が遅くなってしまいましたが、先週の土曜日、千葉のインテリアショップ「TIMBER YARD」さんまで出張してまいりました。恒例の「Scandinavia vol.5」にあたって開催されたトークイベントでお話しをするためです。

当日はそぼ降る雨の中、焼きたてのシナモンロールを手に吉祥寺を出発。途中、建設中の「東京スカイツリー」など眺めつつひたすら東へ、東へ。1時間半ほどかけて「TIMBER YARD」さんに到着、コーヒーを淹れながらお客様をお待ちします。今回のイベントでは、事前にご予約くださった10名ほどのお客様を相手に

「ヘルシンキカフェめぐり~フィンランドのコーヒー、そしてカフェ」

というテーマで約1時間ほどお話しをさせていただきました。内容は、「ヘルシンキカフェめぐり」をテーマに20軒ほどのカフェをカテゴリー別にご紹介してゆく前半と、3つのキーワード「日本茶」「うつわ」「エスプレッソ」を手がかりに「フィンランドの人々にとってコーヒーとは?」「フィンランドの人々にとってカフェとは?」を探ってゆく二部構成。そしてその先にぼんやり見える《答え》こそは、なにをかくそう10年くらい前ぼくが「カフェ」をつくろうと思ったまさに「理由」そのものでもあるのですが……。

そんなわけでかなり個人的な思い入れたっぷりの話でもありましたし、相変わらず思いどおりにしゃべれない箇所があったり、準備してきたにもかかわらずうっかり言い忘れてしまったギャグがあったりと(笑)残念な部分も多々ありましたが、参加してくださったみなさんがとても熱心に耳を傾けてくださったおかげて楽しいひとときを過ごすことができました。この場を借りて御礼申し上げます。

そして「TIMBER YARD」さん。電車で行くにはちょっと不便な場所にあるとはいえ、一本筋の通った商品構成と(マニュアル的ではない)ていねいな 接客で近隣に暮らすひとたちからとても愛されているお店です。なんでも気軽にネットで手に入れることのできる時代ですが、いつもここを訪れるたびお店とお客様とのしあわせな絆を体感できとても清々しい気分になります。機会がありましたら、ぜひ足を運んでみて下さい。

また、いつかチャンスがありましたら、こんな話をしにどこかの街を訪ねてみたいと思っています。

正直怖かった。
2010.3.4|nature

長い海岸線をもつ地震大国で起こった先日のチリの大地震は、おなじく地震大国である日本に暮らすぼくらにとっても、そのときいったいなにが起きるのか?(津波や略奪といったことも含めて)ということを想像する上で貴重な「教訓」だったのではないか。海岸線を襲った津波だけでなく、埋め立て地に高層マンションが林立する都心では液状化にともなう建物へのダメージが懸念されるし、そもそも人口の過密という点ではチリの比ではないここ東京では、ライフラインの壊滅にともなうひとびとのフラストレーションの爆発はとてもじゃないが略奪くらいでは済まされないだろう。

とはいえ、Yahoo!のニュース記事でこの地震の第一報に触れたとき、ぼくが気になって仕方なかったのはニュースが伝える地震の深刻な被害状況であるよりもむしろ、記事につけられたこんな見出し

「正直怖かった」

であった。記事によれば、これは地震に遭遇した在チリ日本大使館の職員のことばである。日ごろから間違った日本語を連発しているこのぼくでさえ、このことばの使い方には思わずツッコミをいれずにはいられない。

そもそも、ぼくの理解がまちがっていなければの話だが、ここでいう「正直」という表現は

本当のところは

とか、

後々になって考えたら

といったニュアンスで使われるべきものなんじゃないだろうか? それはたとえばこんなときだろう。風の強い日、ノリで東京タワーのてっぺんまで階段で登ってしまったのだが、

正直怖かった。

あるいは、こんなふうに使われるべきはずである。彼女と部屋でテレビを観ていたら、ガサガサっという音がしてタンスの陰からサソリが現れた。彼女の手前逃げることもできず、なんとかスリッパではたいてやっつけはしたものの

正直怖かった。

これは相当な事態である。しかしここで動揺したら女は「引く」ということを男は知っている。DNAにそう刷り込まれているのだ。なので、そういうときほど何食わぬ顔で対応しがちである。「ああ、サソリね。割とよくいるよね。小学校のときよく友だちの上履きに入れたりしなかった?」などとどうでもいいことをつぶやいたりするものである。そして平然と対応してみせるのだが、後々になって思うのだ。

あんな恐ろしい思いをしたのは初めてだ

と。仮に、先の職員が当時こんな状況であったならこの発言も理解できないものではない。

とにかくもう眠くて眠くて仕方なかったので、激しく揺れているのはわかっていたが意地になって一歩もベッドから出なかった。でも、

正直怖かった。

その「意地」をもっとなにか有効に活用できればと思わずにはいられないが、M8.8の大地震に遭遇してそんなにのんきな行動をとれる人間がそういるとも思えない。誰がどう考えたって「怖かった」にきまっている。なので、この職員の場合、ほんとうは次のように言うのが正しかったろう。

マジ怖かった

あるいは、

ハンパなく怖かった

いや、まったくといっていいほど正しい気はしないのだが・・・。

ルーネベリのジャンボタルト
2010.3.5|finland

ルーネベリのタルトといえば、フィンランドの国歌を作詞したことでも知られる詩人ルーネベリの誕生日である2月5日に彼を偲んで食べられるフィンランドのお菓子。砕いたジンジャークッキーを混ぜ込んだ生地をこんがり焼き上げ、さらにリンゴジュースをベースにつくられたシロップがしみこませてあります。てっぺんには目玉のように、アイシングで縁どられた甘酸っぱいラズベリージャムが……。

じつは、先月の5日にスタッフがこのルーネベリのタルトをつくってきてくれたのですがそれがとても美味しく、思わず「これのデカいのが食べてみたい」と中学生のような感想を洩らしたところ、一ヶ月後の3月5日(つまり昨日ですが)、今週誕生日を迎えたぼくとべつのスタッフの合同バースデーケーキということで巨大ルーネベリタルトを焼いてきてくれました。それにしても、つい口にしたら本当につくってきてくれるとは! 不思議なポッケをもつ「スイ~ツドラえもん」なのか???

いやぁ、しかし、デカっ! 本来はマフィンくらいのサイズなのでそれを思えばかなりの、思わずジェニー(仮名)も見上げるほどの大きさです。

無題
2010.3.11|music

ツイッターで「moi」をフォローしてくださっているみなさんには、先日そのみなさんのタイムラインを汚してしまったことを謝らなきゃならないかもしれない。火曜日の夜、DOMMUNEのUSTREAMでライブ中継されたDJ「L?K?O」のパフォーマンスのあまりのすばらしさに、ついついはしゃいでしまったのだ。

とはいえ、ぼくはこのL?K?OというDJについてなにか知っているかというと、どこかのフライヤーでたびたびその名前を目にしていたくらいで、正直なところなにひとつとして知らないのだった。じゃあなんで聴いたのサ、と言われれば、それはぼくがフォローしている@easygo33さんが「と思ったら、こっちも凄い!」とつぶやいていたからにほかならない。この@easygo33さん、プロフィールからは現在なにをなさっているのか判らないのだが、じつはぼくが十代のころ愛読していた某音楽誌でライターをなさっていた方で、この方が書いたレビューを読んで手に入れたレコード(CDじゃなくって、ね)もたくさん、ある。なので、いま彼がどんな音楽を「すごい!」と思うのか、そんな好奇心からクリックしたのだが、結果は21時すぎからラストの0時まで3時間近くPCの前で釘付けになってしまった…… 。

それにしても、この夜のL?K?Oのパフォーマンスときたら、音楽をカテゴライズして聴くことを嘲笑うかのような自由奔放さでぼくらをガンガン揺さぶってくる。その揺さぶりかたがもうハンパじゃないのだ。

ぼくが聴き始めたときにはラヴァーズロックのようなやや甘めの選曲だったのだが、気づけばアラビア語? のダンスミュージックとなり、かと思えばいきなりメタリカ(笑)がかかるといった具合。その後インドの歌謡曲風が続いたと思えば、なにを思ったかいきなり山城新伍の「鞍馬天狗」である。どうなっているんだ、まったく! そうしてさらに日本語のレゲエなども交えつつ、ふたたびスイートな歌モノで締め括る。一見支離滅裂にも映る、というかじっさい支離滅裂なのだけれど、そんなジャンルを超えた音楽が、でも、抜群のテクニックに裏打ちされた「つなぎ」によってまったくそんなふうに感じさせないのは見事としか言いようがない。だって、ふつーメタリカじゃ踊れないでしょ!? そんなわけで3時間以上も飽きることなく、まるで万華鏡のように次から次に姿を変える音の渦に翻弄されっぱなしだったのである。

けれども、もうひとつ感激したのはこのライブパフォーマンスを実現可能にしたUSTREAMという動画共有サービスだ。USTREAMではブラウザの左側にライブ映像が流れ、右側にはその映像に寄せられたコメントがツイッターの形式でリアルタイムに表示される。もし動画を見るというだけであれば、生放送のYouTubeやニコニコ動画といった感じに過ぎないのだが、このUSTREAM最大の魅力はこちらのコメントがリアルタイムに流れ、それを映像の流し手もチェックすることができるという「双方向性」にこそがあるといえるだろう。今回のL?K?Oのパフォーマンスでは、ぼくが見始めたときにはまだ1,000人ほどだった視聴者数が、ライブに感動したひとたちが自分のツイッターをつかってどんどん告知してゆくことで、最終的には4,500人以上にまで膨れ上がっていた。「おっ、なんか面白そうなことやってるぞ」と言ってどんどんひとが広場に集まってくる、そんなイメージである。しかも世界中にいるひとびとが、自宅なり職場なりに居ながらにして、である。

たぶん、この日ライブを観ていたのはクラブにしょっちゅう足を運んでいるようなひとたちばかりではなかったはずだ。時間がなくて、あるいは地方に暮らしていて行きたくても行けないひともいれば、音楽は好きだけれどもクラブに行くのはちょっと…… というひともいたことだろう。どんどん流れてゆくコメントをみて知ったのだが、中学生や高校生もいたし、とりあえず好奇心からクリックしたというひともいたにちがいない。そんな世代も趣味もちがう4,500人あまりのひとたちが、ひとつの「音楽」を共有していることのスゴさ。そして、観ている者たちが口々に感想を述べあい、それを確認しあうことでいままさに同じひとつの音楽を共有していることを体感し、そのとき「視聴者」は「参加者」へと変わる。「点」でしかなかったひとりひとりの「視聴者」たちが、「参加者たち」として面的な拡がりを手にするのである。

折しも、このパフォーマンスを視聴していたいとうせいこう氏は思わずこんなふうにつぶやいている。

── これはもう空間とか超越したフェス

まさに言い得て妙。ほかにも、コメントでは「サマー・オブ・ラブ」について触れる者、「10年代の幕開け」と述べる者もいて、「音楽」を介したなにか新しいムーブメントの胎動を口にする者たちが大勢いたのだった。すくなくとも、こう述べることはけっして間違っていないはずだ。

これはたんなる「ライブ」じゃない、「フェス」なのだ。

Ulla-Maija Pitkanen "The Tiny Rooms With Invisible Doors"
2010.3.17|event

本日より来月12日[月]まで、店内のカウンタースペースにてフィンランドの作家ウッラ=マイヤ・ピトカネンによる展示「みえない扉をもつちいさな部屋」を開催します。

ウッラ=マイヤは1981年にフィンランドのケラヴァで生まれたテキスタイル作家で、現在はヘルシンキを拠点に活動しています。ウッラ=マイヤとの出会いは、昨年フィンランドを旅したときに訪れたヘルシンキのギャラリーででした。今回は、その「出会い」から生まれたオリジナルのインスタレーション作品の展示となります。

『The Tiny Rooms With Invisible Doors』

これが今回の展示のタイトルです。タイトルどおり、作品は布でつくられた8個のちいさな箱(=部屋)から構成されていて、それぞれには詩の断片がしるされたちいさな本、そしてそこからイメージされた刺繍があしらわれています。ウッラ=マイヤから作品とともに届けられた「詩」を、参考までここに掲載しておきたいと思います。拙い和訳でかえって原詩のもつイメージのふくらみを損なってしまっては仕方ないので、あえてここでは英語の原文のママ掲載します。

──
there were rooms,books,and somebody's dreams.

going through the whitest landscape.
carrying some behind left thoughts in mind.

passing deer in the field.
returning to the rooms where the trees smell.

the rooms which doors were invisible.
──

さすがは生まれながらの森ガール!? 幻想的な森の光景と「部屋」のメタファーとがソフトフォーカスで重ね合わされてゆくようです・・・ ご来店の折にはぜひご覧いただけましたら幸いです。なお、作品はすべて販売もしておりますのでご希望の方はお気軽にスタッフまでお申し付け下さい。

モイ桜
2010.3.25|column

このあいだ、あの真夜中に吹き荒れた春の嵐のあくる朝、出勤の途中自宅の近所で桜の小枝を拾った。まだつぼみをたくさんつけたまま、それは無惨にも濡れたアスファルトの上に打ち捨てられていたのだった。あと3日、いや2日も遅ければきっと可憐な花をたくさんつけて道ゆくひとの目を楽しませたことだろうに……。

あっと気づいた瞬間、ぼくは思わずそれを手にしていた。すぐ水に挿しておけば、きっとまだ咲いてくれるにちがいない、そう思ったのだ。電車にのって店に着いて、手頃な花瓶がなかったので自宅から持ってきてもらったロイヤルコペンハーゲンの「ベベカップ」にそれを挿した。

翌朝、つぼみはふっくらと大きくなっていた。営業中は忙しく目をやる余裕がなかったのだが、その日の夜お店の後片付けをしながらふと見ると、なんと3つほどの花が開いているではないか!

連れてきてよかった。

いのちは、たとえそれがどんなにちいさくても、生きることへ生きることへと収斂するのだ。その「強さ」に教えられること、多いな。中学生のころから「花粉症」に悩むぼくとしては、世間の喧噪とは裏腹に「お花見」なんていつしたのやら思い出すことさえできないのだが、こんな身近なところで桜の花を楽しむことができるなんて、「春の嵐」からの思いがけない贈り物といった感じである。せっかくなので、いましばらく楽しませてもらうことにしよう。

Niklas Winter & Jukka Eskola from フィンランド meet 新澤健一郎 Trio 2010
2010.3.31|music

フィンランドのジャズの、あの青白い光を放つような響きはいったいなんなのだろう? おととしの暮れ、ニクラス・ウィンターとユッカ・エスコラ(The Five Corners Quintet)というふたりのフィンランド人ミュージシャンを迎えておこなわれた新澤健一郎トリオのライブに接したとき、ぼくはたしかそんなことを考えていたのだった。

ジャズには全然くわしくはないけれど、その「感覚」は知っている。フィンランドの「空気」だ。湿度のないキリッとしたあの空気、すべての事物の輪郭をくっきりと表出させる、あの明晰な空気である。彼らの演奏を聴いたとき、そんな北の空気、もっといえば北の夜の空気を思い出してぼくはわくわくしたのだ。

音楽の説明としてはあまりにも舌足らずなのを承知の上で、あえてぼくは彼らが奏でるジャズのむこうにフィンランドを感じに出かけようと思っている。こんな聴き方も許してくれるような懐の深さが、彼らの演奏にはあると思うから。

ぜひ、いっしょに北欧の夜の気配を感じてみませんか?

くわしくは、以下をご覧ください(コピペですいません)。ちなみにぼくは、4/6のJZ Bratにお邪魔する予定。

──

◎ Niklas Winter & Jukka Eskola from フィンランド meet 新澤健一郎 Trio 2010

北欧ジャズの”現”体験へ。
森と湖の国フィンランドの実力派ギタリスト、ニクラス・ウインターと
「The Five Corners Quintet」で名高いユッカ・エスコラ(tp)。
大好評を博した新澤健一郎トリオとのコラボレーション再び!

公式サイト:http://www.finnishmusic.jp/niklaswinter/

Niklas Winter(g),
Jukka Eskola(tp,flh)
新澤健一郎(p)
鳥越啓介(b)
大槻KALTA英宣(ds)

4/3[土] 横浜JazzSpot DOLPHY
開場 午後6:30 開演 午後7:30
前売¥3500/当日¥3800
予約・問:045-261-4542
横浜市中区宮川町2-17-4 第一西村ビル2F
http://www.dolphy-jazzspot.com/

4/4[日] 本厚木Cabin
開場 午後6:00 開演 午後7:00
チャージ¥3500
予約・問:046-221-0785
神奈川県厚木市中町2-7-23ふじビル5F
小田急線「本厚木」駅北口 徒歩3分
http://cabin.sgr.bz/

4/6[火] 渋谷JZ Brat
開場 午後5:30 開演 午後7:30(1st),9:00(2nd) 入替無し
予約¥4200/当日¥4500+オーダー
予約・問:03-5728-0168
http://www.jzbrat.com/

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