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エヴァ・アルクラ Live
2007.5.2|music

フィンランドのカンテレ奏者エヴァ・アルクラ(Eva Alkula)さんのソロ・ライブが今月24日[木]、青山のLAPIN ET HALOT(ラパン・エ・アロ)で開催されるそうです。

シベリウス音楽院に学び、2003年の国際カンテレコンクールのソロ部門で優勝した経験をもつアルクラさんは、いまもっとも注目すべきカンテレ奏者のひとりといえそうです。日本で「琴」を学んだり、39弦のエレクトリック・カンテレ(エレキギターならぬエレキカンテレ?)も演奏するなど新しいサウンドへの意欲も旺盛な彼女のライブ、きっとはじめてカンテレに触れるという方にも楽しめるものになるでしょう。

LA FOLLE JOURNEE au JAPON 2007
2007.5.7|music

三日の日、店をサボって(?)有楽町の東京国際フォーラムでおこなわれていた《ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン》に行ってきた。

この《ラ・フォル・ジュルネ》、ひとことで言えばフジロックやサマソニのクラシック版ということになる。そして、フランス発祥のこの「音楽祭」の日本での「引っ越し公演」はことしで三回目。以前からウワサには聞いて気になっていたもののGW中ということでなかなか行くことができなかったのだが、「エイヤッ!」とことしは思いきって出かけてみた。じっさいに足を運び、参加してみて気づいたのだが、これはめちゃくちゃ完成度の高い、よく練られたイベントである。わずか三回の開催にして、すっかりこのイベントが「定着」しているのが実感できる。かつて仕事でこうしたイベントに間近に触れていた身としては、たったの五日間で七十万人弱を動員し二十万枚ものチケットを売り切ってしまうなんてただただ驚き感心するばかりだ。

そもそもビギナーにも楽しめるクラシック音楽の企画というのは、コンサートにせよCDにせよ本にせよ、これまでにも数え切れないくらいたくさんつくられてきた。そしてそのほとんどがことごとく失敗してきた。どうしてか?ビギナーでないひとが、その思い込みだけで安易に企画をつくるからにほかならない。「ビギナーにはこういう音楽がわかりやすいだろう」とか「きっと子供はこういう音楽が好きなはずだ」といった具合に。ところが、こうした思い込みはたいてい的を外しているものなのだ。たとえば、なにかの機会にふとモーツァルトの音楽を耳にして気に入ったというひとがいるとする。こういうとき、企画をつくる側としてはついつい『はじめてのモーツァルト』といったものをつくってしまいがちだ。ところが、往々にしてそういう企画は不発に終わることがおおい。ちゃんと聴いてみようと思ったひとは、ちゃんとしたものを求める。つまり、気に入った曲が収録されたふつうのCDを買ったり、その作品が演奏されるコンサートに出かけたりするのである。

話を《ラ・フォル・ジュルネ》に戻すと、そこにはビギナーとマニアとがともに楽しめる周到な仕掛けが用意されているのがわかる。まず、演奏される曲目や出演者にはマニアックな視点を感じる。めったに実演では接することのできない作品やCDもあまり出ていないような作品が目白押しである。さらに登場する出演者たちも超ド級のアーティストこそいないものの、実力派のヴェテランやこれから注目を集めるであろう若手など食指をそそられるラインナップとなっているのだ。

反対に、この音楽祭の運営方法にはビギナーにやさしい工夫がいろいろほどこされている。たとえば、ひとつのプログラムはすべて約四十五分間であったり(ふつうは休憩ふくめて約二時間)、チケット代金が千五百円から三千円と格安であったり(ぼくは八千五百円で四つのコンサートを聴いたのだが、ふつうの価格設定だったらこの四~五倍の出費は覚悟しなければならない)、あるいはまたほとんどのコンサートで原則として三歳以上の子供の入場可能であったり(ふつうは未就学児童の入場不可)、と。つまり、ビギナーにとっては安価で、しかも飽きることなくクラシックを「つまみ食い」できるというわけだ。そしてここが「満足度」といったところでとても肝心なのだが、「つまみ食い」といってもカップラーメンや冷凍食品や甘口のカレーなんかではなく、ちゃんとしたシェフのつくった本格的な料理の数々を「つまみ食い」できるのだ。そして当然いちど味をしめたお客たちは翌年もリピートすることになるのである。内容や出演者の顔ぶれに左右されることなく動員が保たれるのは、つまりみんなこの《ラ・フォル・ジュルネ》のファンだからにちがいない。いままでのこうした企画とのいちばん決定的なちがいはまさにその点にあるだろう。

個人的に、これは「好きなカフェ」にも共通していることなのだが、ぼくが気に入ったのはやはりいろいろなひとたちがカジュアルに音楽を楽しんでいるところ。家族連れもいれば、子供もいて、中学生や高校生の友だち同士がいる。ふつうのクラシックのコンサートとはまたちょっとちがった光景だ。会場のフリースペースなどでは、出演アーティストがぶらぶら散歩しているのに出くわしたりして楽しい。ほんとうに「お祭り」なのだ。ちなみに来年のテーマは『シューベルトと同時代の作曲家たち』だという。きっと、すでにいまから心待ちにしているひとも多いのではないだろうか?もちろんぼくもその一人なわけだが。

ふたたび銀座へ
2007.5.8|music

ことしのゴールデンウィークはいつになく暇だった。とはいえ、相変わらずPCは不調(というか壊滅状態)なので退屈しのぎのネットサーフィンすらもままならない(ひさびさにメールソフトを立ち上げるとニ百件とかのバルクメールが平気で届いていて気が遠くなる)。家に戻ってCDなど聴いているのにもなんとなく飽きたので、店を閉めた後またまた《ラ・フォル・ジュルネ》に行ってきた。

とりあえずニ十一時半すぎに店を出れば、二十二時三十分からの最終公演に間に合うという計算だが、運よく(?)二十一時前に出れたので思いのほか会場に早く到着することができた(この公演は全席自由なので早く着いたほうがよい席に座れることになる)。プログラムは、シャニ・ディリュカというモナコのピアニストによるリサイタルで、グリーグの《抒情的小品集》というポストカードブックのような作品を演奏するというもの。夜更けにこんな愛らしい音楽をナマで聴けるなんて、ある意味とても幸福な体験じゃないだろうか。

演奏はどこかショパンを思わせる感興豊かな印象。北欧の音楽なのだからもっと素朴で鄙びた感じだったらよかったのになどと思わずかんがえてしまいそうになるが、ちょっと待てよと踏み止まる。北欧=素朴といった図式はいわゆる「フジヤマゲイシャ」とおなじ、外の人間からみたイメージというか思い込みにすぎないのだから。じっさいライプツィヒの音楽院に学び、シューマンやリストといったロマン派の音楽をたっぷりと吸収してきたグリーグのこと、かつて吉幾三がプレスリーになりたかったように、グリーグがショパンになりたかったとしてもぜんぜん不思議ではないのだ。

いずれにせよ、仕事と仕事のあいまにグリーグの生演奏を聴くという、ある意味GWならではの奇妙な過ごし方も気分転換としてはなかなかいいものではあった。

リニューアル
2007.5.14|column

店をはじめてまもなく五年。

五年も経つと、だんだんお客様からも飽きられるのではないか?そんな恐怖に怯える今日この頃である。じっさい都心の商業施設なんかだと、だいたい三年に一度くらいの割合でリニューアルしたりするらしい。とはいえ、そんな潤沢な資金のないmoiのようなちいさな店舗ではどうすればよいのか?

いろいろ考えた結果、少額で、しかもインパクト十分(?)なリニューアルを実施した。お客様の反応はというと、

驚くひと
笑うひと(爆笑含む)
見なかったことにするひと

とまちまちだ。未体験のキミ、話題に乗り遅れるなよ!?

THE GARDEN
2007.5.15|music

カレンダーには二種類ある。日曜日で終わるものと、日曜日から始まるものと。つまり日曜日は、一週間の終わりであると同時に一週間の始まりでもある、ということ。どちらにせよ、日曜日をどう過ごすかは一週間すべてにかかわる大切なこと、なんじゃないだろうか?

で、日にちが迫っているのだけれど、そんな「日曜日」のためのとっておきのイベントが開かれる。RONDADE presents THE GARDENがそれ。

恵比須の気持ちいい空間limArt annexを会場に、THE YOUNG GROUP、中島ノブユキが登場、ライブをおこなうほか、会場ではU-ZOによるオーロラ映像も楽しめる。

日時は今週の日曜日20日の18時スタート。気持ちのいい空間で、おだやかな音楽と神秘的な映像に囲まれてすごす庭園のようなひととき。なんといっても、このイベントのオーガナイズをしているのが以前いっしょにイベントをやっていた仲間なので、内容のよさについては保証済み。お時間のある方はぜひ足を運んでみてください。

プチ・カフェの演出
2007.5.28|publicity

発売中の雑誌、月刊「新しい飲食店開業」6月号の「テーマ別店づくり研究」というページにmoiが掲載されています。

今月号の《テーマ》が「プチ・カフェの演出」ということで、高円寺から吉祥寺までのちいさなカフェが、一駅ひとつずつ紹介されています。紹介されているのは、

高円寺 :「ブラウン1号」さん
阿佐ヶ谷:「ひねもすのたり」さん
荻 窪 :「moi」
西荻窪 :「あしかホテル喫茶室」さん
吉祥寺 :「cafe Room-1022.」さん

の5ケ所です。いつかちいさいお店をやってみたいなぁという方、また、中央線各駅下車の旅~プチ・カフェの巻を実行してみたいという方(?)、必見です。

CAFEをやるひと×BARをやるひと #4
2007.5.30|publicity

連載中のコラム「CAFEをやるひと×BARをやるひと」。その第四回が掲載された雑誌、月刊『カフェ&レストラン』6月号が現在発売中です。

今回の「お題」は、「荻窪×渋谷」。なぜ荻窪なの?なぜ渋谷なの?そんな疑問にズバリお答えしています(!?)。ぜひぜひご覧ください!ちなみに特集は「ハチミツ&メープルシロップ」です。

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