#135 感性の法則

駅へ向かう道すがら、ハートが宙に浮かんでた ──

Moi!フィンランドをもっと好きになる135回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。


フィンランドのある暮らし

先週末からいろいろなことがありすぎて頭の中を整理しているうち、配信開始ボタンを押すのを忘れていました。失礼しました。そこでまずは自分の報告を日記形式でお届けします。

10月20日金曜日 晴れのちくもり

今日から始まる展示会「TAUKO – Into the Forest」を観るため、表参道のHyvää Matkaa!へ。フィンランドで活躍する5名のデザイナーの作品・プロダクトを展示。それぞれのデザイナーから話を聞く。

『アイノとアルヴァ  アアルト書簡集』(草思社)を読み始める。合間にアンニ・スヴァンの『夏のサンタクロース  フィンランドのお話集』(岩波少年文庫)を。

10月21日土曜日 くもり

今日は島塚絵里さんのトークショウ。昨年フィンランドで出版された『Kettu ja hiljaisuus|きつねと静けさ』という絵本について。島塚さんから各デザイナーの紹介も。

エリナ・アールトさんのヒンメリ作りのワークショップが始まるまでの時間に、Artek Tokyo Storeでスツール60の新モデル「Wild Birch」を見る。お店の方といろいろお話しして、お煎餅をもらう。

10月22日日曜日 晴れ

この日はマイヤ・プオスカリさんによる絵付けワークショップ。子ども用のテーブルウェアにプリントシートを使って絵付け。親子参加の部を見せてもらう。子どもたちの自由な発想がいい。

そこから自由が丘 de aoneのオープン記念イベント「FINLAND DAY」へ。フィンレイソンをはじめとする北欧雑貨を取り扱うアンドフィーカのブースで今度出版される本の話を聞く。普段は水彩画を描いているピヴェ・トイヴォネンさんによるサウナの本。

10月25日水曜日 晴れ

荻窪のフィンランドカフェ、kielotieでスープランチ試食会。来月はボルシチ。生まれて初めて食べる。熱々のスープがおいしい。ご一緒した写真家のかくたみほさんやレシピを提供されているHさんとお話しする。みなさんやさしい。

10月26日木曜日 くもりのち晴れ

上野松坂屋の北欧展へ。全国から北欧関連のお店が集まる。松本のkirsikkaではアイスランド一周やホエールウォッチングの話を、京都のMaisemaではオイヴァ・トイッカのバードについての話を聞かせてもらう。かもめ食堂のシナモンロールを食べる。

©︎mihoko-san

ヘルシンキにいたミホコさんからエアーメイルが届く。タイムマシンのようでおもしろい。いつか旅先から手紙の返事を書いてみたい。

10月27日金曜日 晴れ

またまたHyvää Matkaa!へ。今夜はフィンランドのジャズギタリストNiklas Winterさんのライヴ。コントラバス奏者の甲斐正樹さんとのデュオで。甲斐さんがトーベ・ヤンソン好きのようでとても和む(演奏もすばらしい)。明日もHyvää Matkaa!。スタッフの方に泊まってもいいでしょうかと聞く。

▶︎ Niklas Winter Japan Tour 2023

10月28日土曜日 晴れ

WAFINのキャンドルホルダーをデザインしたサムリ・ヘラヴオさんと和ろうそくを製作している櫨佳祐さんのトークショウ。展示会については後日まとめて記事を書く予定。

LAPUAN KANKURIT 表参道で落ち着く。フィンランドシープのウールをつかった新作ブランケットを見せてもらう。ブランケットもお店もとてもあたたかい。

北欧ヴィンテージを取り扱うELEPHANTへ。店主のYさんにアイノ・アールトやカイ・フランクなどの話をたくさん聞く。とにかく楽しすぎて長居してしまう。もしも勉強会があったら参加したいくらい。

アウトドアショップのUPI表参道でアイスチャレンジ体験。氷水に両足を入れて20秒、ウールソックスをそのまま履くというもの。背筋まで凍りそう。すぐにあたたかくなって驚く。

帰り際、千駄ヶ谷にあるフィンランドのシューズメーカー KARHU TOKYOを初めて訪問。直営店なので種類もとても豊富。発売されたばかりのフィンエアーとコラボレーションしたシューズを見る。

フィンランドのある暮らしは、フィンランドの暮らしとはちょっと違うのかもしれません。ペースを落としてしばらくぼんやり過ごします。

ミ:そんなに大丈夫でしたか?
ハ:はい、いろいろ巡りました〜。
ミ:今後も予定がいろいろありますよね。
ハ:ありますね。東京蚤の市、ユフラフェス、TACHIKAWA LOPPIS‥‥。


フィンランドをめぐる旅

次の報告は岩間さん。松屋銀座で開催されたライター萩原健太郎さんのトークイベント「定番から最新まで〜フィンランドをめぐる旅」へ行きました。

9月から10月にかけて北欧へ取材に行かれていた萩原さんによるフィンランドの話。ヘルシンキからロヴァニエミまで自動車で850km、さらに西部のヴァーサやラウマまで、各地のアールト建築を巡られました。その模様を写真をとりまぜながら紹介してもらえたそうです。

工芸品としてはデンマークのデザインに魅かれるという萩原さんですが、フィンランドデザインに関しては「みんなのためにデザインされている」と感じているとか。岩間さんもその通りだと思ったそうです。

さらに映画『AALTO』についても萩原さんと同じ印象をもったという岩間さん。アイノ亡き後、アルヴァの片腕となったエリッサにもとても才能があり、彼女についても映画できちんと描かれていたことがよかったと。

イ:デンマークデザインの椅子に座りながら聞くことができました。
ミ:それはいいですね! それは何かイベントの一環だったんですか?
イ:はい、デザインのイベントでした(松屋銀座 DESIGN WEEK 2023)。


フィンランドからのおみやげ

最後はフィンランドの旅から戻ったミホコさんからの報告。さっそく10月期最初のフィンランド語講座があり、特別にフィンランドでの休暇中にどんなものを見て、どんなことを感じたかなどを話しました。

生徒のみなさんも興味津々に聞いてくれたそうで、ミホコさんがInstagramに投稿していた写真への質問もあったとか。それは「みんな聞きたがるでしょうね」と岩間さん。

©︎mihoko-san

そしてclubhouseを聞いてくれているみなさんへのおみやげ話は、アキ・カウリスマキの最新作『枯れ葉|Kuolleet lehdet』について。「今回の作品は日本での公開が異様に早い(12月15日〜)ですけど、現地の人たちからも『今回の新作はいいから見てね』とよく聞きました」とミホコさん。

これまでのカウリスマキ作品のなかでいちばん観た後にほっとする映画。もういちど観たいと思った。主演が『TOVE』のアルマ・ポウスティに『アンノウン・ソルジャー』のユッシ・ヴァタネンと常連でない俳優で新鮮。という声があったそうです。

それならフィンランドで観ようかと思ったミホコさんでしたが、映画館のチケットが日本に比べてなかなかの値段だったそう(円安+物価高)。フィンランドでは映画のかかる時間によって価格設定が異なり、館内にお酒持ち込み可の時間もあるとか。回数券を買って家族で観にくるというアイデアも。

「日本では【フィンランド映画祭】で先行上映されますね(11月12日)。1回だけなので、ゆっくり観たい方は劇場で」とミホコさん。

ミ:(フィンランドにいたことが)バレるものですね。
イ:それはバレますよ。バレないと思うほうが、笑。
ミ:ブログ記事も途中のものがあるので書こうかと思っています。

▶︎ http://bluecross.seesaa.net


── 心をなくしてしまわないように。きっとそんなメッセージ。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。

text + photo : harada

#135|Senses Working Overtime – XTC