#076 たき火に出かけよう

すこしずつ秋の気配が感じられるようになりました。街では3年ぶりの秋祭りも行われ、お神輿を担ぐ威勢のいい声があちこちから響いていました ──

Moi!フィンランドをもっと好きになる76回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。

  • たき火とククサ、ガラスと森の香り
  • Mustakivi @ free design
  • 日記でふりかえるフィンランド
  • リコリス探偵あらわる
  • フィンランド大使館読書アワー『フーさん』編

たき火とククサ、ガラスと森の香り

まず最初の報告は自分から。ようやく涼しくなってきたので、再び「たき火を囲む会(仮)」を開催したいと思っています。第1回目は、今年6月に「nuotio夏至祭」という名で行いました(その時の様子はこちら)。

そのためには、もうちょっと「たき火」のことを知りたい!というわけで、表参道のアウトドアショップUPIへ行ってきました。こちらはフィンランドをはじめ北欧などのブランドを取り扱っているお店で、オリジナルのたき火台「TAKIBISM」なども販売しています。

たき火についてお店の方に相談しているうち、ナイフを使っての火おこしの方法を教えていただくことに。まずナイフで薪を削り、火のつきやすいように加工します(ごぼうの笹掻きの要領で)。そこに麻紐をほどいた糸屑をのせて、金属製の着火棒で火をつけます。立ちのぼる小さな炎を見ながら、これは楽しいとうれしくなりました。

次回の「たき火を囲む会(仮)」までには、自分で火がおこせるようになりたいと思います(どこへ向かっているのでしょう、笑)。またUPIのお店では、基本のナイフワークや木製スプーン、そしてククサ型カップ作りのワークショップなども行っています。

せっかく表参道へやってきたので、フィンランド巡りをしないわけにはいきません。そこでまず向かったのが現在ククサのポップアップを開催中(9月19日まで)のHyvääMatkaa!。入口のテーブルの上には、たくさんのククサが並んでいます。同じものは一つとしてないので、そこから自分だけのお気に入りを選ぶのも楽しいと思いました。

ユ:ククサ買いました?
ハ:いえ、ひとつ持っているので。
ミ:ククサはやはり贈りものとしてもらうのがいいんですよね。

次は、イッタラ表参道ストアへ。7日に発売されたばかりのリサイクルガラスコレクションを見てきました。いろいろな色のガラスを集めてリサイクルするため、昨年のものとはまた違った色味になるとのことでした。また多少のガラスの厚みでも見え方が変わるのでおもしろいなと思いました。

またリサイクル素材を使用したセラミックのティーママグもありました。こちらは粉の状態に戻したものを15%使用しているそうです。

「あの白いマグに青い点々がついているのですよね」とユカさん。青い点はあとからつけられているのでひとつひとつ表情が違いました。こちらもククサ同様、選ぶ楽しみがあると思います。

そして最後は、ArtekTokyoStoreで開催中(9月19日まで)のHETKINEN(ヘトキネン)のポップアップへ。

HETKINENは、フィンランドのトゥルクを拠点として植物由来のフレグランスやボディケア製品を作っているブランドです。

©︎mihoko-san

森や木々のような香りがとても落ち着きます。パッケージデザインもとっても素敵なので、ぜひアカウントを開設したばかりというHETKINENの日本公式Instagramもご覧になってみてください。

ここまでのラインナップが揃うことは、あまりないとのことです。それぞれの香りを試してみることもできますので、ぜひこの機会に。

ミ:日本にはまだ入ってきてないようなのですが、ヘトキネンの消毒スプレーがお気に入りです。
ユ:アルコールとかの成分のために輸入しにくいんですかね?
ミ:おそらく、そのようです。


Mustakivi @ free design

そして表参道から吉祥寺へ。freedesignで今月9日から25日まで開催中の「Mustakivi展」に行きました。

並んでいたのは、石本藤雄さんがデザインしたゴブレット、プレート、カップ、ブローチなど。実際に手にとって見るのは初めてだったのですが、色の美しさ、手ざわり、サイズ感など、とてもすばらしいと思いました。

また店頭には、以前clubhouseでもお話しした石本さんデザインの手ぬぐいも各種ありました。2点の原画も見ることができます。いずれもシンプルでありながら、遊び心のある石本さんのデザインが楽しいです。

陶製品は、道後のMustakiviのお店以外ではなかなか揃って見られることが少ないと思いますので、この機会にぜひお出かけください。

※写真はお店の方に許可を取り、撮らせていただきました。


日記でふりかえるフィンランド

次の報告は、最近Instagramへの投稿が日記風なミホコさんです。

©︎mihoko-san

まず今週はラプアンカンクリ表参道デビューを果たしたというミホコさん。一人で来られているお客さんが多く、どんなものが置いてあるのかなとみなさんチェックしている様子だったそうです。

また別の日は、スポーツクラブで朴沙羅著『ヘルシンキ生活の練習』(筑摩書房)を読んだという方に会い、いろいろと思うところがありますよねと話したそうです。未読の方はぜひどうぞ。

そして、ミホコさんが一度はぜひ宿泊してみたいというお茶の水の「山の上ホテル」についての日記。

常々こんな都会のホテルにどんな人が泊まるのかなと思っていたのですが、神保町も近いということで、これまで文豪と呼ばれる方々が多く泊まっていたとのこと。

フィンランドの文豪(?)といえば、やはりトーベ・ヤンソン。Webサイトでトーベにまつわるアイテムを発見したそうです。ぜひ、みなさんも探してみてください。

ミ:ヒントとしては、文字として書いてあるわけではありません。
イ:部屋の片隅にムーミンがいるとかですかね?
ミ:まあ、そうですね。探してみてください!


リコリス探偵あらわる

前回に引き続き、サルミアッキの話題を。岩間さんが手元にある資料をもとに、日本でいつ頃からリコリスが食べられていたのかを突き止めた(?)そうです。

ツタンカーメンのお墓の中からも発見されたというリコリス。紀元前1300年頃にはすでに、薬草として使われていたようです。リコリスに塩化アンモニウムを混ぜたのは、18世紀中頃のイギリスの化学者であるという説があると岩間さん。サルミアッキはイギリス発なのでしょうか?

そんなリコリスが日本に伝わったのは江戸時代。日本橋橘町(現在の東日本橋あたり)にあった大阪屋平六という薬屋が、オランダのリコリス飴(ZoetHout|ずぼう糖)を喉の薬として売り出して、とても評判になったそうです。その当時、読まれた川柳というのがこちら。

「おかしさはすぼうとうのむ四ツ手かご」

岩間さんの現代語訳によると「駕籠かき(駕籠を担ぐ人)がいい声を聞かそうとして、リコリスとかなめてて超ウケる」だそうです。

ミホコさん、岩間さん、そしてユカさんもサルミアッキの本を持っているそうです。自分はなんという人たちに囲まれているのだろうと思ったことは内緒です。

©︎mihoko-san

ミ:フィンランドの東にあるヴァラモ修道院にもリコリスのハーブキャンディがあります。
イ:薬局で販売されているリコリスは焦茶色でグミのような感じですね。スペインからのお土産としてもらったリコリスの根っこも、牛蒡のような色です。
ユ:どうして塩化アンモニウムを混ぜたんですかね?
イ:サルミアッキの本(フィンランド語)、読まないと。


フィンランド大使館読書アワー『フーさん』編

最後の報告は、ユカさん。9月8日の国際識字デーに合わせて、フィンランド大使館のTwitterで行われた読み聞かせを視聴しました。

課題図書は、ハンヌ・マケラの『フーさん』。ミホコさんが翻訳された一冊です。今回はフーさんがサウナに入る時のエピソードが読まれたため、サウナに入りたくなってしまったというユカさん。

YouTubeにアーカイブもありましたので、ぜひ一度ご覧ください。


── 読書の秋ともいわれますが、なにはともあれ「たき火」の季節。第2回「たき火を囲む会(仮)」にぜひご期待ください!それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。

text:harada

#76|Fire Walks With Me – Moons