雨も降り、朝晩はだいぶ過ごしやすくなってきました。どことなく淡くなった影もゆらゆら、きらきらと ──
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Moi!フィンランドをもっと好きになる73回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。
- イッタラカフェのかき氷
- ツリーハグ世界選手権
- 復刊『若く逝きしもの』
- 新刊『フィンランド虚像の森』
- フィン活、KARAOKE、写真展
イッタラカフェのかき氷
今週最初の報告はユカさん。イッタラ表参道ストア&カフェで大きなかき氷を食べました。
ぎゅぎゅっと氷の詰まった中にアイスクリームやマカロンが入ったかき氷。「あれ?前も食べてませんでしたか、笑」と岩間さんも言っていましたが、前回いただいたのは抹茶味。今回はいちご味です!
写真を見るだけで、頭がキーンとしてきそうなボリューム。どこからスプーンを入れたらいいのか迷ってしまいますが、二重になったティーマで安心?お腹いっぱいになりそうです。
最後はガタガタ震えながら完食し、日本の夏を満喫したというユカさん。岩間さんもまた暑さが戻ってきたらチャレンジしてみてもいいかも、と。
ところで、フィンランドといえば、すぐにアイスクリームが思い浮かびますが、かき氷は食べられているのでしょうか。ご存知の方はいらっしゃいますか?
ツリーハグ世界選手権
次は自分の報告。フィンランドのレヴィ「ハリプーの森」で開催されたツリーハグ世界選手権のライブ中継をYouTubeで見ました。ひそかに楽しみにしていたのですが、どんなことが行われるのかはわかりません。
今回の出場者は9名。フィンランド以外ではドイツ、イギリス、スイスからの参加者。それよりも観客というか、関係者?が多いような。ツリーハグですから、とくに誰かが声を上げるわけでもなく主催者の方のレポート以外はとても静か。
競技は三種目。一つ目は「いち、に、さん」の掛け声で森の中へ駆け出して、お気に入りの木に5秒間抱きつき、また次の木へ。二つ目は「dedicationtreehug」と呼ぶもの、静かに抱きつきます。三つ目はフリースタイル、寝転んで抱きついたり、根元で本を読んだり、熊になったり、木にプロポーズしたり。
とにかく思いついたアイデアをやってみよう、世界選手権にしてしまおうというフィンランドの方々のフットワークの軽さがいいなと思います。
28日までオンラインでも参加できるので、ぜひツリーハグをした写真を送ってみてください!
▶︎ Tree Hugging World Championships 2022
イ:どんな審査基準なのかが気になりますね。
ハ:気になりますよね、基準はよくわかりませんが、笑。
ユ:走り回ったりするそうですが、一斉にやるんですか?
ハ:いいえ、一人ひとり順番に。優勝賞品は、ペアでレヴィに宿泊一週間。
ユ:一週間も泊まれるんですね!
イ:ユカさん、参加したくなりましたね、笑。お聞きのみなさんもぜひ。
復刊『若く逝きしもの』
そしてミホコさんが紹介してくれたのが、日本では約70年ぶりに復刊されるという、フランス・エーミル・シッランパー『若く逝きしもの』(阿部知二訳/みずいろブックス)。シッランパーは、フィンランド唯一のノーベル文学賞の受賞作家だそうです。
今日はこちらがいかに本として素敵かということをお伝えしたいと思います、とミホコさん。
まず、ぜひ手にとって味わっていただきたいという本の装丁。仮フランス装でとても本らしい、と。バーコードも帯についているので裏表紙も美しく、扉の中を開けるとかわいらしいこだわりも。
翻訳の阿部知二さんは、外国文学にふれてきた方ならご存知かもしれません(翻訳一覧を見て調べてみると、確かに気づかずに読んでいた本がたくさんありました)。原書ではフィンランドの美しい自然の情景が描かれているのですが、日本語でもその美しさが十分に感じられるはずです、とミホコさん。
みずいろブックスは一人出版社さんなのでゆっくりとフィンランドの小説を中心に、新訳などもこれから準備されていくそうです。ぜひご注目ください。また、Twitter(@mizuirobooks)でも情報発信されていますので、ご興味のある方はフォローしてみてください。
まずはこちらの『若く逝きしもの』を楽しみたいと思っています。
イ:帯には舘野泉さんが。表紙の色がとてもいいですね。
ミ:そうですね、とても。緑色、もえぎ色というか・・・。
ユ:わたしも手にとってみたいと思っています。
ミ:結末は「若く逝きしもの」という題名の通りなのですが、ぜひ。
イ:あと、北欧語書籍翻訳者の会のnoteでも紹介されています。
ユ:読みました、おもしろかったです!
▶︎ みずいろブックス第一作記念対談シッランパー『若く逝きしもの』|北欧語書籍翻訳者の会
新刊『フィンランド虚像の森』
最後の報告は岩間さん。ミホコさんより送っていただいたという『フィンランド虚像の森』(上山美保子訳/新泉社)という本について。そうです、翻訳を担当されているのはミホコさん!
岩間さんの第一印象は、450ページほどもある本だけれど、とても読みやすい。訳者あとがき・序文から読んで、いま本文に入ったばかりですが「森と湖の国の暗翳を暴く」という帯の言葉が刺激的ですよね。
自然林が減って人工林へとなっていった経緯や、恵みを受けとる存在から資源として活用しないと生きていけない時代になってしまったフィンランドの人たちと森の関わりについてなど。もう一歩深くフィンランドについて知りたいという方にはぜひおすすめ。とのことです。
個人的にいま『カレワラ』に夢中になっているので、目次にある「伝承街道|消滅の危機にある、民族叙事詩カレワラをフィンランドへと伝えた中世から続く街道」が気になっています。それはリョンロットが歩いた道とも重なるのでしょうか。
今後のclubhouseでも話題に上がると思います。みなさんもご一緒にいかがでしょう。
イ:本の発売は24日でしたよね。
ミ:早いところでは23日には並ぶと思います。
イ:ちょうど2021年の春先イッタラカフェで、clubhouseというのを始めてみようかとミホコさんと話した時に、「いま、こんなものを訳しているんです」って教えてもらった本が、1年かけてこうして形になって。フィンランドおたくの代表の一人としてお礼を言いたいです。
ミ:そういえば、そうでしたね、笑。
フィン活、KARAOKE、写真展
配信での順番は前後しますが、そのほかの話題を少し。
自分の好きなフィンランドについて、見たり、聞いたり、体験したりすることを「フィン活」といっているけれど、他の北欧の国々ではなんと呼ぶのがいいのかとあらためて考えていたというミホコさん。
デンマークは「デン活」(おでん?:ミホコさん、電車?:ユカさん)。スウェーデンは「スウェ活?デン活?」(スウェ活のようです)。ノルウェーは?いちばん困るのがアイスランド(アイ活?:ミホコさん、氷活?:ユカさん)。
収まりがいいね「フィン活」は、と岩間さん。
前回の配信でユカさんが紹介してくれた「KARAOKEが私を変えた〜フィンランドカラオケ物語」を岩間さんも見たそうです。フィンランドのサウナが日本で独自のサウナカルチャーへと発展していったように、日本で生まれたカラオケがフィンランドではセラピーの側面もあるKARAOKEI-なっていましたね、と岩間さん。
もうひとつ岩間さん。本日21日までLAPUANKANKURIT表参道で開催中の写真展「遠くの水辺」を観ました。CMフォトなどを中心に活動されている写真家の本多康司さん。アクリル板で額装されたフィンランドの青い風景がLAPUANKANKURITのお店にぴったりだったと。涼しげな写真をぜひ観てほしいと岩間さん。
▶︎ 本田康司さん写真展「遠くの水辺」|LAPUAN KANKURIT 表参道
── これからちょっと『若く逝きしもの』を探しに書店へ行ってこようと思っています。LAPUAN KANKURITの写真展、今日までですが間に合う方はぜひ(ということで、ちょっと今日は急ぎ足で書きました、笑)。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。
text:harada
#73|In The Lake – Emilie Simon