外に出ると白い雲の向こうにぼんやりと太陽のあかりが見えます。あれだけたくさんの雨が降ったからか空気がとても澄んでいるようです。森の中では樹上からハラハラと落ち葉が舞い降りてきます。秋へ、また一歩 ──
Moi!フィンランドをもっと好きになる25回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。
+ arkietti
+ 北欧の幸せな社会のつくり方
+ フィンランドで考える 人々を支える社会制度のこと
+ カレワラあれこれ
+ お知らせ:シナモンロールの日
arkietti
いま手紙社のギャラリーで開催中の arkietti 1st exhibition「alku」へ行ってきました。arkiettiは、2008年からヘルシンキを拠点にフリーランスのテキスタイルデザイナーとして活躍している星佐和子さんのブランドです。
▶︎ arkietti
会場では何層かに重ね塗りしたクレヨンを削って描いたテキスタイルの原画を見ることができました。削る深さによって下の色が出てくるわけですね。計算と偶然によって特徴的な絵が浮かび上がってくるのがおもしろいなと思いました。
また作品タイトルにフィンランド名がついていたので、少ない語彙を駆使して、なるほど〜と感心していました。個人的には「リソグラフ」の動物ポストカードが気になりました。
ゆかさんから「あれ?星さんって、いつも参加しているオンライン料理教室を主宰されている方の奥さんかもしれない」と驚きの情報がありました。
その料理教室の次回のメニューは「Kirkas kala keitto(透明な魚のスープ)」だそうです。ご興味のある方はぜひ!
北欧の幸せな社会のつくり方
次は岩間さんが読んだという『北欧の幸せな社会のつくり方』(あぶみあさき著/かもがわ出版)の話へ。
北欧諸国での選挙や政治参加について書かれていて、写真も多く読みやすい一冊となっているそうです。以前読まれたというゆかさんも選挙が楽しそうで羨ましい、日本の選挙運動も参考にしてほしいといっていました。
投票率の高いフィンランドですが、一方でEU議会の選挙などへの関心は低いそうです。やはり「近さが重要」という岩間さん。日本でも選挙が近づいていますが、政治や社会をもっと身近なものにとらえる意識を育てていく必要があるかもしれません。まずは自分自身からですね。
また投票をうながすポストカードにマッティ・ピックヤムサのイラストや「マッティは今日も憂鬱」のキャラクターなどが使われているとの情報も。選挙と「マッティ」の組合せ、何か因縁があるのでしょうか。ちなみに検索してみたら今年3月に日本版の新刊が出ていましたよ。
フィンランドで考える 人々を支える社会制度のこと
そんなフィンランドの社会制度ではありますが今月9月24日(金) 20:00からマトカトリでみほこさんによるオンラインセミナーが開催されます。題して『フィンランドで考える 人々を支える社会制度のこと』。社会制度というと兎角難しく語られがちですが、こちらのセミナーではフィンランドで普通に暮らす方々の目線でお話ししてくれるそうです。「制度はいいけれど、大変」など現場の声も。ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
▶︎ マトカトリ
そして、Moiのオンラインサークル「nuotio|takibi」内で毎月お届けしている【深掘りフィンランド】について。9月の企画は「みなさんおすすめのフィンランド本をシェアしよう」なのですが、その中でみほこさんが紹介してくれたのが『エジプト人』(ミカ・ワルタリ著/角川文庫)という一冊。
長編ではありますが文章がとてもわかりやすいのでおすすめとのこと、司馬遼太郎が読めるなら大丈夫と、笑。みほこさんの周りで読まれたみなさんにも好評だそうです。
ここで岩間さんから日本では読書の秋といわれるけれど、フィンランドにもありますか?と質問。フィンランドでは季節でいったら夏の休暇などに読まれることが多いかもとみほこさん。その話を聞いてアクティブになるにもゆったりと休むためにもフィンランドの人たちにとってやはり夏は大切な季節なのだなと思いました。
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また前回は清少納言の話が出ましたが、今回は紫式部の源氏物語がフィンランドで出版されるという情報を教えてもらいました。こちらは詩人のカイ・ニエミネンが20年かけて訳したものだそうです。また岩間さんが、確かツルネン・マルテイも訳していたはずといっていたのですが、前半の散文部分をツルネンさんが担当していたそうです。
▶︎ Parnasso: Kai Nieminen on suomentanut japanilaista klassikkoromaania parin vuosikymmenen ajan
イ:日本では読書の秋と言われるけれど、フィンランドにもありますか?
ミ:フィンランドでは季節で行ったら夏の休暇などに読まれることが多いかも。
イ:ところでみなさん源氏物語読んだことありますか?
ミ:現代語訳なら幾つか。
ユ:教科書などで読みましたね。
ハ:自分は全く読んでいません。
イ:源氏物語を読んだフィンランド人の質問に答えられるようにウィキペディアで調べておかないといけないですね、笑。
カレワラあれこれ
ちなみにフィンランドでカレワラはどのくらい読まれていますか?という質問に、年代によってまちまちではあるけれど『Koirien Kalevala(犬たちのカレワラ)』というマウリ・クンナスの絵本シリーズの読み聞かせなどで知っている人たちもいるのではと、みほこさん。
そして今週カレワラをテーマとしたオンラインツアーに参加されたというゆかさん。エリアス・リョンロートがカレワラを書き上げたカヤーニの町の紹介や彼の夏の家などの様子を見ることができたそうです。
▶︎ ゆきえと北欧まちあるき旅 カレワラ叙事詩と旅するフィンランド
また前回のレポートでもお知らせしましたが、明日20日20時から日本シベリウス協会による「第8回シベリウスカフェ」が開催されます。橋本ライヤさんによるカレワラの朗読などもあるのでぜひ! 申込みは本日19日までです。
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最後はゆかさんの報告。なんと先月行われたログホーム「HONKA」のイベントでサウナグッズが当選したそうです。さすがにご自宅にサウナはないので、神楽坂のソロサウナtuneで満喫したそうです。やはりさすがです!
お知らせ:シナモンロールの日
ここでお知らせをひとつ。10月4日のシナモンロールの日に合わせてロバーツコーヒーが開催しているInstagramフォトコンテストについての記事が公開されました。ぜひご覧ください。
ちなみに、ゆかさんはもう参加済みだそうです! みなさんもいかがですか?
── 配信が終わると、いつの間にか空いちめん青空になっていました。太陽も梢を通り抜けて、いくつものちいさな光を森の中に降り注いでいます。その様子を見上げながら歩いていたら、濡れた土に足を取られて尻もちをつきました。イタタタと腰をさすりながら、それでも青空はいいなぁなんて。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。
text : harada
#025|Miniature Sun