#020 ただのひと

人間のことを「ひと」というとき、この「ひと」というのは「ひとつ」や「ひとり」に関係があるのでしょうか?「ひと=1」、「誰か」というときの “someone”、One is the loneliest number that you’ll ever do… どこか少し寂しくもあるような ──

Moi!フィンランドをもっと好きになる20回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。

フィンランド・森の精霊と旅をする
サンドウィッチケーキ
霧のカレリア
おまけ:オートミール祭り開催中


フィンランド・森の精霊と旅をする

まずは自分の報告から。先週から読み始めた児童文学『フーさん』の続きに加え、今週は『フィンランド・森の精霊と旅をする』(プロダクション・エイシア)を読みました。写真絵本のような一冊です。きっとフィンランドを好きという方ならみなさんどこかで見かけたことがあると思います。初版が2009年。なんと、みほこさんがこの本の監修をされています。

森や木々にまつわるフィンランドの伝承や精霊などの話を取り扱った本で、元々フィンランドでは『Puiden kansa』という大判の写真集として出版されました。NHKの番組「世界里山紀行」のフィンランド版が撮影されるときに監督の柴田昌平氏が参考資料としてその写真集を手にし、番組だけでなく本のかたちとして日本へ紹介するために作られたそうです。またこのオリジナルの写真集は1997年「最も美しい本」賞を受賞しています。

▶︎ 世界里山紀行 フィンランド 森・妖精との対話 – NHKスペシャル

この本の出版記念としてカフェモイでトークイベントが開催されたこともありました。柴田さんとみほこさんもゲストとして登壇されたそうです。

しれっとリンクを貼っていますが、ずっと前の配信でお知らせした岩間さんのこれまでのブログのほぼ全てをまとめたページです。お時間のあるときにぜひどうぞ ▶︎ moiのブログ〜日々のカフェ

▶︎ 2009年5月|moiのブログ〜日々のカフェ


サンドウィッチケーキ

そして今週のみほこさん。お知り合いのフェアウェルパーティでサンドウィッチケーキ「ヴォイレイパカック」をいただいたそうです。このヴォイレイパカックは重ねたサンドウィッチをクリームチーズで包んで飾りつけをしたもの。フィンランドでは各家庭のパーティなどでホストが作る料理で、この時はベジタリアンの方もいたということで野菜を具材にしていたそうです。

©︎mihoko-san

ヴォイレイパはサンドウィッチ、カックはケーキ。つづりはvoileipäkakku。サーモン一本分くらいの大きさがあり、自分の食べる分だけ切り分けます。検索してみると色々な写真やレシピがあって楽しいと岩間さん。みなさんもぜひ。

実は以前、カフェモイでも試作したことがありました。料理スタッフのKさんの素敵なデコレーションをご覧いただきたい!このとき、具をはさんでクリームチーズを塗るという作業だけ手伝わせてもらいました、笑。おいしかったです。


霧のカレリア

そしてゆかさんは、五木寛之『白夜物語』の中の短篇「霧のカレリア」を紹介しました。

北欧のガラス製品のデザインを盗んでこいと命じられた主人公がフィンランド女性と出会い、そこで聞いたカレリアなどの話を懐古する話だそうです。第2次大戦後の70年代、バックパッカーがシベリア鉄道に乗って北欧を目指した頃の雰囲気があると岩間さん。

また東山魁夷の小画集『森と湖と』の紹介も。前の世代の人たちによる予備知識のない中で見た北欧やフィンランドへの感想が新鮮でいいと岩間さん。

イ:物語に登場する姉と妹の世代間の断絶(たとえばイギリス英語の姉とアメリカ英語の妹)や戦争に対する捉え方など実際のところはどうですか?
ミ:フィンランドでは主にイギリス英語なので世代間で使われる英語の違いなどはないが、文化的にはアメリカナイズされた向きもあるかもしれない。そういった部分で著者はフィンランドについてよく観察していたのではないか。戦争については独立を死守しなければならなかったフィンランドという国の状況があったため、現在でも戦争についてよく話され、冬戦争に関する作品が作られたりすることにも表れているように、延長線上に存在しているでしょう。
イ:ちょうど今日は終戦記念日ですねと岩間さん。

少し先ですが、みほこさんが9月24日にオンラインセミナー『フィンランドで考える 人々を支える社会制度のこと』でお話しされるそうです。フィンランドについてもっと知りたいという方は、ぜひ!

▶︎ マトカトリ


おまけ:オートミール祭り開催中

配信では話にでませんでしたが、オートミール祭りを絶賛開催中です。

チーズリゾットで、シナモンシュガーで、野菜スープに。

ヨーグルトとブルーベリーとジャムで
(オーバーナイトオーツ!)

── いろんなひとがいて、いろんなことがあるから生きていられます。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。

text : harada

#020|Merely a Man – XTC