築地場外市場でフィンランド料理を味わおう!

フィンランドを旅行するとしたら、まずどこへ行きますか? 現地の雰囲気を肌で感じたいという方に おすすめするのが、マーケット/市場です。ヘルシンキには、ハカニエミマーケット(Hakaniemen kauppahalli)やオールドマーケットホール(Vanha kauppahall)、マーケット広場(Kauppatori)などがあり、観光客や地元の人も多く訪れる場所となっています。

一方、東京で最初に思い出されるマーケットといえば、みなさんご存知の築地場外市場ではないでし ょうか。2023年2月22日、築地場外市場内の「魚河学スタジオ」にて、NPO法人築地食 のまちづくり協議会とフィンランド大使館商務部の共催イベント『フィンランド料理を味わおう!』が開催されました。

目次


食でつながる築地とフィンランド

築地魚河岸スタジオ

SDGs到達度でも2022年世界第一位となったフィンランド。自然の恵みを活用し、食文化を守ってい くことが持続可能性へとつながるという共通の考えから、築地場外市場と大使館商務部との協力関係が 始まりました。その取り組みのひとつとして行われたのが今回のイベントです。


フィンランドの自然、暮らし、食文化

北欧旅行フィンツアーのノーラさんと星さん

イベントの講師を務めるのは、北欧旅行フィンツアーのノーラ・シロラさんと星まみさん。ご自身の 体験をもとにフィンランドの自然や暮らし、食文化について美しいスライド写真とともにわかりやすく 紹介してくれました。

まずはフィンランドの基本情報について。国名の由来・歴史・人口・国士から、ムーミン・オーロ ラ・デザイン・サンタクロースまで。参加者の約半数の方々がフィンランドへ行かれたことがあるとい うことでしたが、あらためてフィンランドのさまざまな魅力に気づかれたのではないでしょうか。

冬の長いフィンランド、みんな春が待ち遠しい

次に、フィンランドの四季へと話はつづきます。秋の紅葉とおうち時間。冬のスキー休み。新緑の 春。ノーラさんが一番のおすすめという夏のサマーコテージ。寝ること・食べること・サウナに入ること、そんなシンプルな生活そのものを楽しむことで、身体も心もリフレッシュできるそうです。

また、サウナの正しい入り方についてよく聞かれることがあるというノーラさん。「フィンランドの 人たちはまったく意識することはなく、自分が気持ちいいと感じることが正しいことです。正しくない 入り方というものはありません」。そうした日常的な幸せに対する考え方や、自分の思う道を見つけるといった態度は、フィンランドの幸福度にもつながるお話だと思いました。

夏の夜10時ごろ、サウナから海へ

さらに、フィンランドの食文化について。フィンランドの代表的な食材といえば、甘くて美味しいジ ャガイモ。6月頃に新ジャガの季節がやってくるとニュースにも取り上げられるとか。家庭ではサーモンスープといっしょにライ麦パンをいただきます。

ベリー摘み(なんとフィンランドには37種類も)にコーヒー時間(kahvitauko)、アイスクリームや サルミアッキについて。シナモンロール、カレリアパイ、ルーネベリタルト、ラスキアイスプッラなど、次々に美味しそうな写真が映るたびに参加者から声がもれます。


オープンサンドづくり実演

築地場外市場の食材をつかって調理

そしていよいよ、みなさんおまちかねのサーモンのオープンサンドづくり。使用するのはもちろん築 地場外市場で調達してきた食材です。新鮮な野菜は「築地米金」、やわらかいサーモンは「北田水産」 から。そして、鉄倉のライ麦ハウスベーカリーのライ麦パン!

新鮮でとても美味しいサーモンでした

中央テーブルの前に集まり、ノーラさんと星さんの調理をみなさんで見学します。ライ麦パンにクリ ームチーズを塗って、ベビーリーフ、レッドオニオン、サーモン、ピクルス、レモンをトッピング。味つけは塩こしょうのみ。てきぱきと作業しながら、質問にも答えてくれるおふたり。チームワークもばっ ちりです。

トッピングもていねいに美しく

フィンランドならではの浅煎りのコーヒーと一緒にみなさんで試食します。それぞれの素材の味がひ きたつシンプルな味のオープンサンド。たっぷりのディルと酸味のあるライ麦パンにもフィンランドを 感じます。

ノーラさんのおうちのレシピを再現したシナモンロールは、フィンツアーの運営するカフェ&ショッ プ『Hyvää Matkaa!』の定番メニューのひとつです。

サーモンのオープンサンドとシナモンロール

買い物の秘訣と質問コーナー

笑顔で質問に答えるおふたり

最後は、築地場外市場での買い物の秘映と質問コーナー。どこも目利きのお店が並んでいるので気軽 に相談してみてくださいと築地食のまちづくり協談会の鈴木さん。良いものを適正に取り扱うのが食文 化を支える、ひいてはSDGsにつながるのではないでしょうか、とのことでした。

イベント終了後、実際に場外市場で買い物をされている参加者の方をお見かけしたのですが、そんな 楽しみ方も今回のイベントならではだと思いました。

同じ食卓を囲むと急に垣根がなくなるようにみなさん和気藹々と会話が弾みます。フィンランドの珍 しい食材や現地で食べられる日本食、おすすめのカフェなど、ノーラさんへの質問もっきません。


新たな出会いにキートス

今回のイベントでは、日本の食材を使ったオープンサンドをいただきました。フィンランドの食文化 を通して、身近にある新鮮な食材や季節の旬を楽しむヒントをもらえたように思います。

マーケットは、人と人、人と物とが出会う場所です。築地とフィンランドが出会った今回のイベントで、加された皆さんにも新たな出会いや発見があったのではないでしょうか。

最後に、文字通りフィンランドと日本をつなぐ架け橋となって活躍されている北欧旅行フィンツアーの ノーラさんと星さん。楽しいお話と美味しい料理をどうもありがとうございました、キートス!

text & photo : harada