kokoti cafe 〜 絵本のなかのお店
そして、約束していたkokoti cafeへ。開店時間までまだすこし時間があったので周辺を散歩することにしました。名古屋を訪れるのは三度目くらいなのですが、お店の近くにある東山動植物園にはいちど来たことがありました。なだらかな丘にあって、おもしろい動物園だなとおもったことを憶えています。その前を通りすぎて、平和公園くらしの森へ。
森のなかへ入っていくと、動物園のコアラのえさになるユーカリ畑がありました。とてもしずかで人にまったく会いません。自然と自分ひとり。フィンランドの街で森に入るということは、こうした感覚なのかもしれないとおもいました。しばらくすると、ことしはじめてのウグイスの声がきこえてきました。まだまだへたっぴで笑ってしまいます。

kokoti cafe(ココティ カフェ)は、フィンランドのほっこりごはんとおやつのお店。2014年オープン、2020年に現在の名古屋市一社に移転され、昨年10周年をむかえられました。併設されているBook Gallery トムの庭は、絵本や児童文学などをとりあつかわれているお店です。こちらはなんと30周年。

お店の扉をあけると、右側には秘密の部屋のようなトムの庭、こちらはあとのおたのしみ。左側がkokoti cafeへの入り口です。白い壁には絵やイラストが飾られ、天井も高く、どこか美術館のような雰囲気。お店では、いろいろなジャンルのミュージシャンによるコンサートや「夜の本屋」という読書会などのイベントが開催されます。注文をまつあいだ、ずっとその情景をイメージしていました。

サーモンスープのランチがやってきました。新鮮なサーモンに皮つきのごろっとしたじゃがいも、あさりやネギもはいっていて、とても親しみやすい味です。京子さんのお人柄があらわれているかのように、ほっとするようなおいしさでした。次回おとずれたときには、ミートボールのランチをいただきたいとおもっています。

そしておとなり、トムの庭へ。やはり絵本は表紙をみたいところ、四方の棚にずらりと並んでいました。オーナーのトムさん(月岡さん)は、学生のころにフィリパ・ピアスの『トムは真夜中の庭で』を読んで、本に携わる仕事をしようと決心されたそうです。出版社などでお勤めになられたあと、トムの庭をオープン。50年にわたって書籍や絵本、児童文学などを紹介されてきました。一冊なにか持ち帰りたいとおもっていたのですが選びきれませんでした。おすすめをお聞きすればよかったです。

お店にもイラストや絵画作品が飾られているイラストレーターのスズキカホさんが、留学先のノルウェー・ベルゲンで最初に製作された絵本もみせていただきました。カホさんのイラストは、Juhla Festivalのメインヴィジュアルで、ごらんになられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。主人公の男性がトムさん(この日の服の色がまったく同じでびっくり)にも、カホさんにもおもえて、おもしろいなあとおもいました。カホさんは現在フィンランドで暮らされているそうです。

kokoti cafeとトムの庭。明るくさっぱりとした京子さんとおだやかな気配りのトムさん。ふたりはいつも、ふたりはいっしょ。おふたりの姿をみながら、アーノルド・ローベルの絵本をおもいだしていました。ずっと読みつづけていたい絵本のような、時を忘れてすごしたくなるような、とても居心地のいいお店でした。またうかがえる日をたのしみにしています。
次は「Cafeひなぎく 〜 あたたかいフィンランド料理」をお届けします。