フィンランドやエストニアで人気のアーティストたちによる水彩や油彩、版画を厳選
ここ日本で、北欧のアートに触れることのできる機会はまだまだ決して多くはありません。絵本でたまたま目にしたり、北欧の家庭にさりげなく飾られているのを見て気になっても、そうしたアートと出会うためにはどこに行けばよいのかわからない、そういうひとも少なくないと思います。 そんな北欧のとりわけフィンランドとエストニアを中心としたアーティストたちによる油彩や水彩、版画などを展示販売する「北欧絵画展」が、この秋、金沢、仙台、京都をはじめ各地で開催されます。
日本人の好みや住宅事情にも目配りのきいたセレクト
今回は、フィンランドから V・ケンパイネン、T・ヴァルスタ、J・トゥオミネン、またエストニアから J・ミルダバーグ、R・L・トゥーンペレ、T・ローシモルデルといったアーティストたちの作品が並びます。それぞれ、その作品が絵本化されていたり、書籍の挿画や切手の図案に採用されていたりと、本国ではおなじみの顔ぶれです。
展示を企画するガレリアナナは、1996年から北欧のアートを日本に紹介してきたスペシャリスト。作品を取り扱うにあたっては、その経験を生かし、日本人の嗜好や住環境も考慮してセレクトされています。気軽に相談しながら自分に合った一枚を選ぶことができるのも、お気に入りの一枚に出会える確率を高めてくれるポイントです。
「絵を飾る」よろこびを北欧のライフスタイルから学ぶ
以前、フィンランドの首都ヘルシンキで、港につづく坂道の途中にたたずむこじんまりとしたギャラリーを訪ねたことがあります。日本とちがい、いかにもご近所さんといった風情の人たちがふらりとやってきては、主人と談笑しながらお気に入りの絵をみつくろっている姿がとても印象的でした。
しばしば、北欧の長い冬は、数々のインテリアデザインの名作が誕生した背景として説明されます。室内で過ごす時間が長いからこそ、北欧の人たちは自分の家を居心地よく演出することをなにより大切にしてきたというものです。
たしかにフィンランドのギャラリーで目にした光景からも、美術品を蒐集し愛でるためというよりは、好きな絵を部屋に飾ることで自分のこころの栄養とするためという雰囲気がありありと伝わってきました。北欧の人たちにとって絵を買うことは、とりたてて「特別」なことではないのです。
ここ日本でも、新型コロナウイルス感染症の影響によりかつてないほど「おうち時間」の質が問われています。家で過ごす時間が、日々の自分の暮らしの真ん中にあることをあらためて知り、見直そうという機運が生まれています。ぜひこの機会に、北欧の人たちから愛され、親しまれているアーティストたちの絵に触れ、毎日を上機嫌に過ごすためのこころの栄養を探してみてはいかがでしょう。
金沢 香林坊 大和 6階アートサロン
タイトル : 北欧の絵画展
会期 : 10月6日(水)~ 12日(火)(終了しました)
営業時間 : 10時~19時(最終日16時閉場)
https://www.daiwa-dp.co.jp/kohrinbo
仙台三越 本館7階アートギャラリー
タイトル : 北欧絵画展
会期 : 11月3日(水)~ 9日(火)(終了しました)
営業時間 : 10時~19時30分(最終日16時30分閉 場)
https://www.mitsukoshi.mistore.jp/sendai.html
丸善 京都本店(河原町通 BAL)B2 Maruzen gallery
タイトル : 北欧の絵画展
会期 : 11月5日(金)~ 11日(木)(終了しました)
営業時間 : 11時~20時(最終日16時閉場) https://honto.jp/store/detail_1570144_14HB31 0.html
* 営業日、営業時間、会期等は予告なく変更となる場合があります。直前に各店舗のウェブサイトにて ご確認下さい。また上記のほか、年内に福岡、東京、飯能、新潟の各地でも開催が予定されています。
text:iwama