2018.10
> 2018.9
2018.8

29.08.2018-31.08.2018
2018.9.2|art & design

◎ 29.08.2018

すっかり宿題(日記)をためこんでしまった。

宿題といえば、子供のころはいつもきまって8月31日に泣きながら、深夜までかかって片づけたものである。〝体罰フリー〟なあの時代、宿題をやらずに始業式に出るというのは、指を詰めさせられても仕方ないくらいの覚悟を必要とした。いまは、宿題を出さなくてもたいして叱られることもないと聞いたのだがほんとうだろうか? それに、だいたい新学期じたい最近では9月1日にスタートすると決まっているわけではないらしい。おなじエリアでも、学校によっては8月の最終週から始まったり、9月から始まったりとバラバラなのだとか。

そんなに長く生きたつもりもないが、それでも「宿題は8月31日の深夜に泣きながらやるもの」という「あるあるネタ」がもはや通じない世の中になっている。

◎ 30.08.2018

つい先日のこと、赤坂の迎賓館で藤田嗣治の絵を観てきた。もともとは、昭和10(1935)年に当時銀座にあった洋菓子店「コロンバン」の天井画として制作されたものだが、戦後その6点すべてがここ迎賓館に寄贈された。じつはここしばらく、ぼくはとある関心から戦前の「銀座コロンバン」についてずっと調べている。その関係で、どうしてもこの一連の藤田の天井画をいちどこの目で見ておきたかったのである。

6枚の絵にはそれぞれ、リンゴの樹、オリーブ、樫の木、ポプラの木、葡萄、それに柳がロココ調の淡い色彩で描かれ、四季の移ろいや田園風景とともに母子や恋人たちの様子が優雅な筆致で表現されている。そのボンボンのような甘美さは、本場のフランス菓子にこだわった「コロンバン」の店内を彩るにふさわしい。以前見た古い写真では、これらの作品は天井画といっても客席の真上にではなく、客席の両サイドに3枚ずつ窓の上に角度をつけて飾り付けられていた。パノラマではないものの、どの作品もおなじように絵の上1/3ほどが絹糸のような雲がたなびく水色の空になっているのは、目の端にはいったとき、空が頭上に広がっているような視覚的効果をあたえるのを狙ってのことだろう。

藤田は、この作品を描き上げる2年前の昭和8(1933)年、いったんパリでの生活を切り上げ帰国している。帰途、藤田はブラジル、アルゼンチン、ペルーといった南米各地に立ち寄りそこで多くの刺激を受けているが、なかでも強い印象を受けたのはメキシコの壁画運動だった。藤田によれば、当時メキシコでは国がベテラン、新人にかかわらず巨大な壁画の制作を画家に依頼し、国民が知らず知らずのうちに芸術に触れるような機会を生み出していたのだった。いわゆる「パブリック・アート」である。

帰国した藤田は、経済的理由もあるが、なにより「不調和不整理の見本」ともいうべき東京に美意識を根づかせるべくパブリック・アートとしての壁画を熱心に制作するようになる。そして、昭和9(1934)年のブラジル珈琲宣伝販売所(銀座・聖書館ビル)を皮切りに、日本各地の百貨店や小売店を舞台に巨大な壁画作品を発表してゆく。コロンバンの天井画もまた、そうした一連の流れのなかで制作されたものである。

コロンバンとしても、ちょうどこの昭和10年はひとつの「節目」にあたる年だった。当時、銀座にあった店舗ふたつのうちひとつを閉め、銀座6丁目の角(現在アバクロがあるところ)の本店にすべてを集約することにしたのである。ついては、よりお菓子は本格的に、客席は豪奢にする必要があり、オーナー門倉國輝とも親しかった藤田嗣治に6点の天井画の制作を依頼したのだった。藤田としても、知らず知らずのうちに客が目にすることになるカフェの天井画の制作依頼は、パブリック・アートという点においても願ったり叶ったりだったろう。

戦前の一時期、多くの芸術家や実業家たちがこの絵の下でコーヒーを飲み、お菓子を楽しんでいたと思うと、もうそれだけで時代のざわめきが聞こえてくるようにさえ感じられるのだった。

◎ 31.08.2018

お店を開けて、その日最初のお客様が感じのいいひとだと、その日1日とてもよい日になりそうで気分よいスタートが切れる。きょうがまさにそんな日だった。なので、開店間もない時間に足を運んでくださるお客様は、ぜひ通常の2割増しくらいの笑顔でお越し願えればと思います。

そして9月8日[土]のアアルトコーヒー庄野さんとのイベント「ミステリと、アアルトコーヒー」お席が半分ちょっと埋まってきました。お早めに。ミステリとか知らなくてもぜんぜん楽しめるイベントになると思いますのでぜひ。すでにお申し込みのお客様からは、庄野さんと岩間がふたりで喋っているところを眺めるのが楽しみという声もいただいております。まあ、たしかにレアな光景にはちがいない。ご希望なら一緒に記念写真も撮りますよ。笑

01.09.2018-02.09.2018
2018.9.3|column

◎ 01.09.2018

夢のつづきで、わけの分からないことを考えながら目をさますことがある。それまで見ていた夢ときっとなにかしら関係があるのだろうが、肝心の夢の中身はすでに忘れてしまったいるので、ただ「それがなんだよ」というモヤモヤした気分だけを起き抜けに味わうことになる。たとえば、今朝、起きると同時に頭に思い浮かんだのはこんなことだった。──「警官が、うっかり非番の警官に職質してしまう頻度はどれくらいなものか」。

なんだそれは。自分がどんな夢を見ていたのか、むしろ気になるところだ。とはいえ、たしかに「非番の警官」はわりかし職質されがちなんじゃないかという気もする。だいたい目つきが悪い。職質を回避するため、先に敬礼などしてさりげなく身分を明かしたりするのだろうか。それとも「同業者」を見分けるコツなど実はあったりするのだろうか。こんど、警官をやってるいとこに尋ねてみよう。

土曜日は一日中すっきりしないお天気。降ったり止んだり、場所によっては雷雨があったり。週末らしいにぎわいとは程遠い1日。弱ったものである。

帰りがけに、メンバーからの「うれしいお知らせ」があると聞き、新宿タワーレコードの「フィロソフィーのダンス」インストアイベントに立ち寄る。開始ギリギリに到着したためイベントエリアには入場することができず、外側の売り場から眺める。そしてその外側にもひとが溢れていて、回を重ねるごとに目に見えてファンの数が増えていることを実感する。まさに「ブレイク前夜」的光景。インストアでのイベントもそろそろ限界というところまで来ているようだ。「うれしいお知らせ」は、12月16日の品川ステラボールのワンマンライブを皮切りに、全国9カ所を回る初のツアーが決定とのニュース。とくに東京公演は前回同様バンドセット、しかもよりパワーアップした内容になるとのことで、12月16日は当店ランチタイムのみの営業となることが決定いたしました!?

◎ 02.09.2018

日曜日。夏のあいだスイスではたらいていたスタッフが帰国、またしばらく店を手伝ってもらうことになった。さっそく仕事の話だけでなく、滞在中のエピソードなどスイスにまつわるあれやこれやを教えてもらう。たとえば、「スイス三大名花」とはリンドウ、アルペンローゼ、それにエーデルワイスのことを指す、とか。

ところで、エーデルワイスと聞いてまず真っ先に思い出されるのは小学校で教えられたミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の挿入歌である。♪エ〜デルワ〜イス、エ〜デルワ〜イス、か〜わいい花〜よ〜というあれだ。そしてべつに調べることもないまま、なんとなく純白の可憐な花なのだろうと思ってきょうまできたのだが、せっかくなのでこの機会にとググってみた。なんか、ちょっと想像してたのとちがった。興味のある方は検索してみてください。

それと、おみやげにもらったチョコレートのパッケージに「Nice To SWEET You」と書かれているのを見て、なにもダジャレ好きは日本のおっさんだけじゃないんだとホッと(?)したのだった。

それはそうと、ここ3年くらいというもの、低空飛行どころか、そのまま海に潜ってついには深海にまで達してしまうのではないかという精神状態で過ごしてきた。そして、このままずっとカレイのように海底の砂に潜って静かに生きてゆくのだろうなあとぼんやり考えていた。ちなみに、一見したところそんなふうには見えないところがぼくのすごいところである!?

ところが、やはりそうは見えないだろうけれど、そんなぼくもここに来て急浮上しつつある。まあ、自力でというよりは引き揚げてもらっている感覚の方が強いけれど。そんなわけで、今年の初め、気分を変えようと何年ぶりかで買い求めたもののそのまま放ったらかしになっていた手帳にも急に予定などマメにつけ始めたりして。

フィンランドのカルチャーについておしゃべりします
2018.9.6|event

9月15日[土]19時より、一風変わったイベント(のようなもの)を開催します。

先日、『北欧デザインの巨人たち あしあとをたどって。』(ビーエヌエヌ新書)、『北欧とコーヒー』(青幻舎)、『ストーリーのある50の名作椅子案内』(スペースシャワーネットワーク)などなど数々の著書でおなじみのデザインジャーナリスト萩原健太郎さんから、唐突にこんな話を持ちかけられました。

「え〜と、取材でフィンランドの音楽とか映画とかの話について岩間さんに聞かせてもらいたいんですけど、せっかくだから興味あるひとも一緒に参加できるよう公開しません?」

そして、なんだかよくわからないうちに「あ、うん、いいですよ」と返事をしてしまっていて、気づけば日程も決まってしまいました。もちろん、いくら好きとはいえ、ぼくはフィンランドの映画や音楽についてのスペシャリストではありません。なので「お勉強」的なお話はできないと思いますが、映画や音楽などフィンランドのカルチャーを通してぼくのかんがえる「フィンランドらしさ」をお伝えすることはできるでしょう。

というわけで、萩原さんとぼくとの北欧談義のような感じになると思いますが、「フィンランド同好会」みたいなノリで一緒になって話を聴いていただける方のご参加をお待ちしております! 漫才にならないよう気をつけます。。

◎ 公開インタビュー「フィンランドのカルチャーをめぐって」
 日時 9月15日[土]19時より20時半
 会場 カフェモイ(吉祥寺)
 出演 聞くひと:萩原健太郎(デザインジャーナリスト)
    聞かれるひと:岩間洋介(moi店主)
 参加費 1,000円(お茶代)

お申し込みは、メールでお名前、人数、お電話番号を添えてお申し込みくださいませ。返信をもって受付完了とさせていただきます。

9/9追記 おかげさまをもちまして満席となりましたため、いったん受付は締め切らせていただきました。キャンセル等が出た場合、あらためてご案内させていただきます。 

すでにとてもゆる〜い会になりそうな気がしておりますが、お気軽にご参加ください(一緒におしゃべりしましょう)。

03.09.2018-07.09.2018
2018.9.8|korvapuusti

◎ 03.09.2018

めずらしいものをいただく。

ひとつは「ノルウェーの粉を使ったシナモンロール」で、谷中にある「VANER(ヴァーネル)」というパン屋さんのものだそう。生地をよって、丸めたようなその独特のかたちはスウェーデンのシナモンロールに似ている。フィンランドのシナモンロールとおなじくカルダモンの風味が効いているが、これは北欧のシナモンロールに共通する特徴。そして、肝心の生地はというと全粒粉だろうか、噛んだときの小麦の「つぶつぶ感」がおいしい。マヤさん、ごちそうさまでした。それにしても、「ノルウェーのシナモンロール」まで手に入る東京、すごい!! 「フィンランドのカフェ」もあるしね。

そしてもうひとつ、こちらはサユリさんよりいただいたベラルーシのチョコレート。毎度立ち止まって、え〜と、なんだったっけ!? とかんがえないことには「ベラルーシ」という単語が出てこない。それくらいなじみの薄い国。そういえば、たしか女優の岸恵子のエッセイに『ベラルーシの林檎』と題されたものがあった気がする。その程度に知識しかないので、もちろん場所などよくわからない。ざっくりウクライナとかグルジアとか、だいたいそのあたりな気がする。

さて、いただいたチョコレートだが、まず最初に目に飛び込んでくるのは包装紙に描かれたクマの姿。いかにも70年代のソビエト風とでも言うか、チェブラーシカやユーリ・ノルシュテインのアニメを彷彿とさせる独特の愛らしさ。さらに、なにやらチョコレートの表面のデザインにものすごいこだわりが感じられる。そして包装紙にこれでもかとばかりラズベリーの絵が描かれていたものだから、キリル文字は読めないがこれはきっとラズベリー味にちがいないと思って食べてみたら、なんと、ふつうにおいしいミルクチョコレートであった。ベラルーシ手ごわい。ちょっとベラルーシという国について調べてみたくなった。

◎ 04.09.2018

猛烈な台風が西日本に接近中。その余波で、東京も強い風が吹き荒れる。あまり外を移動することはできそうもないので、土曜日のイベントの下準備のため、アアルトコーヒーの庄野さんがおすすめするミステリを抱えて喫茶店へ。人生初の赤川次郎。

不意に思い出し、豊島区立郷土資料館で『江戸園芸資料コレクション』展をみる。現在の巣鴨、駒込あたりは、かつて江戸の周縁部にあたる農村地帯であった。そこでは、やがて観賞用の菊、桜草、万年青、それにさまざまな植木がつくられるようになり、江戸の町内に供給する一大生産地となる。

この展覧会では、当初スペクタクルとして多くの観衆をあつめた観賞用の菊人形や品種改良した菊などにはじまり、やがて個人の楽しみとして「趣味の園芸」化することで珍種、寄種の競い合いやマニュアル本のヒットなど園芸を取り巻く変遷を資料をつうじて辿ってみようという試み。思いのほか楽しめた。風がだいぶ強くなってきたので、早々に帰宅する。

◎ 05.09.2018

近畿に甚大な被害をもたらした台風21号、さらに震度7という激しい地震により北海道全体を停電に陥れた北海道胆振東部地震。被害に遭われたみなさまには、1日も早く日常の暮らしが戻るよう祈らずにはいられない。

それにしても、ほかにも大阪府北部地震、西日本豪雨など数十年に一度と言われるような災害がわずか3ヶ月ほどのあいだに集中して起こっていることは、まさに非常事態といってよいと思う。オリンピックが直接的な復興支援になるのならともかく、逆に本来なら1日も早い復旧のために必要とされる時間、お金、ひとを奪い取ってしまうものであることを思えば、即時中止するべきではないか。国家の一大事に「体面」とか気にしている場合ではないのである。

はたして、そんななかまだオリンピックをやりたいとしたら、それはいったい誰がやりたいのか? アスリート? 政治家? 広告代理店? ゼネコン?…… いまやらねばならないのは、そこをハッキリ可視化させることなのではないか。

◎ 06.09.2018

面倒見のいいことでは定評のあるミツヨさんが、職場でバイトしているという韓国の女の子と一緒にご来店。とても礼儀正しい女の子で感心する。たとえば外国に行ったとき、自分だったらああいう挨拶やちょっとしたひとことをすかさず言えるだろうか。とっさには言えないだろうなあ。

ちなみに和菓子職人のミツヨさんは、なぜか最近パフェばっかり作らされているそうである。そして、秋の新作「栗といちじくのパフェ」(2,160円也)が超オススメの自信作とのこと。食べたい。これを「自分へのごほうび」にするには、はたしてどれだけのことをすればよいのやら。要検討。

そのほか、うれしいサプライズもあった1日。

◎ 07.09.2018

先日、デザインジャーナリストの萩原健太郎さんとのあいだでこんなやりとりがあった。ちなみに、萩原さんは『北欧デザインの巨人たち〜あしあとをたどって』(ビーエヌエヌ新書)、『北欧とコーヒー』(青幻舎)、『ストーリーのある50の名作椅子案内』(スペースシャワーネットワーク)などなど、北欧関連やデザイン関連の本をたくさん書かれているひとである。

萩原「こんど、フィンランドの映画とか音楽について岩間さんから話を聞きたいんですけど……」

岩間「取材ということですか? いいですけど、でも、そのへんについては専門家ではないので、こういう人やこういう作品があって、そのこういう部分がとても「フィンランドっぽい」と思うといったようなことしかお話しできませんけど……」

萩原「それでOKです。で、せっかくなんで、こういう話ってたぶん興味があるひとけっこういると思うんで、いっそ公開取材ってことにしませんか?」

岩間「???」

ということで、気がつけば9月15日[土]19時より萩原健太郎(きくひと)+岩間洋介(きかれるひと)という謎の「公開インタビュー」イベントをやることになりました。お茶付き1,000円でカジュアルにみんなで楽しむ会です。特に、フィンランドのカルチャー方面に関心のある方にご参加いただけるとうれしいです。参加ご希望の方は、お手数ですがメール(cafemoimoi@ybb.ne.jp)にてお名前、人数、お電話番号をお知らせください。お待ちしております。

08.09.2018-09.09.2018
2018.9.10|event

◎ 08.09.2018

夜、徳島よりアアルトコーヒーの庄野さんをお迎えして「ミステリと、アアルトコーヒー」なるイベントを開催。

アアルトコーヒーの庄野さんといえば、じつはたいへんな読書家で、しかもかなりの「ミステリ通」である。いっぽうのぼくは、いわゆるミステリを読むようになってまだ数年というビギナー。そのため、これまでにもよくおすすめのミステリを庄野さんから教えていただくということがあり、そんなこんなでいつか庄野さんに好きなミステリについて思い存分語り倒してもらうような超マニアックなイベントをやろうと話していたのである。それがようやく日の目を見た。

今回は、ぜんぶで10冊の思い入れのあるミステリを選んでもらったのだが、うち3冊は「庄野さんをミステリ好きにした出会いの一冊」「庄野さんにとっての永遠の一冊」、そして「庄野さんが選ぶミステリ入門者のための一冊」とし、残りの7冊(結果的に9冊になったけど)は「コーヒー」「警察もの」といったキーワードを挙げて紹介していただいた。イベント前、もし「道場破り」みたいなマニアなお客さんが来たらどうしよう? などとふたりしてドキドキしていたのだが、実際にはいかにも本好きな朗らかなお客様たちばかりで、後半は参加されたみなさんの好きなミステリなどにも耳傾けつつ愉快な時間を過ごすことができた。ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました! そして、おそらくこの日最大の見ものといえば、コーヒーを語るとき以上に真剣かつ夢中な庄野さんの表情だったのでは?

イベント終了後、お客様がだれひとり席を立つことなく、しばらくお客様どうしでなごやかに情報交換などされていたのがふだんあまりない光景だけに印象的だったのだが、その間ずっと放置プレイ状態だった庄野さんとぼくはかなり虚しい気分であったことをつけくわえておく。次回、年内にカジュアルな読書会スタイルで続編をやろうという話にまとまったので、興味のある方はぜひご参加ください。お楽しみに。

◎ 09.09.2018

フィンランドで、「オーロラ監視員」というアルバイトがあるそうだ。日本の旅行代理店が募集しているらしい。極寒のラップランドで一晩じゅう夜空を監視し、出現したら知らせるのがそのおもな業務。応募条件は「眠気に強いひと」。自信のあるひとはいかが?

10.09.2018-11.09.2018
2018.9.12|event

◎ 10.09.2018

しごとの合間に、土曜日のイベントにむけた準備を少しずつ。今回のイベントはいつもとちょっとばかり趣向がちがっていて、ライターの萩原健太郎さんを相手にぼくがフィンランドの映画や音楽について知っていることを受け答えしなければならない。責任重大。

正直、カフェの店主がフィンランドの映画や音楽について取材を受けるというのは場違いな気がしなくもないが、長く「フィンランドのカフェ」というけったいなコンセプトで店をやっているおかげで、映画や音楽をふくむ多彩な情報が日常的に飛び込んでくるという環境にある上、それとともに思いがけずさまざまなネットワークが築かれてゆくという実状もあるので、自然と「広く浅くフィンランドを知っているひと」にはなっているかもしれない。専門家ではないので滔々とうんちくを語るというわけにはいかないが、音楽や映画をとおしてフィンランドという国を楽しく面白く味わうためのちょっとしたコツのようなものは提示できるかもしれないし、そんなふうに「ご試食いかがですか〜?」とサイコロ状に刻んだフィンランドにつまようじを刺してみなさんに声をかけることにこそぼくの役割があるのかもしれないと思い引き受けた。以上、先にエクスキューズしておきます。

◎ 10.09.2018

ちょっと気がかりなことがあったので、予定を変更して池袋でやっている古本まつりへ。本の背表紙を眺めることに、鎮静効果を感じるのはぼくだけでしょうか?

けっこう丹念に見たつもりだったが、いま調べていることに直接的に関わりそうな収穫とは出会えずじまい。アプローチの仕方がまちがっているのだ。薄々感じていたことではあるけれど、古本まつりのようなイベントの場合、なにも考えずただぼんやりと眺めているときのほうが掘り出し物にあたる確率が高い気がする。欲を出しすぎてよいことはないが、だからといって欲がなければ目標にたどり着けないのもまた事実。やはりアプローチの仕方なのだ。

古本の話とはまたちがうが、もともと「欲」をオモテに出すのが得意ではない。それによって損をしたことも少なくない気がするが、欲を出して結果が出なかったときの虚無感や喪失感をなにより恐れているからかもしれない。ときどき思い直して「欲」を前に出してみたりもするのだけれど、相変わらずうまくゆかないことの方が多くため息ばかりが量産されてゆくのだ。

13.09.2018
2018.9.13|column

不意に秋がやってきて、いったいなにを着ればよいのかわからない。とりあえず羽織るものだけ持って夏とおなじ恰好で出かけたのだが、けっきょく一度もカーディガンの出番はなかった。夏かよ。

とはいえ、朝晩はもうだいぶ涼しくなって、いよいよあたたかい飲み物がおいしい季節到来!! である。夏のあいだ引きこもっていたみなさん、出番ですよ!! なお、今週末はイベントのため土曜日のみ17時30分閉店となりますが、日曜、月曜は正午より19時まで営業いたします。お店でお会いしましょう。

14.09.2018
2018.9.14|column

すこしだけご無沙汰だったお客様から、夢に出てきたからこれは行かなくちゃと思って来た、と言われる。いよいよぼくも、なんだかわからんけど「すごい力」を身につけてしまったようだ。これを読んだみなさんの夢枕にも出没するかもしれないので、その際には大人しく出頭するように。

用事があって知り合いのフィンランド人に電話したら、「墓のセールスだと思った」と言われた。道理で、やけに感じのわるい電話の出方ではあった。てか、なんで「墓」なんだよ!

さて、土曜日のイベントだが(なんどもうるさくて申し訳ないが、終わるまではとにかく落ち着かなくて……)、ほぼほぼ喋りたいことは固まってきた感じ。ざっくり言うと、メタルを流しつつアキ・カウリスマキとムーミンの意外な共通点について熱く語る予定。ご来場くださるみなさん、どうぞお楽しみに。

14.09.2018-17.09.2018

2018.9.18|column

◎ 14.09.2018

昼過ぎまで雨がパラつく。こんな空模様だし連休前だし、きっと暇だろうなあとタカをくくっていたら思いのほか忙しくさせていただく。ありがたい。ここのところずっとボーッとしているが、仕事になればそれ相応にスイッチが入るのはさすがオトナだな、と我ながら感心する。あたりまえ、か。

◎ 15.09.2018

ヴィジュアル系バンドのメンバーたちが、閉塞状況にある業界を憂い、今後どうあるべきかについて真剣に語り合うという内容のテレビ番組をスタッフが観たそうだ。すっごく観たいな、それ。番組名ちゃんと聞いておけばよかった。

夜は、デザインジャーナリストの萩原健太郎さんによる「公開取材イベント」。前日フィンランドから帰国したばかりのお客様、なんと当日の朝帰国したばかりというお客様もふくめ満員御礼。フィン好きさんたち、あいかわらずアツいです。

今回はおもにフィンランドの映画、それに音楽について知りたいというリクエストが事前にあったので、みつくろった動画をいろいろご覧いただきながら説明をくわえてゆく。

まずは、映画。「戦争」「こども」「アキ・カウリスマキ」というキーワードから、フィンランドの映画作品に通底すると思われる普遍的テーマを知っていただくことに。さらに、これは「ムーミン」の世界観ともつながっていることに注目。

音楽については、北欧というひとことでは到底くくることのできないフィンランド音楽ならではの独自性と多様性とについて、それそれ「ガラパゴス」「シベリウス音楽院」というキーワードから説明させていただいた。トラッド、ジャズ、メタル、EDMからアイドルまで、ふだんモイではまずかからない音楽をガンガン流して楽しかった。

スペシャリストではないので個々の作品についての知識は限られているが、こうした作品が生まれてくる背景、フィンランドらしさ(「スオミ臭」)を探り当ててゆくような作業はなかなかおもしろかった。萩原さん、貴重な機会をありがとうございました! そして、いつもながらお集まりいただいたみなさんの笑顔に助けられました!

◎ 16.09.2018

三連休の中日(ちゅうにちじゃなく、なかび)らしい人出。ここのところ眠りが浅めだったので、何年振りかで缶ビールなど買ってみる。ちなみに「ほぼ下戸」。

下戸のひとはわかると思うが、まず「気持ちよく酔っ払う」というのがよくわからない。ふつう、飲む→酔う(気持ちい、楽しいetc)→気分悪い、というのが本来の飲酒フローだと思うのだが、飲む→気分悪いというのが下戸である。じゃあ、ちょっと飲めばいいかと思うとそういう話ではないのが、また恨めしい。ちょっと飲む→ちょっと気分悪いとなるだけなのだ。缶ビール1本飲んで、それなりに具合が悪くなりつつ眠くなってきたので寝る。

◎ 17.09.2018

胸焼けとともに目がさめる。胃腸が荒れているところにビールなど飲んだせいである。二日酔いってこんな感じなのだろうか? と胃をさすりながら出勤。三連休の最終日はいつもそうだが、風船がしぼむみたいに一気にお客様が消えてしまう。しかも、夕方突然の雨に見舞われてゲームセット。お天気はよくないが、気分的には少しだけ空が高くなった、かな。

18.09.2018-19.09.2018
2018.9.19|column

◎ 18.09.2018

このあいだテレビで、最近発見されたという晩年の藤田嗣治が吹き込んだ音声テープが紹介されていた。後世に肉声のテープを遺そうと思った理由が淡々と語られた後、人生の終盤を迎えつつあるそのときでさえなお枯れることのない旺盛な創作への情熱がなぜか芝居仕立てで本人によって唐突に演じられるのがおもしろかった。

そしてさらに興味深かったのは、これについて浪曲師の玉川奈々福さんが、「芝居」ではなく明らかに「浪曲」の節回しであり、また啖呵であるとツイッターで指摘されていたことだ。奈々福さんによれば、じっさい藤田はフランスで二代目広沢虎造の浪曲を愛聴していた形跡があるという。ただし、藤田のはかならずしも「虎造節」というわけではないらしいが。

そういえば、ぼくの好きな久生十蘭の小説『魔都』にしても、最初の「口上」からしてまさに「講談」そのものである。もともとは雑誌「新青年」に連載されていたことを思うと、いわば講談の続き物のようなつもりで考えていたのかもしれない。藤田はもちろん、久生十蘭もフランス遊学の経験をもつ「モダニスト」である。当時としてはバリバリのモダンな感覚の持ち主であるはずの彼らがそうなのだから、ぼくらが想像する以上に当時の日本人にとって講談や浪曲は自分たちの血であり、また肉であったのだろう。

午後、ちょっと日本橋、銀座界隈を買い物がてら散策したのち、自宅にもどりネットで映画を観る。なにも考えずただ笑えるもの…… と思って探したら、三谷幸喜が監督した『ラジオの時間』があった。かんがえてみれば、三谷幸喜の映画ってちゃんと観たことがない。

生放送のラジオドラマをめぐるドタバタ劇だが、これはもう、プロットというか完全にキャスティングの勝利だよなあ。つまらなくなりようがないよ。そして、オヒョイさんも細川俊之もこの世にいないのか、と思いちょっとしんみりする。

◎ 19.09.2018

そこそこ涼しく、そこそこ天気もよいのにひまな1日。目にみえないだけで、じつは地上にも「黒潮」のような流れが存在していて、それがお客さんを運んできたり、遠くに連れ去ったりしているのではないかと密かにかんがえているのだが。

ひまなので、いろいろ溜まっていた事務作業をガシガシとやっつける。虚しいが、それなりに有意義な1日。あしたにはきっと潮の流れが変わりますように。

20.09.2018-24.09.2018
2018.9.24|column

以下、最近あったことを箇条書きで。

◎ 朝、元気をだそうと思い人気のない道で変顔しながら歩いていたら、脇のマンションから出てきたひとにがっつり見られる。

◎ V系好きのスタッフから教えてもらった、ヴィジュアル系4バンドのメンバーたちが「業界の未来」について居酒屋で真剣に語り合うというテレビ番組を観る。それぞれのバンドにしっかり熱狂的なファンがついているためワンマンが基本で対バンはあまりやらないとか、インディーズにもかかわらず武道館や幕張メッセでのワンマンライブを成功させているバンドがいるとか、いろいろ知らなかったことも多い。

V系に対する敷居を低くしたいというあるメンバーいわく「俺らって、無口とか、なんならメシも食わないと思われてるじゃないすか?」…… そ、そうなんだ。あと、みんな居酒屋で飲み食いしながら語っているのに、ひとりマスクを決してはずさないひとがいて謎だった。あとでスタッフに確認したところ、そのひとはいまだかつてマスクをはずしたことは一度もないのだとか。そしてそれは、衣装や詞、ジャケットデザインなどへのこだわりにも表れていて、すべてに対して固有の美意識があってけっしてブレない姿勢には感心した。登場した4つのバンドのうち、個人的にいちばんよかったのはBugLug、ちなみにスタッフは己龍のファンだそうです。笑

◎ インスタグラムに元スタッフが職場で顔面を負傷したと投稿しているのを見て、心配してビックリした顔文字をつけたつもりが、寝ぼけていたせいで手が滑って「爆笑」の顔文字をつけたまま寝落ちしてしまい、翌日必死のフォローに忙殺される店主。

2018.10
> 2018.9
2018.8