発売中の雑誌『chouchou(シュシュ)』の特集「雑貨天国!吉祥寺」にてmoiが紹介されています。
吉祥寺のショップスタッフ4人がお気に入りの雑貨屋さんを紹介するという企画で、moiからもスタッフの日置さんが文句ナシでおすすめの絶対に外せない3店を紹介しています。そして吉祥寺の雑貨屋さんめぐりに疲れたら、ぜひぜひmoiで一服を。ご来店お待ちしております。
この三連休、吉祥寺はものすごい人出だった。土曜日こそ「雪」の予想(じっさいに降り始めたのは夜になってから)でふだんよりは落ち着いてはいたものの、日曜日、そして祝日だったきのうはちょっと息つく暇すらないような忙しさで、こうなってくるとこの仕事、もうほとんど「スポーツ」です。飲食の世界に「体育会系のひと」が多いのもなるほど、頷ける話だ。たくさんのお客様に来ていただけるというのはとてもありがたく、うれしい反面、いっぽうではそれに比例して課題や反省点もいろいろ出てくるので連休後の朝というのはちょっとホロ苦い。この先「学習」していかなきゃならないことがたくさんある。
ところで、この三連休には思いがけずずいぶんとたくさんの知り合いにも足を運んでいただいた。せっかくなのだからいろいろお話もしたいところだが、とてもそんな余裕もなく心苦しいかぎり。相手に対してというよりは、じつは自分のほうが欲求不満気味だったりするのだが。それにしても「グラウベル」の狩野さんとか「かうひい堂」の牧さんだとか、コーヒーと日々まっすぐ向き合って生きているような人たちにコーヒーを淹れるというのは(そのことを知ってしまっているだけに)相当に緊張を強いられる。べつだんいつもとちがったことをするわけでもないのに。少なくとも、まじめに淹れているということだけ伝わればよし、そう思うことにしている。「グラウベル」の狩野さんには、近いうちスタッフ向けの「出張コーヒー教室」をしていただきたいとかんがえている。技術のことだけでなく、やはりコーヒーを扱うものとして一粒のコーヒー豆の背後にある世界を最低限知っておく必要があると思うからだ。狩野さんによれば、著書『休みの日には、コーヒーを淹れよう。』の新装版を現在準備中とのこと。とりあえずコーヒーを淹れてみたい、そうかんがえているひとにまず手にとっていただきたい一冊なのでとても楽しみにしている。
三連休の最終日、月曜日の夜は奇跡的に片付けが早く終了したので21時には店を後にして、届け物ついでに渋谷の「bar bossa」へと顔を出す。マスターのはやしさんがナビゲーターをつとめる文化放送のインターネットラジオ、《UNIQue!》の番組「World Music Style~Bar Bossa」の三月放送分でぼくが少しだけ選曲をお手伝いさせていただくことになり、その選曲したCDをもっていったのだ。ひさしぶりのbar bossaはいつもながらに心地よく、途中THE YOUNG GROUPの土信田くんもやってきてなんだかんだと時間を忘れておしゃべりに花を咲かすうち危うく終電を逃しそうになる。昔もよくこんなことあったな、危険だよ、ボッサは。ちなみに下北沢の某有名カレーショップでのバイト経験をもつ土信田くんいわく、「雑誌『Hanako』に出ると二ヶ月は死ぬ」のだとか。「二ヶ月間、毎日毎日カレーを作り続けた」とも。あの~、今月末に発売の「Hanako」吉祥寺特集にmoiも載ってしまうのですが・・・。むちゃくちゃ不安だ。それはともかく、土信田くんは春ごろクルーエルレコードからのCDリリースが決まったらしい。これは楽しみ、moiでもかけられるといいのだけれど。
スイッチを切り替えるという意味でも、一週間をこんなふうな時間で締めくくるというのはなかなかいいものだ。今週もがんばろう。
スタッフたちから、唯一頼りにされているじぶんを実感できる瞬間。
「岩間さーん、瓶のフタ開けて下さいっ!」
ことしは「ボサノヴァ誕生五十周年」なのだそうだ。打ち合わせの席上、bar bossaのはやしさんからそう教えられた。そうか。そういえばそうなのだなあ。ということは、「ぼくが熱心にボサノヴァを聴くようになってから十周年」という話でもある。なぜかというと、ちょうどそのときは「ボサノヴァ誕生四十周年」を記念(中途半端な「記念」だな、しかし)して一挙に名盤の数々がリリースされ、そうしたCDをいっしょうけんめい買い漁っていたからだ。
はじめて「bar bossa」にお邪魔したのもたしかその年だったはずで、その意味では、はやしさんとも十年来のおつきあいということになる。渋谷で仕事をし、プライベートでは友人とイベントなどやっていたころだ。そういえば、そんな十年前に買ったCDの一枚にナラ・レオンのアルバム『美しきボサノヴァのミューズ』がある。原題は、いみじくも『十年後(dez anos depois)』。軍事政権による圧力から逃れるためブラジルを離れパリへと移ったナラが、十年前のリオでの日々を慈しむかのように歌ったボサノヴァ・ソングブック。ナラの「十年」には到底およばないまでも、その後の「十年間」に会社員を辞め、荻窪に店を開き、吉祥寺に店を移転したことを思うと、たかが十年されど十年、その「重み」みたいなものについクラクラしてくる。そしてついでに、十年後に自分がなにをしているかなんて考えることがいかに不毛なことかと思えてくるのだ。
美しきボサノヴァのミューズ <完全盤>/ナラ・レオン
ボサノヴァの話が出たついでに。
いちいち理由を挙げていったらキリがないのだが、クラシックの作曲家でもっともボサノヴァ的な存在といえばシューベルトである。たくさんの愛らしい歌曲はもちろん、かれがヴァイオリンとピアノのために書いたソナチネなんかもすごくボサノヴァっぽい。
そして、ことしの《ラ・フォル・ジュルネ》のメインテーマはまさにそのシューベルト。GWとはいえ最終日の火曜日ならなんとか行けるかな。オフィシャルサイトではすでにプログラムも発表されていて、三月にはチケットの一般発売も開始される。
怒濤のGWの打ち上げは《ラ・フォル・ジュルネ》と早くも心に決めている。ていうか、問題は今週末をどう切り抜けるか?なのだけれど。