#121 挑戦し続けること

突然ですが、クーラーが苦手です。そのため夏はいつも扇風機だけで過ごしています ──

Moi!フィンランドをもっと好きになる121回目の配信レポートをお届けします。メニューはこちら。

+ すごい建築士になる!~ cafe moi ができるまで
+ MustakiviとLAPUAN KANKURIT
+ リラ・ダーラナにて ~ 東と西の交差点
+ コマーシャルの中のフィンランド
+ フィンランド・グラスアート展へ

すごい建築士になる!~ cafe moi ができるまで

最初の報告は自分から。建築家の関本竜太さんの本『すごい建築士になる!』(エクスナレッジ)を読みました。

関本さんは、北欧建築・デザイン協会の理事もされている建築家。荻窪・吉祥寺のカフェmoiの設計を手掛けられたことをご存知の方も多いと思います。ご自身の建築事務所リオタデザインを設立される前に、フィンランドのヘルシンキ工科大学(現アールト大学)へ留学されました。

建築家を志す人や独立を考えている人向けに書かれている本ではありますが、関本さんの経験談やその文章にぐいぐいと引き込まれていきます。建て主の方とのやりとりなどを読んでいると、関本さんと一緒に家を建てたりできたら本当に楽しいだろうなと思いました。そこで岩間さんにmoiの設計を頼まれたときのことを聞いてみました。

お店作りは岩間さんにとって初めてのこと、また関本さんにとっても日本に戻り、独立された直後の仕事ということもあり、おふたりとも手探り状態だったそうです。

岩間さんが関本さんに伝えた要望はふたつ。「フィンランドの空気を感じられるように」、そして「折り畳んで、引越しできるお店」。きっと関本さんは「なにを言い出すんだ、こいつ!」と思ったかもしれない、でもその無茶ぶりをこれはおもしろいと感じてくれたんじゃないかな、と岩間さん。

ミ:moiの始まりからもう20年以上経っているんですね。無茶ぶりしてほしいと思っているかも。
イ:これまでたくさんの設計をされてきたので、いまでは関本さんの建築に対するイメージで依頼される方が多いかもしれないですね。でもきっと無茶ぶりしたら喜んでくれると思いますよ。
ハ:あ、本の中でホテリ・アアルトをおすすめされていました。
ミ:ホテリ・アアルト! 最近知人との話で出てきたばかりでした。


MustakiviとLAPUAN KANKURIT

そしてもうひとつ。本日7月23日まで開催されていた~Mustakiviのポップアップを見るため、表参道のLAPUAN KANKURIT~へ行ってきました。陶芸家/デザイナーの石本藤雄さんがデザインした器やプレート、てぬぐいなど、見るたびに色彩やそのバランスがすてきだなぁと思います。LAPUAN KANKURITのアイテムとも相性が良く、とてもお店になじんでいました。

フィンランドから日本に戻られて、今も精力的に挑戦を続けられている石本藤雄さん。イベントでは、石本さんと知らずに器を手にとる若い人も多かったそうです。また開催に合わせて道後のMustakiviを訪れたという店長のHさんは、今日でポップアップが終わってしまうことをとても名残惜しそうに話されていました。

ミ:てぬぐいもあるんですね。新しいデザインのものはありましたか?
ハ:主にこれまで発売されていたものでした。新しいデザインのてぬぐいは道後のお店やオンラインショップなどで見れますよ。


リラ・ダーラナにて ~ 東と西の交差点

2番目の報告は岩間さんです。都内で北欧料理を楽しめるレストラン、Lilla Dalarna(リラ・ダーラナ)で、食事を楽しみました。

その名前からも分かるようにスウェーデンをテーマの中心にしているお店ではありますが、ミートボールやヤンソンさんの誘惑などフィンランドでもおなじみの料理が味わえます。「自分で選んで? それともコース料理ですか?」とミホコさん。はじめてお店に来たこともあって「今回はコース料理を頼んで、北欧料理を満喫しました」と岩間さん。

自分も同席させてもらいました。ネットなどでレシピを調べて作ってみることはあるのですが、こうしてたくさんの北欧料理をいただくことはほぼ初めてのことでした。お店の雰囲気にも異国情緒があって貴重な体験でした(おなかも胸もいっぱいで大満足)。

イ:スウェーデンから北上してきた料理は多いと思いますが、逆パターンはあるんでしょうか?
ミ:あまり聞いたことがありません。
イ:ロシアにもプリューシカ(菓子パン)とかカリートキ(カレリアパイ)とかありますけれど、フィンランドから伝わったのでしょうか?
ミ:反対にロシアから来たものではないでしょうか。フィンランドは東と西の交差点のような場所ですから。
イ:食文化には政治的・地理的な影響があるところもおもしろいですね。


コマーシャルの中のフィンランド

ここでちょっと休憩、CMの時間です?

ミ:Instagramに流れてきたスープの広告で、iittalaのカステヘルミが使われていたのを見かけました。
イ:ノートパソコンのCMには、アールトのスツールが出てきましたよ。定番の代表的な感じで。
ミ:スツールの定番とノートパソコンの定番ですか、笑。そうやって(フィンランドに)出くわすパターンってうれしいですよね。
イ:そうですね、笑。


フィンランド・グラスアート展へ

最後はミホコさんの報告です。東京都庭園美術館で開催中の展覧会『フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン』を観に行きました。

開館してすぐの時間に行ったけれど人の多さにびっくりしたとミホコさん。作品の展示方法がとても好きだったそうです。食器棚の中に飾られていたり、実際に使われていたリアルな感じが伝わってきたこと、そして新館に並べられていた最近の大きな作品たちに迫力があったことなど。

ミホコさんが気に入ったというのが、カイ・フランクのデザインした「クレムリンの鐘」というピッチャーのような作品。そしてグンネル・ニューマンの冬戦争をテーマにした「スキー・パトロール」、1936年のニューヨーク万国博覧会のためにアールト夫妻がデザインした「アアルト・フラワー」。

ミ:「クレムリンの鐘」のクリアファイルやポストカードを購入してしまいました!
イ:マスキングテープはなかったんですか?
ミ:ええ。でも持っていなかったルート・ブリュックのマステを、笑。カイ・フランクもこんな実験的なことをしていたんだなと思いました。
イ:シンプルなデザインという印象がありますよね。きっと職人さんに無茶ぶりして、困らせたり、愛想つかされたりしてたかもしれませんね。


── 暑くないわけでも、なにかに挑戦しているわけでもありません。ただただクーラーという文明の利器に身体が追いつかないという体調的な問題です。どうぞみなさんも熱中症に気をつけて過ごしましょうね。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。

text : harada

#121|Dare & Daring – Gregory & The Hawk