#119 君が笑うから

僕が笑うのは、君が笑うから ──

Moi!フィンランドをもっと好きになる119回目の配信レポートをお届けします。メニューはこちら。


ハスカップはベリーなの?

最初の報告は岩間さん。フィンランドの新聞「Iltalehti」に掲載されていたハスカップについての記事に注目しました。北海道の特産品として知られているけれどジュースやジャムでしかあまり目にしないハスカップ。「おまえはベリーだったのか!」と岩間さん。日本では不老長寿の果実と云われていると紹介されていたそうです。

フィンランドでは数年前から栽培されはじめたらしく、ベリーの生産者組合は栄養価がもっとも保たれる生食を推奨しています。配信中、生のハスカップはとても酸っぱいですよとコメントをいただきましたが、フィンランドでは生で食べられているのでしょうか。


オスモ・ヴァンスカ指揮のシベリウス交響曲

そしてもうひとつ岩間さんから、4ヶ月後に行う「フィン活」の話題。旅をするのに一番ワクワクするのは出発前の準備の時間かもしれません。「フィン活」にも準備が大事です。

ということで、岩間さんは10月に来日するフィンランドの指揮者オスモ・ヴァンスカのチケットを入手しました。これまで2度キャンセルとなってしまった東京都交響楽団との初共演となる演奏会。興味ある人は絶対行った方がいいですよと岩間さん。

「ミホコさんは知っていると思いますが、オスモ・ヴァンスカはラハティ交響楽団を世界的なオーケストラに育て、シベリウス交響曲全集を録音したことでその名が知られるようになりました。日本シベリウス協会会長で指揮者の新田ユリさんの師匠でもありますね」

▶︎ 第985回定期演奏会Aシリーズ|東京都交響楽団

ミ:今回演奏されるのは?
イ:交響曲5,6,7番です。
ミ:時間的に長くないですか?
イ:合わせて1時間半くらいですかね。


長野・松本 フィンランドを巡る旅

次は自分の報告。今週はひと足早い夏休みとして長野へ行ってきました。いちばんの目的は長野市で再始動された~istut~のおふたりに会いに行くこと、そして工房でコーヒーの焙煎作業を見学させてもらうことでした。その時の模様についてはまた後日どこかに書きたいとおもっています。

ハ:istutはフィンランドなどのヴィンテージだけでなく、自家焙煎コーヒー豆やシナモンロールも作って販売しています。
ミ:コーヒー豆にはなにかフィンランドらしい名前がついているんですか?
ハ:白樺ブレンドとカモシカブレンドと雷鳥ブレンドです。
ミ:長野らしい名前なんですね。
ハ:(フィンランドだと白樺・ヘラジカ・オオライチョウ?)

その次に向かったのが、長野市役所のそばにある「Ph.D. stock hue(フッド ストック ヒュー)」。1930年代~1950年代の初期のモダニズムの家具やテーブルウェアを中心に取り扱われているお店で、そのほか廃棄物や端切れを使ったアップサイクル商品も。地下フロアの広々とした倉庫には様々なアールトの椅子やカイ・フランクのガラスが並んでいました。

元々、家具職人をされていたというAさん。お店では家具のリペアや張替えなどもされています。製造の年代や場所、材質や構造の違いなどなど、家具職人ならではの視点から見たヴィンテージ家具のお話がとても興味深く、すっかり聞き入ってしまいました。

その経験から、アールトをはじめとするモダニズムのデザイナーたちがデザインや意匠に込めた想いを汲み取りたい。そして、希少性や格好良さといった視点だけではない素晴らしさや価値を伝えたり、モダニズムの精神を大切に受け継いでいきたいとおっしゃっていました。

さらに松本に場所を変えて、istutで教わった書店&カフェの「栞日」へ。グラスがカイ・フランクのカルティオだったり、椅子にヨハンナ・グリクセンのテキスタイルが貼ってあったり。

フィンランドの女神に認められて、自然とフィンランドが向こうからやってくるようになってきたのかもしれません、笑。またお店の壁には、Moiのロゴを描いてくれた大平高之さんの絵も飾ってありました。

ミ:ウェブサイトに「INN」っていうのがありますが、宿泊できるんですか?
ハ:えっ、そんなのありますか? 活版印刷の機械なんかがあっておもしろいお店でしたよ。
ミ:ゆっくりと過ごせそうなお店ですね。

そして最後に松本民芸館へ行きました。どんどんフィンランドから離れていくようですが、こちらでもフィンランド?と出会いました。それは創設者の丸山太郎が描いたイラスト。オイヴァ・トイッカのバードにしか見えません!

軽井沢周辺にも足を伸ばしたかったのですが、時間の都合で次回のたのしみに。以上、長野・松本 フィンランドを巡る旅でした。


日本と出会うフィンランド人/日本で出会うフィンランド人

最後はミホコさんの報告です。フィンランドで暮らす人たちについての友人との会話をふたつ紹介してくれました。

まずひとつめが、日本に興味を持つきっかけはやはりアニメが多いという話。しかしそこには世代間のギャップがあるとか。20代はネットなどで、30代は子どものころテレビで、40代はテレビではやっていなかったと。

いま40代くらいの世代ではYLEとMTVの2局3チャンネルしかなかったそうです(40代の人たちが日本に興味を持ったきっかけはどんなものなのでしょうか)。そういえば20年位前フィンランドでポケモンやドラゴンボールを放映していたと岩間さん。

ふたつめは、日本とフィンランドどちらで出会うかによってフィンランド人の印象が全然違うという話。日本に来て働いているフィンランド人は、自己アピールがとてもうまいとミホコさん。一方、フィンランド国内だけで働いている人はシャイでいい人が多い印象だと。

個人差はあるにせよ若い人たちが社交的になってきているのは、フィンランドという国が国際的に評価される中でフィンランド人として誇りが持てているからかも、と岩間さん。

ミ:昼間のフィンランド人とバーでお酒が入った後のフィンランド人とか、笑。日本語が出来るフィンランド人と英語で話すフィンランド人も違うかな、何語を話しているかによって人格が違う。
イ:それぞれの言語の発音によって行動が変わったりするよね。日本語みたいにボソボソ話せる言葉と、英語とは全然違う。
ハ:夏のフィンランド人と冬のフィンランド人も違うのでは?とコメントが来ています。
ミ:そうですね、それも違いますね。


お知らせ:フィンランド・グラスアート展と夕涼みの会

Moiのフィンランドサークル nuotio|takibi では、8月5日に夕涼みの会を開催します。目黒の庭園美術館でフィンランド・グラスアート展を観て、目白庭園の赤鳥庵で夕涼みという会です。目白庭園は19時以降貸切となるので、日本庭園をゆったりと楽しめるとってもスペシャルな時間となるはずです。ご参加をおまちしています。

日 程:2023年8月5日(土)
会 場:東京都庭園美術館/目白庭園 赤鳥庵
所在地:東京都港区白金台5-21-9/東京都豊島区目白3-20-18
定 員:20名
参加費:1,500円(コーヒー、おやつ、ソフトドリンク、茶室使用料金含む)

ハ:istutのコーヒー豆で岩間さんにコーヒーを淹れてもらいますので、ぜひ。
ミ:いいですね。どのブレンドですか?
ハ:雷鳥ブレンドです!


── 笑顔も優しい気持ちもみんな伝播していくものなのかもしれません。いまはなんでもないことだって、いつかどこかにつながっているよ。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。

text : harada

#119|Smile – Haruomi Hosono