人は生きているうちにどれだけの人に会うことができるのでしょう ──
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Moi!フィンランドをもっと好きになる101回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。
- コルヴァプースティ(notシナモンロール)
- マリメッコのトートバッグ
- 大阪京都フィンランドを巡る旅
1日目:Keitto, Maisema, Cafe Aalto Kyoto
2日目:リュイユ展, Kaunis Marra
3日目:Kiitos Leipomo, Pohjonen, retro number
コルヴァプースティ(notシナモンロール)
最初の報告はミホコさん。職場の近所にあるパン屋さんで『コルヴァプースティ』と遭遇し購入してみました。ミホコさんによると見た目はそのままコルヴァプースティ、ビンタされた耳のかたち。
しかし食べてみると中身が、つぶあんとマロンクリーム!コルヴァプースティでありながらアンパン、口の中がとても混乱してしまいそうです。
ラベルに「フィンランドの菓子パンで・・・・」という説明が書いてあったそうですが、『シナモンロール』と表記されていなかった理由がわかったとミホコさん(どこのお店なのかを知りたい方は、今回の配信を聴かれていた方に尋ねてみてください)。
イ:普通のパン屋さんですか?
ミ:はい、おいしいと評判のパン屋さんです。このコルヴァプースティは期間限定でした。
イ:気になる方はお店へぜひ。
マリメッコのトートバッグ
もうひとつミホコさんから、新調したマリメッコのトートバッグについての報告です。
ウニッコ柄でカラーリングはヘルシンキプライド公式の虹色というトートバッグ。結構サイズが大きいので、たくさん物を入れすぎると重くなってしまうとミホコさん。
イ:ところでミホコさんはマリメッコのバッグいくつくらい持っているの?
ミ:10コくらいです。黒いバッグは買いなおしたりして6コ目かな。
イ:最初に購入したのはいつくらい?
ミ:留学した頃ですね。学生が買えるような値段ではなかったけれど、ヘルシンキ本店で買いました。フィンランドの人も特別な時に買って、大切に使っている印象ですね。
イ:映画『マイヤ・イソラ旅から生まれるデザイン』も上映中なので、いいタイミングですね。
ミ:映画、とても楽しみです。
イ:マイヤ・イソラのエネルギーをもらえる映画だと思いますよ。
(まったく関係ありませんが、初めてウニッコを知ったときにウニをデザインに取り入れるなんて斬新だなあと思ったことがありました。失礼しました…)
大阪京都フィンランドを巡る旅1日目:Keitto・Maisema・Cafe Aalto Kyoto
ここからは自分の報告です。3月1日~3日の三日間、大阪と京都にあるフィンランドを巡る旅へ行ってきました。あまりに話したいことがたくさんありすぎて、配信ではいつも以上にうまく話せませんでした。長くなりますが、こちらで旅のレポートをお届けしたいと思います!
まず初日に訪れたのが、大阪・四条畷駅から徒歩5分くらいの場所にあるKeitto。大東市のまちづくり事業「morinekiプロジェクト」として住宅や公園と一緒に整備された、商業エリア内にあります。
Keittoには、レストラン、ベーカリー、雑貨やアパレルを扱うライフスタイルショップ、ワークショップスペース、社員食堂、工房などが軒を連ねています。以前から一度お伺いしてみたいと思っていたので連絡してみたところ、見学させていただくことができました。
1時間ほど早く現地についたため、すぐそばにある飯盛山へ。軽い思いつきで登ってみたのですが、山の上から見るKeittoはとても街に馴染んでいるように見えました。この後、その印象が間違っていなかったことに気づきます。
案内してくれたのはKeittoを運営しているノースオブジェクト広報のKさん。フィンランドに(そしてcafemoiにも)行ったことがあるという同社のSさんも特別に同行してくださいました。お店のことや、おふたりの個人的なお話もお聞きしながら、いろいろな気づきがありました。
お客さんや地域の方々にとても親しまれているKeitto。どうしてフィンランドなのか、なにをどう伝えたいのか。それはMoiにとっても大切なことです。一人でも多くの方にKeittoのことを知ってもらいたい気持ちが溢れて、おふたりに「いい記事にします!」と約束しました。どうぞお楽しみに!
▶︎ Keitto:大東市北条3-8-1
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そして京都へ移動し、ラクエ四条烏丸のMaisemaへ。フィンランドのヴィンテージが数多く並ぶ店内では、オイヴァ・トイッカのミニ・バードフェアが開催されていました。小さなものからとても大きなもの、ニワトリのような姿のものまで、これまであまり見たことのないバードたちがずらり。お店のMさんがとても丁寧に紹介してくれました。
「いま流れている鳥の声は、オイヴァ・トイッカの展覧会のために、彼が過ごした場所で録音されたものなんですよ」とMさん。お店で働くまではフィンランドについてあまりよく知らなかったそうです。とても楽しそうにお話しされるので、本当にフィンランドデザインがお好きなのだと思いました。
▶︎ Maisema:3月7日に移転されます
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1日目最後に向かったのが、CafeAaltoKyoto。ちょうどラストオーダーの20時だったにも関わらずテイクアウトで対応してくださいました。カウンターにディルの花を見つけて思わず、おぉ!と声をあげてしまいました。また、注文を待つ間、店内を見せてもらうこともできました。
アアルトの青い陶器タイルやいくつものゴールデンベル。壁にはヘルシンキのアアルトカフェの古い写真などが掛けられていました。本国のアアルトカフェよりも落ち着いた雰囲気?
品物を受け取るとき「まだ京都にいらっしゃるのでしたら、またぜひお店にいらしてください」と、とてもやさしい店員さん。次回は必ず店内で過ごしたいです。
▶︎ Cafe Aalto Kyoto:京都市中京区槌屋町92
大阪京都フィンランドを巡る旅2日目:リュイユ展・Kaunis Marra
2日目は、京都国立近代美術館で開催中の「リュイユーフィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション」展へ。こちらについても後曰くわしくお届けします。写真ではわからないリュイユのディテールやその大きさなど、ぜひ実物で見てもらいたいと思いました。京都のあとは山形に巡回するそうです。
▶︎ 京都国立近代美術館:京都市左京区岡崎円勝寺町26-1
美術館を出ると、なんと横なぐりのお天気雨。平安神宮の大きな鳥居の向こうに虹が出ています、笑。次は京都市の北、国際会館近くにあるKaunis Marraへ。
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Kaunis Marraは、フィンランド出身のマリアさんが営まれているフィンランドカフェ。前回の配信でPohjonenさんが教えてくださいました。扉を開けて中に入るとフィンランド関連の情報誌や冊子がたくさん並んでいます。
カウンターと四人掛けの大きなテーブル席。まるでフィンランドのお宅にお邪魔したような雰囲気です。棚やキャビネットには、いろいろなフィンランドの食器や雑貨、玩具などがありました。フィンランドへ戻られた際にマリアさんご本人が買い付けてくるそうです。
京都弁のマリアさんがすこしずつお話ししてくれます。フィンランドの写真アルバム、赤いフェルトブーツ舘野泉さんの音楽、出身地カヤーニのこと、カフェオレと一緒に出してくれたKookospallot、お手製のリネンのマット・・・・。時間を忘れて聞き入ってしまいます。
別のお客さんの会計時に突然「えらいこっちゃ!誰かたすけて~」とマリアさんの声。レジの引出しが開かなくなったらしく、マリアさんの代わりに自分がレジを打ちました、笑。
「初対面の人と話すのはちょっと苦手。でもお店には私しかおらへんから話してる」と笑うマリアさん。僕らも初対面ですよと言うと「もう慣れた」と言ってくれました。
帰り際、Näkemiinとあいさつすると「フィンランド語で話しとけばよかった」とマリアさん。きっとKaunisMarraに来るお客さんはみんな、マリアさんに会うためにやってくるんだろうなと思いました。
▶︎ Kaunis Marra:京都市左京区岩倉南四ノ坪町29
大阪京都フィンランドを巡る旅3日目:Kiitos Leipomo, Pohjonen, retronumber
最終日はまずフィンランドパンで有名なKiitosLeipomoへ。お店に入ってご挨拶すると、なんとretronumber店主のHさんでした。シナモンロールやライ麦パンを購入して、Hさんに会計してもらいます。京都では誰がレジを打ってもいいのでしょうか、笑。
Hさんがお店の奥で作業されていたKiitosLeipomoご主人の土持さんをご紹介してくれました。土持さんは以前フィンランド料理店「フィンランディア」でパンを作っていた方で、ベーカリー部門を作るにあたりフィンランドのラハティへ修行へ行かれたそうです。その本格的なフィンランドパンを味わいたい方は、通販もされていますのでぜひ注文してみてください。
あまり長居してはいけないと思いすぐにお店を出ましたが、あとからHさんやPohjonenさんに聞いたところ、土持さんはお話し好きな方だそう。もっといろんな話を聞かせてもらえばよかったと思いました。
のちほどお店にうかがいますとHさんにごあいさつして、次の目的地Pohjonenへ。
▶︎ Kiitos Leipomo:京都市中京区壬生坊城町33-5
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開店までに少し時間があったので近くの北野天満宮へお参り。良い記事が書けますようにとお願いしました。境内の梅が満開を迎える季節だったこともあり、たくさんのひとで賑わっていました。
Pohjonenのえみぞうさんには、Juhlatokyo主催のフェスに出店されていた時にご挨拶したことがありました。京都に来たからにはぜひうかがってみたかったお店です。
京都の町屋の中にフィンランドが溢れていて、それがなんともしっくりくるようなカフェでした。えみぞうさんとのお話が楽しく、つい夢中になって注文を忘れていましたが、サーモンスープとミートボールプレートをいただきました。食後には「サルミルク」というサルミアッキ入りのホットミルクに挑戦。これが意外にも?美味しかったので、お店へ行かれる方にはおすすめしたい一品です。
いつかフィンランドへ行ってみたいというお客さんにサルミアッキを勧めるえみぞうさん。サルミアッキを初めて食べる瞬間に立ち会うことができたのも楽しい瞬間でした。
▶︎ Pohjonen:京都市上京区真盛町726-24
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旅の最後は、四条烏丸のヴィンテージショップretronumberへ。朝に一度お会いしていたので、緊張せずにお話しすることができました。2月にも買い付けにフィンランドへ行かれていたというHさん。あまり見たことのない、これは!というモノとの出会いが楽しいとおっしゃっていました。
実店舗は金・土のみの営業ですが、オンラインショップも運営されています。また手紙社の東京蚤の市などにも出店されているので、関東でもHさんにお会いできる機会があるかもしれません。
▶︎ retro number:京都市中京区占出山町299 ヒラタビル2F
今回の旅で感じたのは、ありきたりかもしれないけれど、やっぱり人の温かさや優しさでした。そして実際に訪れてみないとわからないということ。フィンランドを通して出会うことのできたみなさんにまたいつか会いに行きたいとおもっています。
── 一度会えた人にはまたどこかで会えるような気がします。もし会えなかったとしても会えるかもしれないと思えることこそ素敵なのではないでしょうか。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。
text:harada
#101|The More I See You – Chris Montez