#086 カメラに愛される方法

つい先日カメラを手に入れました。人生初のカメラです ──

Moi!フィンランドをもっと好きになる86回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。

  • アンネ・パソ展
  • フィンランド式父の日
  • きょうの一枚「puisto|hiroba」
  • アールト大学はどこから?
  • フィンランド虚像の森
  • COMPANYシークレットトーク
  • 子どもたちのムーミンタオル

アンネパソ展

今週は都合により岩間さんがお休み。配信直前に起床したため頭も口も回りません。はたしてこのピンチをどう乗り越えたのでしょうか!・・・・といいつつ、いつも通りにスタートです。

まず最初の報告はユカさん。目黒美術館で本日20日まで開催されていた「小さな北欧美術館アンネ・パソ展」へ行きました。

アンネ・パソさんは、フィンランドのメーカーLOVIの創業者でデザイナー。展示では、LOVIの製品からその歴史まで知ることができたそうです。

真っ白なギャラリーの中に素朴なLOVIのオブジェたちがとても映えていたとユカさん。変わり種ではトンボやタツノオトシゴ、2mほどもあるツリーまで。また、色塗りのワークショップやInstagramで写真コンテストなども行われていたそうです。

今年3月から大阪、三重、京都、軽井沢、飯能、そして東京と巡回してきたこの展示。11月30日からは高島屋大阪店で開催される予定です。

▶︎ 小さな北欧美術館 Söpö Museo

ミ:最初の製品というのはどんなものだったんですか?
ユ:ボール状のオーナメントでした。その後リクエストで動物などを作ったそうです。会場で上映されていたビデオでアンネさん自身が説明していました。
ミ:ミッフィーのシリーズも出てますよね。
ユ:ミッフィーもありました!


フィンランド式父の日

次の報告はミホコさん。11月の第2日曜日はフィンランドの「父の日|isänpäivä」ということで、フィンランド式で父の日のお祝いをしました。

©︎mihoko-san

フィンランド式の父の日といえば、まずグリーティングカード。切手やポストカードといえばミホコさん、という印象なのですが、フィンランドに行かれる前から興味を持っていたのでしょうか、それともフィンランドで好きになったのでしょうか。今度おる前から興味を持っていたのでしょうか、それともフィンランドで好きになったのでしょうか。今度お聞きしてみたいです。

そしてフィンランドでは、本などを贈ることが多いとのこと。ミホコさんは図書カードを贈られました。もちろん日本の「父の日」にもお祝いするそうです。

ハ:母の日にはベッドまで朝食を持っていったりと聞きますけど、父の日にはないんですか?
ミ:周りの方たちの話を聞くと、よく食事に行ったりするみたいです。肉もの。
ユ:肉もの、笑。
ミ:父親をもてなすんです。あと季節に合わせて手袋を送ったりとか。


きょうの一枚「puisto|hiroba」

次にミホコさん。みなさんよりフィンランドで撮った写真を提供していただいて、毎朝9時にTwitterでご紹介している「puisto|hiroba」を紹介してくれました。

ある日、写真をリユースしていることに気づいたミホコさん(気づかれてしまいました、笑)。そこで新しくたくさんの写真を送ってくれました。

それらを一足先に見せてもらっているのですが、フィンランドの風景の変化、さらにはミホコさんの人となりがわかるようでとても楽しいです。後日、厳選したフィンランドの写真をお届けしますのでどうぞお楽しみに。

みなさんもページ内の投稿フォーム、もしくはメールでぜひご応募ください。お待ちしています!


アールト大学はどこから?

アルヴァ・アールトの名を冠したアールト大学が、3つの大学が合併して設立(2010年)されたことをご存知でしょうか。その3つとは、ヘルシンキ工科大学、ヘルシンキ経済大学、ヘルシンキ美術大学。

そんな大学や国の組織などの合併や統廃合について、ミホコさんは久しぶりにお会いした方から「フィンランドはどうなっているの?」と質問を受けたそうです。

経費節減などのメリットはあるかもしれないけれど、そのボリュームの大きさやそれぞれのポリシーの違いなど大変なことも多いとか。

それにしてもアールト大学の卒業生たちの写真を見ると、錚々たる面々ですごいなと感じます(個人的にはフィンランドデザインを支えた卒業生たち)。


フィンランド 虚像の森

次は自分の報告。先週の配信でも少しお話ししましたが、ミホコさんが翻訳された『フィンランド虚像の森』(新泉社)を読みました。

これまでフィンランドの森の中を散策したことがなく、写真や映像で見た美しい森という印象しかありませんでした。それが単に幻想であったということではなく、これだけ森と共にあるフィンランドの人たちでさえ、悩み、ときに失敗しながら向き合っている現実を知ることができてよかったと思いました。

なかでも印象に残ったのが、第2章に登場する“1685″と刻まれた「記録の木」の写真。リトヴァ・コヴァライネンとサンニ・セッポの美しい本『フィンランド森の精霊の旅をする』(1997年)でみた「カルシッコ」だとすぐに気づきました。

ミホコさんもあとがきでふれられていましたが、続編『森を管理する方法いろいろ』(2009年)で彼女たちが10年以上も前から森の現状を訴えていたことを知りました。そんな彼女たちだったからこそ、あの最初の本はただ美しいというだけでなく、心に響くものだったのかもしれないなと思いました。

そこで現在の彼女たちについて調べてみると、今年6月から10月までヘルシンキのフィンランド写真美術館にて「Pohjoistuulenmetsä|ForestsoftheNorthWind(北風の森)」という写真展を開催していたことを知りました。森三部作の最終章として位置付けられる展示だったようです。

彼女たち自身がこれまでの歩みを解説するドキュメンタリー動画がありましたので、ぜひご覧になってみてください。

▶︎ Pyhä. Paha. Metsä. / Helig. Ond. Skog. / Sacred. Scarred. Forest. With English

そして来月5日には、北欧楽会主催によるミホコさんの講演会が開催されます。

テーマ:『フィンランド虚像の森』をめぐる物語

講師:上山美保子さん(フィンランド語翻訳家)
日時:2022年12月5日(月)14:00~16:00(開場13:30)
会場:武蔵野プレイス3FスペースC
住所:武蔵野市境南町2-3-18

ミ:当日は最初の本や未邦訳の『森を管理する方法いろいろ』もみなさんに見ていただきたいと思っています。
ハ:とても興味があって行きたいんですが、他にも聞きたい方がいらっしゃると思うので、締め切りギリギリに申し込もうと思っています。
ミ:すぐに申し込んでもらって大丈夫ですよ!ということで、配信後申し込みました。)


COMPANYシークレットトーク

そして先週報告し忘れていたことがありました。それは月食の日にArtek Tokyo Storeで開催されたCOMPANYシークレットトーク。

COMPANYはAamu SongさんとJohan Olinさんによるフィンランドのデザインデュオ。シークレット(ひみつ)をコンセプトに、さまざまな作品や製品を生み出しています。

今回のトークショーでは、日本のこけし職人の方との共同制作から、アルテックで取り扱い中の「Secret of Finland」(ヒントは日本のお土産)、2019年にヘルシンキのデザインミュージアムで開催された展覧会『Secret Universe』、そして海外へ行けなかった時期に制作していた本『Secret of Imagination land』など、これまでの主な作品について、くわしく紹介してくれました。

とても優しくユーモアのあるAamuさんとJohanさんのおふたり。いつか日本でも大きな展覧会を観てみたいです。

▶︎ COMPANY

終了後、慌てて外にでると赤い月が見えました。そのこともなんだかCOMPANYらしいなと思いました。


子どもたちのムーミンタオル

小児がん経験者の子どもたちとその家族のデザインによる「ムーミン」のタオルが発売されるというご案内をいただいたので紹介しました。子どもたちは事前に「ムーミン」やタオルの製作工程について学び、それぞれデザインを考えました。

完成したタオルを手にした子どもたちの感想は「自分たちで決めて作ったものが商品になって、ちょっとはずかしいけど、うれしかった」「このタオルをきっかけに、小児がんのことを知ってもらえたら」というものだったそうです。

この話を聞いて、トーベ・ヤンソンがアウロラ子ども病院の階段に壁画(1955~57年)を描いたことを思い出しました。赤十字やUNICEFのためにもイラストを描いていたトーベですから、きっと今回の試みも喜んでいるのではないでしょうか。

担当の方にお聞きしたところ、MOOMINSHOPオンライン以外では、ムーミンバレーパークでも購入できるそうです。また売上の一部は、小児がんや重い病気のお子さんとそのご家族を支援する認定NPO法人シャイン・オン・キッズへの寄付となります。

ユ:子どもたちがデザインしたんですか?
ハ:はい、そうです。デザインのプレゼンテーションなどもしていましたよ。
ミ:なかなか、かわいいデザインですね。
ハ:またなにか情報が入りましたらお知らせします。


── よい写真を撮るには、きっとカメラに愛されなければいけません。ということで、しばらく肌身離さず行動したいと思っています。これからもっとよい写真が撮れますように。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。

text:harada

#86|The Camera Loves Me – Would-Be-Goods