#053 あたらしい一年

昨年4月に始まったこの配信も2年目に突入です。そこで今回は1年間を振り返ってみようという趣旨で始まりました──

Moi!フィンランドをもっと好きになる53回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。

+ フィンランド浸透度調査
+ シラッカピヒヴィ
+ 映画『妄想』
+ ヘレネ・シェルフベック(ヘレン・シャルフベック)


フィンランド浸透度調査

お仕事でもフィンランドに深く関わっているみほこさん。この1年間「フィン活」の報告をする中で、意外とプライベートではフィンランドと関わっていないことに気づかれたそうです。仕事に絡んだ話題が多く、どこまで話していいのかわからないという面もあったけれど、こんな「フィン活」もあるのかと知ることができたと。

もちろん「フィンランド浸透度調査*」は今も続けています。しかし最近はスウェーデンに押され気味ではないかと危惧しているそうです。

*フィンランド浸透度調査みほこさん発案による街中で見かけたフィンランドアイテムを数える調査

ミ:そのトナカイのマークは?とか。
ユ:”mOz”ですね、笑。
ミ:わざと言わないようにしてたんです、笑。
イ:ノヴェルティのようなものが多いので、スウェーデンアイテムの普及率が高く感じますね。
ユ:最近はフィンランド語の店名や商品名なども増えて。
ミ:コンビニコスメの”söpö”とかを見て、ニンマリしています。
ユ:100均とかにもフィンランド語ありますね。
イ:それでも人口550万人の国の言葉がこれだけ普及するってすごいよね。フィンランドへの好感度の高さ。


シラッカピヒヴィ

ゆかさんは何度もフィンランドに行かれていますが、今度行けるようになったらどこへ行きたいですか?と岩間さん。

考えていると悲しくなるので、今は考えないようにしています。ここまで長引くとは思っていなませんでしたが、GoogleMapにはたくさんピンが立っていますとゆかさん。

そんなゆかさん、以前マクヤマク料理教室*で習ったというシラッカピヒヴィ(silakkapihvi-t)に再挑戦しました。

シラッカとはニシンの一種のようですが、今回は手に入れやすいイワシ、ソースのケルマヴィーリカスティケ(kermaviilikastike)にはサワークリームで代用したそうです。

*マクヤマク料理教室フィンランドからオンラインで開催されている料理教室

ユ:シラッカという小魚にライ麦の衣をつけてバターで焼く料理です。
イ:それはビールに合いそうなやつ!
ユ:美味しかったですよ。アジでも作りましたが、イワシがおすすめです。


映画『妄想』

そして岩間さん。フィンランドのことを忘れないようにと始めたこのclubhouse配信。世の中が落ち着くまでと考えていけれど、まさかこんなに続くとは思っていなかった。

聞きに来てくれている方々の「フィン活」の様子をInstagramなどのSNSで見ています。大勢集まるというよりもこのくらいの近さでみなさんに楽しんでもらえれば、と。

今回、岩間さんが紹介してくれたのは『妄想』というサスペンス映画。「フィンランド」をキーワードにAmazonプライムで見つけました。

ストーリーは海辺の豪華なサマーハウスを借りた夫婦が、怪我をしたカップルを泊めたことをきっかけに歯車が狂い始めるというもの。

イ:ふおめんたとか聞こえてくるんですが、どうも聞き取れない言葉が多くて…。
ユ・ミ・ハ:…。
イ:方言なのか、フィンランド語が訛っているんですよね。
ユ・ミ・ハ:・・・(微笑)。
イ:そうしたら、これ、エストニアだって思って。
ユ・ミ・ハ:笑。

── エストニア映画だそうです。


ヘレネ・シェルフベック(ヘレン・シャルフベック)

そして映画つながりで、今年2022年夏に日本公開予定の『HELENE/魂のまなざし』の話題を。

主人公はフィンランドで最も愛されている画家のひとり、ヘレネ・シェルフベック(Helene Schjerfbeck)。日本でも2015~2016年の彼女の展覧会『魂のまなざし』や、2019年の『モダン・ウーマン~フィンランド美術を彩った女性芸術家たち』で彼女の作品を見ることができました。

たまたまYouTubeを見ていると『HELENE』の主演ラウラ・ビルン(Laura Birn)と監督アンッティ・ヨキネン(Antti J. Jokinen)の動画を見つけました。それぞれのシェルフベックに対する印象や、彼女を演じるにあたって画家から筆さばきを習ったことなどを語っています。

▶︎ Helene:Trailer+Film Talk with Laura Birn & Antt iJ. Jokinen|YouTube

また、シェルフベックを主人公にした小説について教えてくれたみほこさん。日記形式になっているのですが、どこまでが本当なのかという議論もあったそうです。

ミ:とても分厚い本なのですが、ふむふむと読んでいます。
ユ:読みたいです。みほこさん訳してください!
ミ:訳したい本のひとつではあります笑。
(ハ:ぜひ読んでみたいです!)

*RakelLiehu『HELENE』(2003WSOY)2004年にルーネベリ賞を受賞。ペーパーバックで512ページあるとか。

そしてシェルフベックの作品を見るのに岩間さんがおすすめというのが、ヘルシンキからエスポーに向かう途中にあるディドリクセン美術館(Didrichsenin taidemuseo)。

▶︎ Didrichsen Art Museum

みほこさんもシェルフベックが好きで、アテネウム美術館はもちろん、タンミサーリにある彼女のアトリエや美術館にも行ったことがあるそうです。町には「シェルフベック通り」もあるとか。みほこさんのブログにも何度か彼女のことが登場しています。

▶︎ Raaseporin Museo|Raseborgs Museum

また先月の記事にも書きましたが、アテネウム美術館で3月27日まで開催されていた『モダンウーマン』展でも彼女の作品を観ることができました。

▶︎ 国際女性デー|女性アーティストの足跡を辿る旅へ

タンペレとユヴァスキュラの間にあるセルラキウス美術館ゴスタ|Serlachius-museo Göstaでも彼女の作品を常設展示しているようです。

さらに現在、ヘルシンキ近代美術館(HAM)で開催中の『Dance!Movement in the Visual Arts 1880-2020』でも2022年9月11日まで)。

最後にフィンランドの画家や展覧会について調べるのにとても役立つサイトをご紹介します。ログインすると作品や画家、コレクションなど細かく検索することができます。フィンランド旅行の際、美術館へ行く予定を立てるのにも良いのではないでしょうか。

▶︎ TAIDE ART


── いつまで続くのか誰にもわかっていないというのも、またおもしろいところ。一期一会というやつですね。というわけで、2年目もどうぞよろしくお願いします。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。

text:harada

#053|New Year – Natalie Evans