セムラを食べました。今年、初セムラです。とはいえ食べるのは3度目の経験です。フィンランドではラスキアイスプッラといいます ──
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Moi!フィンランドをもっと好きになる44回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。
+ シベリウス交響曲第1番
+ きみのためのバラ
+ 北欧ディナーコースセット
+ 北欧トラベル オンラインイベント
+ Karhu × MOOMIN
+ 四人の交差点
+ フィンランド語講座
+ 北欧作家絵画展
シベリウス交響曲第1番
今週、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団のコンサートへ行ったという岩間さん。本来の目的はシューベルトのピアノ協奏曲を聴くためでしたが同時に演奏されたシベリウスの交響曲第1番も素晴らしかったとのこと。
シベリウスの曲は晩年に近づくにつれ内省的になっていきました。しかしこの交響曲第1番には若々しさや激しさが残っており、当時ロシアの統治下でこの曲を完成させたシベリウスの情熱のようなものが感じられるそうです。
クラシックのことはほとんど知らないので初めて気づいたのですが、第◯番というのは作曲した順番だったのですね。
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ここでみほこさんから「小ネタ」をすこしよいでしょうか? シベリウスといえば額の縦ジワが有名ですが、交響曲の数と一緒だといわれていますね。と。調べてみると交響曲は第7番まで、シベリウスの画像もたしかにしかめっ面が多かったです、笑。
ついでに岩間さんも「小ネタ」をと。ユーロが導入される前のフィンランドの100マルッカ紙幣の肖像画になっていたシベリウスですが、初めてフィンランドへ行ってその紙幣を手にしたとき、晩年の石臼のような丸坊主の顔しか知らなかったので誰だかわからなかったそうです。
それならもうひとつとみほこさん。紙幣の裏面が飛び立つ白鳥の絵なのですが、財布から次々と出て行ってしまうようだとフィンランドの友人の方がおっしゃっていたそうです。たしかにちょうど白鳥がいなくなる夏の休暇では羽が生えて飛んでいってしまうかもと岩間さん。
おふたりからぴょんぴょんいろいろな話が飛んでくるのでおもしろいなあと思っていました。さすがです。
きみのためのバラ
あるエッセイ集の中で紹介されていた池澤夏樹の短編集『きみのためのバラ』(新潮文庫)を偶然手にとったという岩間さん。そこに「ヘルシンキ」というタイトルの一編がありました。
国際結婚がテーマのすこし切ない話で、まず言葉というものの差異からそれぞれの気持ちが離れていってしまう情景を描いているそうです。たしかに外国から帰国したとき、景色や食べ物よりもまず、周りがみんな日本語を喋っていて何の苦もなくコミュニケーションが取れることに日本へ帰ってきたという実感を持ちませんか、と岩間さん。ここで本日の名言。
──「フィン活」はするものではない。呼ばれるものである(©️Iwama)
北欧ディナーコースセット
自宅でリラ・ダーラナの料理を楽しむことのできる「北欧ディナーコースセット」についての記事を書きました。まだ一度もお店にうかがったことがないのでお店の料理を食べたことのある方に協力していただきました。お時間のあるときにご覧ください。
北欧トラベル オンラインイベント
先週、ゆかさんが紹介していた北欧トラベルのオンラインイベントに参加しました。「ノルウェー オスロとフィンランド ヘルシンキ ぶらりまち歩き」ということで、オスロからは公共図書館ダイクマン(Deichman bibliotek)とムンク美術館、ヘルシンキからは中央図書館オーディ(Oodi)を紹介してくれました。
1963年設立のムンク美術館は、昨年10月に移転オープンしたばかり。ガイドの方がとてもわかりやすく、やはりプロだなあと感心しながら視聴していました。
▶︎ 新ムンク美術館がオスロに開館。3つの《叫び》を常設展で公開する巨大施設に
ヘルシンキではオーディに向かう途中、路面が凍結していて歩くのが大変そうでした。滑り止めとして道に小石を撒いたりするそうです。
意外と坂の多いヘルシンキでは実際にどんな靴を履いたらいいでしょうかという岩間さんの質問に、山登り用の靴や底に溝のあるブーツなどがいいですねとみほこさん。それでも滑りやすいので滑り止めのスパイクなどをつける方もいるそうです。フィンランドの方々も毎年、最初は凍結した道の歩き方を忘れていて、時間が経つにつれ思い出してくるとか。
Karhu × MOOMIN
靴といえば、ちょっと気になる情報を発見。フィンランドのシューズメーカー Karhu のインスタグラムに「Ready? 👀」という投稿がありました。詳細が発表されたらまたご報告したいと思います。
四人の交差点
北欧ブッククラブ、次回のモデレーターをゆかさんが担当されます。1〜2月の課題図書はトンミ・キンヌネン著『四人の交差点』(古市真由美訳/新潮クレストブックス)。
フィンランドでは家族を題材とした大河ドラマのような作品が多く書かれているのですが、この作品では独立前から100年間にわたってある家族の姿が描かれています。そして現代だけでなく過去のフィンランドを疑似体験してみたいという方にもおすすめです。とみほこさん。
岩間さんも5年ほど前に読んだことがあるそうです。内容は忘れかけているということですが、当時のツイートをご紹介。
フィンランドでベストセラーとなったトンミ・キンヌネンの小説『四人の交差点』を読む。女3人男1人の目を通して綴られるある一家のファミリーヒストリーはまた、フィンランドという国の困難の歴史そのものでもある。もし橋田寿賀子脚本でドラマ化するなら、とりあえずラハヤ役は泉ピン子でよかろう。— moicafe (@moikahvila) November 20, 2016
みなさんもどんな配役にするか考えながら読むと楽しいかもと岩間さん。ご興味のある方はぜひ北欧ブッククラブのFacebookグループにご参加を。
▶︎ 北欧ブッククラブ
フィンランド語講座
みほこさんのフィンランド語講座、4月からの予定が発表されています。朝日カルチャーでは【フィンランドの小説を読む】として、ドキュメンタリーやミステリー、文学作品や小説など、ひと月にひと作品を試し読みし、参加者の方々にどの本を読みたいか選んでもらうという講座になるそうです。
わからない単語を自分で辞書をひきながら少しずつ読み進められる方なら大丈夫とのこと。教室とオンラインのハイブリッドで開催されるそうですので、遠方の方もぜひ。
北欧作家絵画展
都合により今回の配信には参加されなかったゆかさんですが、渋谷の東急本店で開催中の「北欧作家絵画展」へ行かれています。2/2(水)までですのでご都合のつく方はいらしてみてください。
ゆかさんにもみほこさんにもいつもいろいろなことを教えていただいていて本当に感謝しています。また配信を聴きに来てくださる方々やレポートを読んでくださる方々にもとてもありがたく感じています。どうもありがとうございます。これからもどうぞお気軽におつきあいください。
── 最後になにか言いたいことはありますかといわれたので、つい、セムラって本当はいつ頃食べるのですかと質問してしまいました。
岩間さんに調べてもらったところ年明けから2月後半までがシーズンとのことでした。ホイップクリームから雪をイメージしていたので、その頃だと認識していたとみほこさん。イースターの断食に入る前に食べられていたそうです。
元々スウェーデン発祥ということなのですが、セムラというシンプルな名前からラスキアイスプッラという不思議な名前で呼ばれるまでにどんな紆余曲折があったのでしょうか。ご存知の方いらっしゃいましたら教えてください。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。
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追記)なんとゆかさんからラスキアイスプッラの由来を教えていただきました! くわしくはゆかさんの投稿をご覧ください。
text : harada
#041|My Name Is Jack – Manfred Mann