今週は再び森からお届け。すこし空気が冷たくなってきました。いつものベンチのあたりにカラスがいたので、ちょっと離れた切り株に腰かけます。オナガが鳴いていますねとみほこさん。鳴き声でわかるんですねとゆかさん。遠くでクイー、クイーと鳴いている鳥が気になっている自分 ──
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Moi!フィンランドをもっと好きになる30回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。
+ アウトドアサウナinメッツァ
+ 映画『TOVE/トーベ』
+ ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン
+ 希望のかなた
+ シベリウス交響曲全集
+ お知らせ
アウトドアサウナinメッツァ
今週のトップバッターはゆかさん。飯能市のメッツァヴィレッジ内で開催されている「アウトドアサウナinメッツァ」へ行かれたそうです。
テントサウナやトレーラーサウナがあり、水着とTシャツを着用してのサウナ体験ができます。あいにくの雨模様でしたが、その代わりにサウナを貸切状態で楽しめたとゆかさん。湖の向こうにムーミン谷の灯台なども見えて、実際にフィンランドへ訪れているような気分にもなれるほどよい景色だったそうです。
サウナの大きさは定員5名くらい、薪をくべる係の方もいるのでどなたでも楽しめるのではと。今度は晴れた日に行きたいといっていました。ちなみにバーベキューもできるそうです。
11月28日(日)までの期間限定で金、土、日、祝日のみ開催です。また行かれる方はWebサイトからの予約も忘れずに。
映画『TOVE/トーベ』
そしていま上映中の『TOVE』を観たというゆかさん。キラキラとした若い時期のトーベ・ヤンソンがとても魅力的だったそうです。みほこさんの「予習なしでも楽しめますか?」という質問に、弟ラルスの登場シーンなどわかりにくいところもあったので、ざっくり知っているとよいかもとゆかさん。岩間さんもトゥーリッキ・ピエティラとのその後の関係などがわかっているとより楽しめるのでは、といっていました。
またムーミンに興味のない方にも、若い女性芸術家の姿を描いた映画として十分楽しめると思うので、ぜひご覧になってみてくださいと岩間さん。
映画に出ていたシナモンロールをみて、劇場の売店でも売ってくれたらいいのにと思ったというゆかさん。自分も大賛成です、笑。北欧関連の映画を上映する劇場関係者の方、今後のご参考に!
ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン
先週のみほこさんのclubhouse配信を聴いて気になっていた『ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン』(トゥーラ・カルヤライネン著/河出書房新社)を読みはじめました。翻訳は配信にもゲスト出演されていたセルボ貴子さん(共訳:五十嵐淳さん)。
まだ半分くらいしか読めていませんが、美術家としてのトーベにスポットをあてて人間関係や当時の状況などを詳しく描いているので、映画を観る前に読むとしたらこちらの評伝をおすすめかと。もちろん映画を観たあと読んでも理解が深まると思います。
岩間さんも言っていましたが、なかなかの厚さです、笑。
希望のかなた
次は、アマゾンプライムで今月中までの配信となっているアキ・カウリスマキの映画『希望のかなた』の話題へ。内戦を逃れてフィンランドへやってきたシリア人男性が生き別れた妹を捜す物語で、カウリスマキ監督にしては一歩踏み込んだテーマを取り扱っていて重く感じられるかもしれないけれど、クスクス笑えるようなところもあるので楽しめますと岩間さん。ラストシーンははたしてハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか、というところをもう一度確かめようと見直したそうです。
▶︎ 希望のかなた(字幕版)
印象は変わりましたか?とみほこさんの質問に岩間さんはこう答えました。
世の中には3種類「いい人」「悪い人」「その他大勢」がいて、問題の本質的な解決を望むなら「その他大勢」がコミットしなければいけないのではないか。自分がどのような未来を望むのか、ハッピーエンドを目指すなら考えようというのが、カウリスマキ監督のメッセージなのではないか。
朝食は希望ですね。岩間さん、頭痛が治ってよかったです。
シベリウス交響曲全集
みほこさんが紹介してくれたのは『シベリウス交響曲全集&ヴァイオリン協奏曲(藤岡幸夫指揮:関西フィルハーモニー管弦楽団)』。こちらは関西フィル50周年を記念して、10年間のライブ録音を集めた四枚組のCDです。
全曲を続けて聴くこともなかなかないので、新たな発見があったとみほこさん。シベリウスの交響曲は暗い印象があるけれど、フィンランドの夏の様子(光?)などが目に浮かんでくるようでした。またフィンランド独立前と独立後の曲の印象の違いなどに注目するとおもしろいのでは、と。
ライナーノーツも充実しているそうですので、興味のある方はぜひ。
お知らせ
まずはみほこさんから。 11月13日(土)〜19 日(金)「フィンランド映画祭 2021」が渋谷ユーロスペースにて開催されます。今回のラインナップは5作品 (+短編アニメーション1作品)、チケット販売は11月1日(月)からです。最新情報はTwitter公式アカウントからどうぞ。
もうひとつは、フィンランド在住のetsuroさんから教えていただいた塩田千春個展『境界をたどる / Tracing Boundaries / Äärijajoilla』。こちらはエスポー近代美術館 EMMAにて10月27日(水)から開催されます。
▶︎ Chiharu Shiota: Tracing Boundaries – EMMA
この展覧会に関連して10月26日(火) 23:00〜、EMMAチーフキュレーターと塩田さんによるストリーミングライブがあります。etsuroさんも通訳として参加されるそうですので、お時間のある方はぜひご覧ください。
▶︎ EMMA Talks: Lavalla Chiharu Shiota
── 自分のことなので近所の洗濯干しや風で揺れた看板なんかが音を立てていただけかもしれません。それはそれとして森にさし込む朝の光がきれいだったから、まあいいか。といった今週の配信でした。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。
text : harada
#030|Light Upon The Lake – Whitney