白ですか? 赤ですか? はい、白です ──
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Moi!フィンランドをもっと好きになる93回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。
冬の光〜LUX Helsinki
「ヘルシンキで体験してみたいイベントがふたつあります」と岩間さん。ひとつは毎年8月に開催されている『FlowFestival』。英米のメジャーアーティストから通好みのインディーバンドまで幅広いラインナップで、2004年から続く音楽フェスです。
「都会育ちのもやしっ子としては、夏の炎天下や天候の崩れる自然の中などはちょっと無理だけど、8月のフィンランドだったら快適でしょう」と岩間さん。昨年と一昨年は中止となりましたが、今年2023年はFKA TwigsやDEVO, Suedeの出演がアナウンスされています。
そしてもうひとつが冬のイベント、今回の配信日1月8日まで開催されていた【LUX Helsinki】。世界各国のアーティストがヘルシンキの街を光で包むアートイベントです。いつもの見慣れた建物やスペースが光の作品に生まれ変わります。
照明器具やそのデザインにおいても世界から注目を浴びてきたフィンランド。それらは冬の長い夜の時間を快適に過ごすため、「光を楽しむ、光を味わう」といった感覚が育まれてきたからではないかと岩間さん。「白夜の夏には自然の光は感じられるけれども、照明の光はやはり冬がふさわしいでしょう」と。
ミ:LUX Helsinkiというのは最近できたイベントですか?
イ:いえ、結構前からだと思いますよ。
ハ:(調べてみたところ、初回は2009年でした)
ミ:友人もInstagramに写真を載せていました。
イ:ハッシュタグ#luxhelsinkiで見て楽しんでいます。みなさんもぜひ。
フィンランドのアンデルセン
次は自分の報告。みなさんはアンデルセンの『雪の女王』を読まれたことがあるでしょうか?題名やあらすじは知っているものの実際には読んだことがないという本がたくさんあると思います。今週ふと思いついて『雪の女王(アンデルセン童話集上/文春文庫)』を読んでいると、なんとその中に「ラップランド」が登場してきたことに驚きました。
ヨーロッパを旅してまわったアンデルセン。もしかしたらフィンランドにも訪れたことがあるかもしれないと思い調べてみると、フィンランドの作家トペリウスの名前が出てきました。
ミ:フィンランドのデザイナーが挿絵を描いた『雪の女王』もありますね。
ハ:サンナ・アンヌッカですね、グラフィックっぽい。CDジャケットなども手掛けている方です。あと、トペリウスの紹介に「フィンランドのアンデルセン」と出てきたのですが、本当ですか?
ミ:トペリウスも童話を書いてますね。フィンランドが出てくるといえば、あの、チェコの作家にも。
イ:カレル・チャペックね。ところでムーミンに出てくるモランもそうだけど、冬を呼ぶキャラクターには女性が多いような。
ミ:それは研究調査してみるとおもしろいかもしれませんね。
ちなみに、ミホコさんのおすすめはトペリウスの『星のひとみ』(岩波少年文庫)。現在絶版のようですが図書館などで探してみたいと思います。
フィンランド・グラスアート展
そしてもうひとつは、富山市ガラス美術館で開催中(2023年1月29日まで)の展覧会『フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン』について。昨年11月にフィンランドセンターのアンナ=マリア・ウィルヤネン所長が「世界一幸せな国フィンランドの暮らしとデザイン」という記念講演会に登壇されました。そのアーカイブが現在YouTubeで公開中です。
ハ:まだ途中までしか観ていないですけど、笑。ちなみに展覧会は茨城県陶芸美術館に巡回するそうです(3月18日〜6月18日)。
ミ:茨城だったら行ける距離ですね。東京でやるとしたらそちらを待ってしまいそうですが。
イ:でも、それぞれの地方や美術館ならではの見え方があるから。そこでしか感じられないものとかがあるからおもしろいよね。ミホコさんもあるでしょう。
ミ:はい、京都のリュイユ展(『リュイユーフィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネンコレクション』)。
フィンランドことはじめ
次の報告は「フィンランド語を半年くらいで話せるようになりたいのですが?」という質問を受けたというミホコさん。講座などをいくつかご案内したそうです。
イ:前に「スピードラーニング」って流行ったじゃないですか、聞き流すだけってやつ。カフェmoiでもフィンランド語講座をやっていて、開店準備をしながらずっと聞いていたんですけど、ちゃんと勉強しないと無理なことがわかりました。若い子が留学でばーんと飛び込んで覚えるっていうことはあるけど。
ミ:聞くだけだとやっぱり難しいですね、おしゃべりの人は早い。自分を出すのが重要です。
イ:それに、やりたいと思ったときがやり始めどきですね。
ハ:(ちょっといい話。)
そしてもうひとつ。フィンランドについて知るためにおすすめの一冊を聞かれたというミホコさん。
そこで選んだのが、古市憲寿+トゥーッカ・トイボネン『国家がよみがえるとき〜持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由』(マガジンハウス)。フィンランドの研究者たちに論文を依頼し、それを日本とフィンランドの社会学者が分析するという内容です。
「フィンランドはスタートアップのイベントなども盛んに行われていますよね」と岩間さん。
配信では気づかなかったのですが、表紙を見ていたら以前読んだことがあることを思い出しました。『雪の女王』も読んだことを忘れてしまわないようにしなければ、笑。
夢のカレワラ
最後にもうひとつ。初夢にフィンランドが出てきたというミホコさん。書店で『カレワラ』の本を開くと、その挿絵を担当していたのがトーベ・ヤンソン!
トーベが自作以外で挿絵を描いているのは、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』、『スナーク狩り』、トールキンの『ホビットの冒険』。トーベの『カレワラ』、とても読んでみたかったです。
ハ:ところで初夢はフィンランド語でしたか?
ミ:日本語だったと思いますが、手に取った本はフィンランド語だったような。
── 白というのは梅の花の色。梅が咲いていますよというとミホコさんから色についての質問がありました。花も雪も光も、冬は白が似合います。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。
text:harada
#93|The Snow Queen – The City