#067 夏の光と影

暑い日が続いています。それでも木陰の森の中は涼しいので、今朝は外からお届けしようと玄関を出たところ、雨が降り出しました ──

Moi!フィンランドをもっと好きになる67回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。

  • かくたみほ写真展「OURHOUSE」
  • サーリストライスレイパと豆スープ
  • マリメッコのリュックとトートバッグ
  • サンナ・マリン首相とロックフェス

かくたみほ写真展「OUR HOUSE」

今回はまず自分の報告から。自由が丘のIDÉEで開催中のかくたみほさんの写真展を観てきました。会場のGALLERY AND BOOKSは、ヴィンテージ家具やオブジェ、アートブックなどを取り扱うギャラリーで、なかにはオイバ・トイッカのバードなどもありました。

額装された正方形の写真たちは、夏のフィンランドで撮られたもの。いずれも光が降りそそぐような明るい印象を受けました。

フィンランドや北欧で撮られた写真には、どこか透明感や淡く優しい色があるように思います。それらの写真を見て気づくのは影が長いこと。ここ日本でも夕方や秋口の影が長くなる時間には、あたりの光が優しくあたたかく感じることがありますよね。

そこで以前、Moiのサークル「nuotio|takibi」に寄稿してくださった照明デザイナーの梅田かおりさんのお話を思い出したのですが、フィンランドは緯度が高く、日本に比べて太陽の位置が低いため影が長くなるそうです。光が優しく感じられる理由もきっとそこにあるのかもしれません。

会場で、かくたさんの写真を見ながら、ふと、光を撮った写真なのではなく、影を撮った写真なのではないかと考えていました。木漏れ日や日陰、水の中や部屋の中で感じる親密さのような。

ご都合のつく方はぜひ、その光と影をご覧になってみてください。また、かくたさんは北海道の東川町文化ギャラリーでもラトビアの写真展「GOODTIMES」を開催中です。

かくたみほ写真展「OURHOUSE」

2022年7月1日~7月25日
TIDÉE 自由が丘3F GALLERY AND BOOKS
▶︎ idee.co.jp

ユ:そういえば、ミホコさんのアイコンの写真、影の写真ですね。
ミ:こちらは日本で撮ったものですが、フィンランドへ行くといつも自分の影の写真を撮りますね。足が長く見えるので、笑。


サーリストライスレイパと豆スープ

そしてユカさんが紹介してくれたのが、サーリストライスレイパ(saaristolaisleipä)。もちっとした甘止めのライ麦パンで、ミホコさんによるとなかなかしっかりとした重いパンとのこと。

フィンランドのおみやげとしていただいたミックス粉を使って焼いてみたというユカさん。

おすすめの食べ方としては、サーモンをのせたり、サワークリームを添えたり。また、オーブンから出してから少し冷まして食べるのがポイントだとか(作ってから2,3日後がベスト、と書かれているレシピもありました)。

ユカさんがそのパンと一緒にいただいたのが、木曜日の豆スープ(hernekeitto)。「秘蔵の」とはいえ、お家にフィンランドの食材があるところがさすがです。

イ:豆スープといえば、木曜日のやつですね。
ユ:そうですね、笑。
ハ:どうして木曜日は豆スープなんですか?
イ:そういうものなんです、笑。
ミ:かつてトゥルクで飢饉があった時に、「豆」しか納税が無かったことがあったそうです。毎日「豆」を食べる羽目になってしまった王様が、民衆たちにも食べさせるために木曜日を「豆スープの日」と決めたとか。諸説ありますが。
ユ:王様の気まぐれだったのですね、笑。


マリメッコのリュックとトートバッグ

次はミホコさん。もちろん現在も「フィンランド浸透度調査」は継続中。今回、ミホコさんが遭遇したのが、マリメッコのリュック。

とても人気のあるので街でもよく見かけますが、そのとき背負っていたのはサラリーマン風の男性だったそうです。心の中で大拍手をしたというミホコさん。

イ:マリメッコというと、あの黒いリュックですか?
ミ:そうです、男性で持っているのは珍しいと思ったので。ご自分で買われたのかな?
イ:マリメッコって知って(わかって)いるぶん、持ちにくいところもありますね。
ミ:マリメッコのお店は男性だと入りずらいところもあるのかな?
ハ:ひとりだと入れませんね。
ユ:メンズの服もありますよ!

©︎mihoko-san

そしてミホコさんが布製のトートバッグを新調した話へ。水浴び小屋で佇むスナフキンがいいです。

いま勝手に「Moi」のトートバッグがあったらいいなぁと思ったのですが、どうでしょうか?厚手で重いものを入れてもへこたれないのがいいなぁと妄想。ぜひ岩間さんにリクエストを、笑。

ユ:そういえば、KARHUのノベルティのトートバッグを持っていたら、先日あるお店で「カルフ大好きなんです!」と突然話しかけられました。逆浸透度調査のような、笑。今のとロゴの熊がちょっと違うんですよね。
ミ:ああ、違いますね。
イ:ユカさんがひくなんて、笑。ところでKARHUのスニーカーは履いていましたか?
ユ:不自然に近づいてきたので、笑。はい、履いてました!


サンナ・マリン首相とロックフェス

そして、岩間さんが紹介してくれたのが、現在、京都文化博物館で開催中のEU FILM DAYS 2022について。オンラインでも配信されている作品があるのですが、フィンランド人監督の作品では『Aatos ja Amine / Gods of Molenbeek』(2019年)を観ることが出来るそうです。

こちらの作品は、移民の多いベルギーを舞台に、そこで暮らす6歳の少年二人を追ったドキュメンタリー。登録が必要ですが、興味のある方はぜひご覧になってみてください。

▶︎ Aatos ja Amine|EU FILM DAYS 2022

もうひとつは、フィンランドのロックフェス会場で撮られたサンナマリン首相の写真。

フィンランドでは夏休みのシーズンを迎えているので、プライベートで訪れた様子ではないかとのこと。「めっちゃカッコイイ!」と岩間さん。

このフェスは、トゥルクのルイッサロ島で毎年開催されている「RUISROCK|ルイスロック」というヨーロッパで2番目に古いロックフェスティバル。岩間さんによると、ヘルシンキで開催される「FLOWFESTIVAL」(8/12~8/14、Gorillaz, Florence + The Machine, Nick Cave & The Bad Seeds etc.)に比べると国内のアーティストが多いかも、と。

過去のルイスロックへの出演者などを調べてみると、海外からもかなり大物のバンドが出ていて驚きました。2000年以降は少しハード目なバンドが増えているような印象です。

▶︎ RUIS ROCK


──「暑いなあ」「暑いですねえ」といった一連のあいさつも、夏だしそれはそれでいいかなあと、あきらめの境地にたどり着いたかのような毎日です。部屋に戻ってしばらくするとすぐに雨が止んだことには、ちょっと一言いいたいところではありますが。。みなさんもどうぞご自愛ください!それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。

text:harada

#67|Both Sides Now – Joni Mitchell