#054 小さな小さな鳥の声

天気が良いので久しぶりに森からお届け。いつものベンチに腰かけるとコツコツと木をたたく音が ──

Moi!フィンランドをもっと好きになる54回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。

+ TACHIKAWA LOPPIS
+ Hyvää Matkaa!
+ HONKAオンラインイベント
+ フィンランド語の方言
+ アアルトのスリークロス教会、そして次回のお知らせ


TACHIKAWA LOPPIS

今週の報告はまず、東京立川市で週末に開催されていた「青空の北欧市場 TACHIKAWA LOPPIS」の話題をゆかさんから。

北欧のヴィンテージや雑貨、お菓子などを取り扱うお店やカフェが集まった北欧マルシェ、白樺細工やヒンメリ作りのワークショップにモルック体験などの参加型のイベント、北欧各国をもっとよく知るためのトークショーと様々な催しがありました。

会場は立川駅と昭和記念公園の間にあるGREENSPRINGSという商業施設で、ホールや美術館、ホテルなども隣接されています。階段を上った2階が緑のあふれる中庭のようになっていて、白いマルシェのテントがいくつも並んでいました。

ゆかさんは、今回初めて知ったという千葉のCafeSucreを紹介してくれました。いろいろなお店を一度に知ることができるのも、こうしたイベントのいいところだと思います。

また会場で展示されていたVOLVOに試乗してみたというゆかさん—「そのまま乗って逃げたくなりました」。

同日、イベントに出店されていたistutのおふたりに会いに自分も行ってきました。


Hyvää Matkaa!

この日のためにたくさん作られたというお菓子やジャムなどもほとんど売り切れでしたが、たくさんの方々が入れ替わり立ち替わりやってきて、おふたりとお話ししたり、商品を買い求めていく様子を眺めていて、なんだかとてもうれしい気持ちでした。

「やはりお店やイベントなど実際にそういった場所へ出かけていくのはいいですね」と岩間さん。

そんな岩間さんが紹介してくれたのが、北欧旅行フィンツアーが今月末表参道にオープンする「Hyvää Matkaa!」。こちらのスペースは、北欧カルチャーの発信基地としてカフェや物販だけでなく、イベントやワークショップなども予定されている大注目の場所です。

「以前カフェについてアドバイスを求められたことがあったので、開店したらぜひ行ってみたい」と岩間さん。

オープンの際にはくわしくご紹介したいと思っています。

▶︎ nordic.co.jp/news/28637


HONKAオンラインイベント

そして次は岩間さんとゆかさんが参加されたHONKAのオンラインイベント「ログホームでおうちサウナ」の話題へ。

HONKAは世界最大のログハウスメーカー。今回のイベントでは、山中湖畔にあるFUJIYAMA LOG BASEというHONKAジャパンのオープンハウス施設に、在日フィンランド商工会議所のアンティ・クンナスさんを迎えて、フィンランドと日本のサウナについてお話しされました。

ユ:サウナに入りながらおしゃべりしてましたね。
イ:ロウリュがすごい勢いで、笑。
ユ:家にサウナがあるのいいですよね、入りたくなりました。
イ:バルコニーでクールダウンしたり。やっぱり日本のサウナで水風呂が多いのは、自由に外気浴ができない環境的な面もあるのかもしれないね。
ユ:前にお話しした西荻のルーフトップというサウナは、屋上で外気浴ができるんです。
イ:駅前だけれどうまく見えないようになっているみたいですね。ドローンに注意しましょう。
ユ:ドローンは禁止です!


フィンランド語の方言

そしてみほこさんは、翻訳に関するオンラインイベントに参加したことについて報告してくれました。おもに小説などで、お国言葉(方言)が使われている場合、どのように訳したら良いかという各国の翻訳者たち共通の悩みがあるそうです。

フィンランドで3度も映画化されているヴァイノリンナの古典小説『無名戦士たち(アンノウンソルジャー)』では、各地方から集まってきている登場人物たちが方言を話すことで、地方の特徴やその人物の背景などがフィンランドの人たちにはわかるようになっているそうです。

そうした場合、日本の各地方の言葉(関西弁や東北弁など)を無理矢理あてはめて翻訳すると危険だとみほこさん。翻訳者の方たちと意見交換した結果は、やはり訳すときはニュートラルがよいのではないか。また海外の出版社によっては方言化はしないでほしいという要望があったりするそうです。

さらにくわしい話については、みほこさんが北欧語書籍翻訳者の会のnoteに書かれるそうです。公開は今週水曜日とのことですので、ぜひお楽しみに。

ユ:以前フィンランド映画祭で観たラップランドを舞台とする映画なんですが、全編字幕が関西弁だったんですよね。
イ:それはまたチャレンジだね、笑。
ミ:どうでしたか?
ユ:ひっくり返りました。観ているあいだ字幕が気になってしまって、笑。
イ:字幕といえば、日本のコミックスをフィンランド語に訳すとき、背景の擬音が難しいという話を聞いたことがあります。
ユ:擬音はそのまま残してたりすることも多いですね。


アアルトのスリークロス教会、そして次回のお知らせ

配信では話しそびれていたのですが、先月31日に開催されたアルヴァ・アアルトのスリークロス教会についてのオンラインイベントに参加しました。

なぜスリークロス教会がアルヴァ・アアルトの代表作と呼ばれるのか、あらためて知ったスリークロス教会の特徴などについてレポートを書きました。読んでいただけるとうれしいです。

▶︎ アルヴァ・アアルトからの贈りもの|note

ユ:次回の配信(4月17日)はちょうどPääsiainen、えっと、イースターの日ですね。
ハ:イースター!(「イースター」という言葉よりもフィンランド語が先に出てくるところがすごいなぁと)
イ:以前チョコのイースターエッグをフィンランドから持ち帰ってきたらとけてしまって大変でした。
ユ:さすがにこの季節だととけますよね、笑。
イ:それでは来週はイースターにまつわる話題を!
ハ:イースター…(なにも思い浮かばない)


── 音をたよりに目を凝らしてみると木の幹にキツツキがいました。フィンランドでキツツキに会うのはなかなか難しいと、ちょうど配信時にみほこさんの側にいた友人の方がおっしゃっていたそうです。もしかすると大きなキツツキと思われたのかもしれませんが、とても小さな小さなコゲラという鳥です。大分過ごしやすくなってきて外出するにはもってこいの季節になりました。そんな時ほんのちょっと耳をそ立ててみてはいかがでしょうか。どこからかコツコツと音が聞こえてくるかもしれませんよ。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。

text:harada

#054|Little Bird Little Bird – Elizabeth Mitchell