今朝の気温はマイナス1℃。防寒対策をバッチリしていつもの森へと向かいます。土の上に霜が降りて氷の粒が朝陽でキラキラしていました。霜柱をざくざくと踏んで歩きます ──
*
Moi!フィンランドをもっと好きになる38回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。
+ ピックヨウル
+ SAGA×FINLAND
+ クリスマスに贈る本
+ シベリウス日和
+ クリスマス・マーケット
ピックヨウル
ピックヨウル|Pikkujouluとは、その名の通りちいさなクリスマスのこと。クリスマス休暇の前に行われるカジュアルなパーティ(wikipedia調べ)で、日本でいう忘年会みたいなものという説明も聞いたことがあります。
ゆかさんとマイキさんのJuoppolalliによる2年ぶりのイベント「フィンランドのおもしろ動画を観ながらあれこれおしゃべりするピックヨウル」がオンラインで開催されました。世界でいちばんダサいPV(どんな映像でしょう?笑)や昔のCMなどをみながら、フィンランド好きが集まり楽しい時間を過ごしたそうです。
*
またゆかさんは、ドゥマゴ文学カフェというオンラインのトークイベントに参加しました。エッセイストの平松洋子さんと『日本サウナ史』という本を執筆した草彅洋平さんによるフィンランドをテーマとしたイベントです。
▶︎ フィンランドをテーマに『ドゥマゴサロン 第20回文学カフェ』
日本のサウナにはそれほど興味がなかったというゆかさんですが、サウナを体験した最初の日本人の話などを聞いて『日本サウナ史』を読んでみたくなったと言っていました。
*
そして北欧文化協会12月例会「フィンランドのデザインとフィンランドでのデザイン活動について」にも参加したゆかさん。フィンランド在住のテキスタイルデザイナー吉澤葵さんから自身の作品についてや、アトリエとして使っているアーティストハウスの話を聞いたそうです。
そんなアーティストハウスに一度は訪れてみたいとゆかさん、フィンランドでは自治体などによるアーティスト支援などが充実していて羨ましいと岩間さん。
*
さらにゆかさんは、名古屋のタカシマヤで12月21日まで開催中の北欧展へ行きました。会場では駐日フィンランド大使館の料理長のレシピによるフィッシュボールを。
みほこさんがフィッシュボールと聞いて思い浮かべたのは魚の身を丸めたものでしたが、こちらは焼いたつみれのような料理でヨーグルトソースが添えられていたそうです。とても美味しく、ディルもたくさんだったのがうれしかったとゆかさん。ディルは惜しみなく使うのが重要ですねと岩間さん。
名古屋のサウナラボにも行かれたゆかさん。ちなみに名古屋店には近々屋上に休憩スペースができるそうですよ。お近くの方はぜひ!
SAGA×FINLAND
次は自分の報告。メッツァ・パビリオンで開催された『SAGA×FINLAND コラボイベント』へ行ってきました。こちらのイベントでは「佐賀市とフィンランドが目指す循環型社会」をテーマにトークが繰り広げられました。
佐賀からは、清掃工場から排出される二酸化炭素を利用してキュウリやイチゴなどの作物や、アンチエイジングの化粧品などに使われるアスタキサンチンを抽出するためにヘマトコッカスという藻を育てているという話がありました。農作物は二酸化炭素を与えることで作付け面積に対する収穫率が上がり、後継者不足といわれる農業離れ対策にもなっているそうです。
一方フィンランドからは、ゼロウェイストを目指しているNolla Restaurantの紹介。ヘルシンキのフレデリック通りにあるこのレストランでは、オリーブ油とスパイス以外は地産地消のものを使用しているそうです。
またフィンランドで人気の「ResQ」というアプリも紹介されました。ランチのテイクアウトなどの売れ残り在庫を知ることのできるアプリで、通常よりも安く購入できるため、フードロス対策になります。
そのほかにもいろいろな催しがあり、とても充実したイベントでした。
みほこさんから、佐賀はオリンピックフィンランド代表の事前キャンプ地だったというつながりがありますという補足がありました。
*
そしてようやく映画『TOVE/トーベ』を観ました。主演のアルマ・ポウスティがまさにトーベ・ヤンソンのようで素晴らしかったことや、劇中で流れていた40年代のビッグバンドジャズなどを聴いて、トーベはそんなに昔の人だったのかと驚いたことなどが印象に残りました。
クリスマスに贈る本
おすすめの一冊といえば、お知り合いにクリスマスプレゼントの本を紹介してほしいと相談されたみほこさん。ちいさなお子さんにはマウリ・クンナスの『サンタクロースの冬やすみ』(いながきみはる訳/偕成社)。
おすすめする前に実際に読んでみたというみほこさん。その感想は「楽し過ぎてたいへん!」ということです。絵本なので原書をフィンランド語の勉強の一環として読んでみるのも良いかもしれません。
そして中学生の男の子には、何度か話題に上った『世界からコーヒーがなくなるまえに』(青土社)、そしてカリ・ホタカイネン著『知られざるキミ・ライコネン』(三栄書房)をおすすめしたそうです。
キミ・ライコネンは今季引退したレーシングドライバー。ちなみにその男の子はみほこさんの翻訳した『フーさん』(国書刊行会)も読んでいるそうなのでフィンランド好きになる素養はバッチリだそうです。
そしてみほこさんのアドベントカレンダー。ひそかに楽しみにしています。
シベリウス日和
岩間さんによると「シベリウス日和」とは、
① 摂氏5℃以下
② 空気が乾燥している
③ 天気が晴れている。
この三つの条件を満たす日は、シベリウスを聴くのにもってこいの日だそうです。
先日、日本シベリウス協会札幌支部の駒ヶ嶺ゆかりさん(カフェモイにもよくお越しになっていたそう)から、シベリウスの誕生日に開催されたオンラインイベント「第9回シベリウス・カフェ~劇音楽の世界」について教えてもらったという岩間さん。
自分もそのイベントを視聴したのですが、最後に演奏されたピアノアレンジのフィンランディアが素晴らしかったです。きちんと聞かずなんとなく重苦しいイメージを持っていたのが、とても軽やかな感じがしてよかったです。
シベリウスを「ながら聴き」できますか? というみほこさんからの質問に、はい、聴けますと岩間さん。シベリウスの交響曲を聴くとフィンランドを初めて訪れた時のことを思い出すそうです。4月初め一気に氷を解かす、陽射しの眩しさを全身に感じるような。みほこさんも「カレリア組曲」を聴くとフィンランドの夏の光景が思い浮かぶそうです。
クリスマス・マーケット
配信では報告し忘れましたが、フィンランド大使館敷地内のメッツァ・パビリオンでおそらく最後のイベントになるという「クリスマス・マーケット」へも行ってきました。
フィンランドからサンタクロースも登場し、質問タイムなどもありました。こちらのサンタさん、最初のあいさつから日本語でびっくりしました。好きな日本の食べ物は納豆だそうです。なかなか質問の手が上がらなかったので最後に思い切って手を上げたら、先に別の方が上げたのとかぶってしまい、とても恥ずかしかったです。
──「あなた(サンタクロース)はどんな贈り物が欲しいですか?」
自分の質問は幻となりましたが、サンタクロースだったらどんなプレゼントを望むだろうかとどうぞ想像してみてください。それが今の世界に必要なものなのかもしれません。
この二年間パビリオンでは本当にたくさんのイベントが行われてきました。大使館やスタッフの方々、いろいろと大変な日々だったと思います。どうもありがとうございました!
── 次回の配信はクリスマスのすぐあと(26日)ということで “Hyvää joulua!” の言葉で今回はお開きとなりました。みなさんもどうぞよいクリスマスをおすごしください。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。
text : harada
#032|Soon After Christmas