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#9|鏡の中のふたり

Moi!フィンランド好きが日曜朝8時から今週のフィン活について報告しあう30分

初回の配信から2ヶ月が経ちました。30分と短い時間ではありますが、振り返ってみるとなかなかバラエティの富んだ内容になっていると思います。都合のつくときにふらりと参加していただけるとうれしいです。どんなことを話しているんだろう?と気になられた方は、前回までのアーカイブ記事もご参考になさってください。

それではさっそく9回目のレポートをお届けします。


まずは今週のYさん。先週の配信でIさんがお話しされていた Juhla Tokyo へ行かれたそうです。ムスティッカピーラッカ、美味しそうです。語感が楽しいのでつい口ずさみたくなります。ムスティッカピーラッカ。手作りのシナモンロールもお持ち帰りされたそうです(食べたい!)

ちょうど先週の打ち合わせでシナモンロールの話になり、フィンランドの家庭の味なのでレシピや作る人によってそれぞれ出来上がりが変わること、湿度の高い日本で一年を通して同じクオリティのものを作ることの難しさなどをIさんから聞いていたところでした。もうすこし落ち着いたら、いろんなお店のシナモンロールを食べ歩きしてみたいです。

次にYさんが紹介してくださったのが、神楽坂のカフェで開催されていた långsvans(ロングスバンス)さんのイラスト展。セムラシリーズというのが気になります。スウェーデンに留学経験がある方だそうで、Yさんはセムラのステッカーを購入されたそうです。

セムラについては今までも何度か話題に上りましたが、カルダモンの入った丸いパンをくり抜いてアーモンドペーストとクリームを挟んだものです。フィンランドではラスキアイスプッラといい、ベリーのジャムを加えたりします。季節限定のお菓子なので来シーズンまで楽しみに待っています。

以前、ムーミンバレーパークでセムラはありますか?と尋ねると、お店の方が全くわからない様子だったので、シュークリームみたいな感じで、たっぷりのクリームがはさまれてるパンで、、と必死になって説明すると「ラスキアイスプッラですね!」とさわやかに教えてくれました。個人的にこれを「セムラ=ラスキアイスプッラ別人説」と呼んでいます。


自分が紹介したのは、Moiのサークル「nuotio|takibi」の中で、Mさんに教えていただいた『NOKIA 復活の軌跡』(早川書房)という本です。著者はノキアの会長リスト・シラスマ|Risto Siilasmaa(しーらすまー? 現在はすでに会長職を譲っているようです)。

携帯電話事業が行き詰まり、通信インフラ事業へ舵を切っていくまでの話が中心なのですが、すでに150年の歴史があり、紙パルプから始まったということを知ったのがいちばんの驚きでした。

150年の歴史を振り返ると、紙パルプから始まり、ケーブル、自動車用タイヤ、ゴム長靴、テレビ、パソコンなど多様な産業に展開してきたとはいえ、携帯電話会社ではないノキアをイメージするのは不可能に近い ── P.336より(渡辺典子 訳)

サークル内ではかつて使っていたノキアの携帯電話をお持ちの方がたくさんいました。フィンランドが好きだからノキアを選んだのか、ノキアを選ぶような人がフィンランドを好きになるのか、謎です。

ちなみに、以前からずっとノキアの携帯電話を使っていたというIさんは、iPhoneの着信音を「nokia tune」にしているそうです。

ライブ会場や映画館では携帯電話の電源をオフにしましょう、笑

Iさんは、Mさんとご一緒に荻窪にあるフィンランドカフェ kielotie(キエロティエ)ヘ行かれた話をしてくださいました。シナモンロールが美味しそうです(食べたい!)

kielotieではフィンランド語教室やカンテレ体験会なども開かれ、フィンランド好きの方々が集まれる場所を守りたいと営業されているそうです(開店日時などにつきましてはInstagramなどでご確認ください)。

画像2
こちらは2019年にフィンランド大使館で開催された外交樹立100周年イベント『Feel Finland』に出店する際に作ったTシャツです。イベント当日の模様はこちらをどうぞ → Feel Finland(ヘイヘイッ記)

そして、以前Yさんがご紹介してくれた『世界からコーヒーがなくなるまえに』(青土社)をIさんも読まれたそうです。二人のフィンランド人ジャーナリストがブラジルのコーヒー生産の現状を取材した一冊で、サステイナブルやSDGsなどにピンとこないという方にも自然環境や地球の資源を考える上で、おすすめとのことです。

フィンランドではカハヴィタウコ(コーヒーブレイク)が大切されているというのはご存知でしょうか。ノキアが危機に陥っていたとき、社内でのコーヒーサービスを止めたという記述があったことを思い出していました。そのことだけでもノキアがどれだけ追い詰められていたかというのがわかるような気がします。こちらのコーヒーの本も読んでみたいです。


Mさんが教えてくださったのが「EU FILM DAYS 2021」。ヨーロッパ諸国の様々な映画を今年は特別にオンラインで視聴することができます。

▶︎ EUフィルムデーズ 2022

フィンランドからは『AURORA』(2019年作品)。Iさん、Yさん、Mさんみなさんすでに観たことがあるそうなので、これは観ておかなくては!ということで、視聴予約をしてみました。Iさんがおしゃっていたエストニアの『Chasing Unicorns』(2019年作品)も気になります。

そして、Mさんからも、いま読まれている本のご紹介がありました。J.R.R.トールキンがフィンランドの民族叙事詩「カレワラ」の一節を題材に著した『クレルヴォ物語』(原書房)です。彼がのちに執筆する『指輪物語』にも大きな影響を与えたそうです。

また、シベリウスやアクセリ・ガッレン=カッレラにも「クレルヴォ」を題材にした作品があると教えてくださいました。「カレワラ」は多くの芸術家たちのインスピレーションの源となっていたようです。

Kullervon sotaanlähtö (1901) / Akseli Gallen-Kallelan (Wikimediaより)

もうひとつトールキンとフィンランドとの関わりでいうと『ホビットの冒険』の挿絵をトーベ・ヤンソンが手がけているそうです。

またトーベは、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』の挿絵も手がけています。たしか『スナーク狩り』も描いていたと思うのですが、『鏡の国のアリス』は描いていたのでしょうか? 気になります。


本の話題が続きましたが、最後は今秋公開されるトーベ・ヤンソンの映画『TOVE』の話に着地した今回の配信でした。気になる一冊がありましたらぜひ読んでみてください。

それでは次回もお楽しみに。

配信後、フィンランドセンターによるフィンランド美術のオンライン講義に参加したのを言い忘れた!とYさん、Iさん。自分も聴講していたのですが言い忘れました、笑(とても充実した内容の講義でした!)

text : harada

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