ようやく秋晴れの季節がやってきました。林橋に、柿に、栗に、秋の味覚もたくさん ──
Moi!フィンランドをもっと好きになる83回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。
+ マイヤ・イソラ〜Life, Art, Marimekko
+ 北欧展の松坂屋〜それぞれのおすすめ
+ イッタラ展〜20年越しの発見
+ ヘレン・コルパク写真展〜Hallå TOKYO!

マイヤ・イソラ〜Life, Art, Marimekko
今回は都合によりミホコさんがお休み。司会はどうしましょうかと話していましたが、最初の掛け声だけやりますととりたてて意味のない立候補をした自分の報告から。
マリメッコを代表するテキスタイルデザイナー、マイヤ・イソラの映画が来春日本でも上映予定ということで、マイヤ・イソラについて調べてみようと思いました。そこで図書館で借りてきた2冊の本がいま手元にあります。
一冊目はフィンランド在住のテキスタイルデザイナー、島塚絵里さんが文章を書かれた『マイヤ・イソラ〜マリメッコを輝かせた、伝説のデザイナー』(パイ インターナショナル, 2012年)。もう一冊が『マイヤ・イソラ』(PIE BOOKS, 2006年)。どちらもマイヤ・イソラの生涯からデザインまで知ることができます。
島塚さんの方は、とてもカラフルでレイアウトも楽しく、手元に置いておきたくなるような本です。もう一冊の大判の本は、2005年にヘルシンキのデザインミュージアムで開催されたマイヤ・イソラ回顧展『Elama, Taide, Marimekko|Life, Art, Marimekko』の図録の日本版。当時のマリメッコ代表であるキルスティ・パーッカネンによる紹介文から始まるこの図録は、マイヤ・イソラについて知るには必須の一冊ではないでしょうか。
今回初めて知ったのが、マイヤ・イソラが多くの絵画作品を残していること。そして世界中を旅して60年代当時のポップカルチャーから大きな影響を受けていたこと。彼女のデザインがここまで世界中で受け入れられていったのは、そうしたコスモポリタン的な一面があったからなのかもしれないと思いました。
ハ:マイヤ・イソラの絵画作品を展覧会で見てみたいです。岩間さんはヘルシンキで観たことがあるんですよね。
イ:2005年5月にDesignmuseo(デザインミュージアム)で観ました。図録大きくて諦めたんだけど、買ってくればよかったな、笑。
ユ:映画はいつ公開になるんですか?
イ:来年3月の予定ですね。来週のTACHIKAWA LOPPISで島塚絵里さんとkinologueの森下さんによるトークショーがあるので、そこで最新情報など聞けるかもしれませんよ。

北欧展@松坂屋〜それぞれのおすすめ
マイヤ・イソラ愛を叫んだところで燃え尽きていると、「まだ終わってませんよ、笑」と岩間さん。話題は、上野の松坂屋で開催中の「北欧展」へ。
岩間さんと一緒に取材に行った当日、会場でユカさんと出会いました。「普段の北欧関連のフェアでは見ることがあまりないお店なども出店していましたね」と岩間さん。
そんな岩間さんが気になったというのが、京都のマイセマ。マリメッコのワンピースやヴィンテージのアートピースから、バブーシュカといったヌータヤルヴィの現行品まで、独特の品揃えがおもしろかったそうです。また、おもにデンマーク製品を取り扱っている吉祥寺の家具店ベルベットも。時にアールトの家具も入ってきたりするそうなので要注目です。
マイセマでマリメッコのヴィンテージワンピースを試着してみたというユカさんのおすすめは、クングスホルメンス・グラスファブリーク(Sweden)のアイクリーム。
イ:あ、あのカルダモンのでしょ
ユ:とっても美味しかったですよ。カルダモンとブルーベリーにしました。
イ:食べればよかった、笑。他にはどんなフレーバーがありましたか?
ユ:メインは、ミントキャンディ味でしょうか。あとはイチゴとか。
ユカさんの声も1オクタープ上がって、本当に美味しいアイスクリームだったようです。聞いてくれていた方からも「食べればよかった」とコメントをいただきました(「北欧展』は10月31日まで)。
配信では話す機会を逃しましたが、自分が気になったのはこれまたマイセマにあったビョルン・ヴェックストロムのペンダント。ジョン・レノンがオノ・ヨーコに贈ったもの(リンゴ型だから?)。以前、フィンランドセンターのレクチャーでこのペンダントや映画スターウォーズのレイア姫のネックレスをデザインしたと聞いていたので、実物が見れてうれしかったです。
イ:ロンケロ(ヘルシンキ・ロングドリンク)も今回初めて色で登場ということでしたが、ユカさんは飲んだこ甘苏生古八,
ユ:あります、瓶のタイプを。
イ:日本のお酒でいうと「酎ハイ」みたいな感じですかね。
ユ:ジンペースですけれど、飲みやすいので注意が必要かも、笑。

イッタラ展〜20年越しの発見
そして次に、ユカさんが報告してくれたのが、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「イッタラ展」。平日にもかかわらず大人気だったそうです。
ユカさんの一押しは、冬の湖の写真の前にウルティマツーレが展示されていたコーナー。自分もそこにあった湖の氷を取り出したかのようなタピオ・ヴィルカラの大きなお皿?がいちばん気になりました。
また、さまざまな広告写真のパネルにも目を引かれたそうです。「ポストカードになってたらよかったのに」とユカさん、「ガラスの色見本も欲しくなりました(厚みによる色の変化がわかるように階段状になっている)」。
あらためて木型の職人の存在の重要性にも気づいたというユカさん。金型よりも劣化が早いのでその度に作り直さないといけないですから、と。それに加えて、きっと木型の表情というものも当時の製品にはあったんじゃないかなと自分も思いました。
ユ:「新美の巨人たち」でアールトベースが「エスキモーのパンツ」って紹介されてたのあったじゃないですか。そのドローイングが会場のパネルで紹介されていましたよ。
イ:サヴォイレストランのために制作されたもので、別名サヴォイベースとも呼ばれてますよね。
ハ:いま「moiにも同じドローイングのポスターがありましたよね」とコメントをいただきました。
イ:目の前にそのポスターがあるんですが、隅の方に「エスキモーなんとか..」って書いてありました、笑。
ハ:20年越しの、笑。
イッタラ展の会期は11月10日まで。その後は島根、長崎、京都に巡回予定です。
ユ:島根に。
ハ:え!ユカさん、島根にも行かれるんですか?
イ:自然からインスピレーションを受けてデザインされているから、白然の中で\スとまたちがうように感じられるかもね。
ユ:会場によっても印象が変わりますよね。
ハ:島根といえば、あのコテージがありますね。
ユ:ええ。フィンランド語の名前のついた。
ハ:みんなで宿泊して。イ:フィンランド好きが突然集まって。
ユ:島根ツアーを開催しましょう、笑
「島根行きたいです」とコメントをいただきました。はたして島根ツアーは実現するのでしょうか、笑。

ヘレン・コルパク写真展〜Hallå TOKYO!
最後にユカさんからお知らせがありました。
表参道ars galleryで開催されるヘレン・コルパク写真展「True Intimacy」にユカさんが在廊されるそうです(11月1日)。こちらは、フィンランドセンターが開催するスウェーデン系フィンランド人文化ウィーク「Hallå TOKYO! 」に関した写真展。そのオープニング当日には、写真家自身のアーティストトークイベントも会場とオンラインのハイブリッドで開催されるとのこと。
【ヘレン・コルパク写真展「TrueIntimacy」概要】
会期:11月1日(火)〜11月6日(日)
時間:11:00〜18:00
会場:ars gallery
住所:東京都渋谷区神宮前5-13-1
2007年以来、5歳下の妹アンナを撮影し続けてきました。カメラを通して、彼女が子供から大人になる過程を見ることができましたが、その中で彼女の性格の何かが写真に反映されると思い込んでいました。ところが、本当のアンナは誰なのか、誰であるべきなのかという私自身の先入観にそのプロセスが導かれていただけです。アンナ本人そのままを見たい気持ちと彼女の人生をコントロールしたい気持ちの綱渡りをしているように感じています。結局、私の写真に本当に表れるのは、私とアンナとの距難なのです。── ars gallery "True Intimacy"
来週、自分も写真展へ行こうと思っています。
── いまの気分は焼き芋です。とはいえ、いちばん好きなものはなんですか?という質問に答えるのはとても難しいように思います。好きであるからこそ順位なんてつけられないものですから。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。
text:harada
#83|How Much I Really Love You – June & The Exit Woulds