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#32|さよならの光

11月は司会担当です。前回の経験は全てどこかに消えてしまったらしく「モデレーター」(ってなに?!)を「話すひと」と言ってしまうくらいにたどたどしくスタートです ──

Moi! 毎週日曜朝8時からのclubhouse【フィンランドをもっと好きになる】32回目のレポートをお届けします。メニューはこちら。

+ Viaporin Kekri
+ Hyvää matkaa
+ カラマリ・ユニオン
+ マリメッコの救世主


Viaporin Kekri

11月6日にスオメンリンナで古代フィンランドの収穫祭「Viaporin Kekri」というイベントがありました。ちょうど深夜1時からライブ中継されることを知り、観てみました。ちなみに「Viapori」というのは1918年までのスオメンリンナの名称で、「Kekri」は山羊に仮装して、収穫の見返りを受け取るために夜の村を歩き回った「Kekri Buck」という若者の名前から。

▶︎ Viaporin kekri – Darkest feast of the year

この「ケクリ(Kekri)」というお祭りは、長い冬がはじまる頃に収穫期の終わりを祝うとともに死者に感謝を捧げるもののようです。ちょうどカトリックの11月1日が「万聖節(諸聖人の日)」翌日2日が「万霊節(死者の日)」なのでルーツは同じなのかもしれません。万聖節をフィンランドでは「Pyhäinpäivä」と呼び、10月31日から11月6日まで祝われるそうです。

中継ではスオメンリンナのカフェやレストランの紹介、歌や演奏に合わせてまっくらな闇の中でたいまつのジャグリングのようなパフォーマンスがありました。その後水辺の大きな牛(トナカイ? ムース?)型の櫓に火がともされ、かがり火のようになっていました。この時点で午前2時半、眠気に勝てず最後まで観ることができませんでした(アーカイブをどうぞ!)。


Hyvää matkaa

岩間さんの報告は今月3日に開催されたフィンツアーのイベント『Day trip ~Hyvää matkaa~』について。会場は大使館敷地内のメッツァ・パビリオン。祝日の早い時間にもかかわらずたくさんのフィンランド好きのみなさんが集まっていました。実際の旅へ向かう助走モードを味わえるイベントでフィンエアーや大使館、フィンツアーの方々からそれぞれフィンランドの旅の見どころを聞くことができました。

今年はオーロラの当たり年らしく、ノルウェーとの国境にあるUtsjoki(ウツヨキ)からのライブストリーミングでは今朝もオーロラが見えていたと岩間さん。ゆかさんはスマートフォンにオーロラ発生を知らせるアプリを入れているそうなのですが、確かに今年は通知が多いかもと言っていました。

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ちょうどムーミンのフォトパネルが空いていたので「岩間さん、今がチャンスです!」と強引に写真を撮らせてもらいました。右手に持っているのはニョロニョロのたねです。初めて飲んだという岩間さんの感想は、かなりタピオカに近い食感とのこと。ぜひムーミンカフェやスタンドでお試しを。

イベントについての詳しいレポートがポータルサイトに掲載されていますので、ぜひご覧になってみてください!

▶︎ Hyvää matkaa ~リアルな旅はもうすぐそこに〜


カラマリ・ユニオン

次の報告はゆかさん。アキ・カウリスマキの『Calamari Union(カラマリ・ユニオン)』と『Shadows in Paradise(パラダイスの夕暮れ)』のDVDを鑑賞しました。『カラマリ・ユニオン』は噂通り意味不明なところもあり、ヌーヴェルヴァーグを思い出したそうです。現在ではすっかりおしゃれ地域となっているカッリオ地区が、かつては労働者の暮らす街であったことがよくわかる映像だったとゆかさん。

岩間さん曰く、労働者が苦しい現状から脱出しようとするストーリーではあるけれどスケール感は「すごろく」みたい、はたまたおっさんたちの「スタンド・バイ・ミー」のよう。『パラダイスの夕暮れ』とともにラストはエストニアに向かう主人公たちについて、行きがちだよね。でもカウリスマキ監督のことだから含みがあるかもしれない、と岩間さん。

以前カフェモイでキノ・イグルーの方たちと『カラマリ・ユニオン』の上映会を開催した時、上映後に多くのお客さんたちがポカーンとしていたという逸話があるそうです。逆に観てみたくなりました(最後の質問コーナーでは観たことがある方が1名、観てみたいという方が8名でした)。


マリメッコの救世主

最後はみほこさんからの報告。まずはMoiのポータルサイトのコーナーのひとつ【puisto|hiroba】に、みほこさんが送ってくれた写真を掲載させてもらいました。ありがとうございます。Twitterで投稿する前に送っていただいた写真の場所や建物を調べたりするのをとても楽しく感じています。みなさんもぜひご応募ください、お待ちしています。

そして発売されたばかりの『マリメッコの救世主 キルスティ・パーッカネンの物語』(ウッラーマイヤ・パーヴィライネン著/セルボ貴子訳/祥伝社)を紹介してくれました。原題は “Suurin Niistä On Rakkaus”「いちばん大切なものは愛なのよ」といった意味だそうです。またこのフィンランド版には日本版にはない写真がたくさん掲載されているとのこと。

ケネディ大統領夫人によって世界中で話題となったという時代や、フィンランドに行ったことのある人だけが持っていた時代、ワゴンセールの中にもマリメッコ商品があったという時代を経て、現在の人気を取り戻したマリメッコ。とはいえキルスティさん自身は評伝のカバーのようにいつも黒い服を好んで着ていたそうです。

貧しい家に生まれ働き続けてきたつらい人生でもあったようですが、ひとりの女性の物語として読んでみてほしい、とみほこさん。数日前にキルスティさんが永眠されたというニュースを聞いたばかりなのですが、ご自分の評伝を読まれていたらいいのになあと思いました。


── 苦しいことや辛いこと、暗いことや死というもの。光がいちばん明るく見えるのはその中にあるときです。それは希望がいちばん強く感じられるときなのかもしれません。光があるかぎりきっと大丈夫。そんな感じで次週も司会を、笑。

text : harada

#32|Bright Lights and Goodbyes

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