#100 100年前のこと

100年前のことを見聞きしたことのあるひとはほとんどいません。それなのに「いま」というものがあることがなんだかとても不思議なことのように思いませんか ──

Moi!フィンランドをもっと好きになる100回目!のレポートをお届けします。メニューはこちら。


キーワードは「コンパートメントNo.6」

今回はまず、現在上映中の映画『コンパートメントNo.6』について、岩間さんの報告からはじまりました。

「観終わった後に誰かと話したくなる映画ですね」と岩間さん、「キャラクターを表す小物の使い方がとても巧みでした。主人公ラウラのビデオカメラとか。ストーリーを楽しむ映画もありますが、細部のこだわりが印象的な映画でした」。

岩間さんの感想もミホコさんの感想もそれぞれ異なりますが、こうしていろんな場所で話題に上る映画ということがおもしろいなと思いました。Moiでも映画の感想を話し合えるような集まりをしたいなと考えています(それまでに観なくては。)

©︎mihoko-san

ミ:ほぼ全編ロシア語なのでフィンランド語が聞けると期待すると肩透かしかも。
ハ:フィンランド語字幕で観たというコメントをいただきました。ロシア語とフィンランド語しかないとすると自分には全く歯が立ちません、笑。
イ:映画の中に「キーワード」があるので、それだけだと難しいかもしれないね。


フィンランド料理を味わおう!

つづいては自分の報告をふたつ。まずひとつめは、東京・築地場外市場で開催されたイベント「フィンランド料理を味わおう!」の取材に行きました。内容については記事を読んでいただけるとうれしいです。

イベントではフィンツアーのノーラさんがフィンランドの魅力についてお話しされていたのですが、ふと、どうしてノーラさんはフィンランドではなく、日本に暮らしているのだろうと思いました。きっとそれは日本のことを気に入ってくれているからなのかもしれません。そう考えるととてもうれしい気持ちになりました。

逆に、この配信を聴きに来てくれているフィンランド好きのみなさんの存在を、フィンランドのひとたちが知ったとしたら、きっと喜んでくれるんじゃないかと思いました。ただなにかが好きというだけで、うれしさや喜びが生まれる。そんなことを考えていました。


はじめてのシベリウス

そしてふたつめは、アイノラ交響楽団の定期演奏会について。前回もお話ししたようにクラシックのコンサートへ行くのはほぼ初めてのことです。岩間さんにアドバイスされたタキシードは用意できませんでした、笑。メインの曲目はシベリウスの「クッレルヴォ」。フィンランドの民族叙事詩『カレワラ』を題材にした曲です。初演は1892年。

演奏が始まるとまず、指揮者の新田ユリさんの姿に目を奪われました。とてもかっこよかったです。そして一つ楽器だけに注目したり、目を閉じて耳を澄ましたり、奏者の動きから次の展開を予測したり、オーケストラというもののおもしろさを発見した思いでした。次回もまた聴きに行きたいです。

ハ:岩間さんは「クッレルヴォ」を聴かれたことがありますか?
イ:7,8年前にあります。そのときも新田ユリさんが指揮でした。シベリウスというと肖像画のハゲ頭で眉間にシワが寄っていて、楽曲も内向的なイメージが強いですが、「クッレルヴォ」のような初期の楽曲は、若々しくて柔らかい部分がありますね。
ハ:今回『カレワラ』のクッレルヴォの章をよんでのぞんだのですが、風の音や鳥の声、クッレルヴォのソリが走る様子など、物語の場面が音から思い浮かぶようでした。
イ:(当時も)クッレルヴォを読んでから行けばよかった、笑。


ヒナマツリとマッチャ

そしてミホコさん。今回は外出先からということで、ちょっと声のトーンをおとしての参加(せっかくのお休みの日にありがとうございます)。そんなミホコさんですが、今週はひな祭りにあわせて、フィンランドのお知り合いへお菓子などのおくりものをしたそうです。

イ:ひな祭りってフィンランドの方にはどんなふうに説明するんですか?
ミ:おくりものをしたのは日本のことを知っている方が多いので、あまり説明しなくても大丈夫なんです。
イ:ひなあられとか色がきれいですものね。ほかに喜ばれるおみやげとかありますか?
ミ:抹茶入りのものが喜ばれますね、マッチャで通じますし。
ハ:(そういえば、抹茶クリームのラスキアイスプッラの写真を見かけたことがあります。)


お知らせ「そうだ京都、行こう。」

最後にいくつかお知らせを。

来月3月1日から日本橋高島屋で「ていねいに美しく暮らす北欧デザイン展」が開催されます。北欧の椅子やインテリア、食器など、北海道東川町の「織田コレクション」をもとに構成する展覧会。ちょうど1年前くらいに織田憲嗣さんの存在を知り(レポート#51)、いつか観に行ってみたいと思っていました。

会場:日本橋高島屋S.C本館8階ホール
日程:2023年3月1日(水)〜3月21日(火祝)
時間:10:30〜19:30(最終日は18時まで)
*名古屋・大阪にも巡回予定

そしていよいよ3月3日に公開される映画『マイヤ・イソラ旅から生まれるデザイン』。マリメッコの代表的なデザインを多く手がけたマイヤ・イソラの創作の秘密に迫るドキュメンタリー。旅をして、恋をして、こんなにも自由な人生を生きたひとだったからこそ、あれだけのデザインを生み出すことができたのかもしれないと思いました。

監督・脚本・撮影:レーナ・キルペライネン
編集:リーッタ・ピクセルカ
出演:マイヤ・イソラ、クリスティーナ・イソラ、エンマ・イソラほか

3月初めに、京都国立近代美術館で開催中の展覧会「リュイユ─フィンランドのテキスタイル」の取材へ行ってきます。せっかく京都へ行くということで、みなさんにおすすめの場所はありますか?と質問したところ、カフェ・アアルト、ポーヨネン、カウニス・マッラなどを教えてもらいました。ありがとうございます。

TwitterやInstagramなどでもほんのすこしその様子をお届けできればいいかなと思っています。また現地でお会いできる方がいらっしゃいましたら、どうぞよろしくお願いします!


── なんと今回、記念すべき?配信100回目。とはいえ、いつも以上にとりとめのない配信になってしまったような気がします(それは自分が話しすぎたから、笑)。それでもなにかが続いていくということは、ある意味奇跡的なことなのかなと。それでは今回はこの辺で、次回もお楽しみに。

text|harada

#100|One Hundred Years From Now – The Byrds